第11話

練習します。駄文です。


 世界に2つしかない大国が、いまにも戦争をしようと対峙していた。

 戦力や武装に違いなどなく、姿や形までも瓜二つの種族。

 いったいどうしてこうなってしまったのかは知るよしもない。


 戦場は特徴的な場所だった。

 近くにも遠くにも岩がなく木も生えていない、真っ平らな大地。しかし、荒野と呼ぶにはふさわしくない。荒れてはいないからだ。むしろ整えられている。正方形で2色といった種類の異なる岩が交互に敷き詰められていて、どこか芸術めいたものを感じさせる。


 両軍の兵士は互いにまったく同じ全体陣形のまま、睨み合って動かない。横に広く展開した陣形模様だ。

 兵士のうちひとりの顔色をうかがってみるが、表情ひとつ変わらない。まさに屈強そのもの。誰ひとり弱音を吐く者など、改めて両軍それぞれを見てもいなかった。

 姿勢すら乱さない。おのおのが割り当てられた各所で陣形を維持して、開戦の時を待つ。

 風すら吹かない戦場は、ひたすらに静かで不気味だった。


 開戦は唐突に訪れた。

 片方の前衛部隊の一角が、色の異なる正方形の大地をひとつ分だけ前進する。敵の陣の変形を待つ、ということだろう。それに合わせてもう片方の前衛部隊も、規則正しく前進する。まだまだ距離があるにもかかわらず、互いの視線が交錯している。

 不思議な戦争だった。

 片方の一部隊が動けば、もう片方の一部隊が対応して動く。ずっとその繰り返しで、同時に動くことはなかった。


 終わってみれば、両軍ともに敵王を倒すまでにはいたらず、損害も同じ程度だった。それでも兵士たちは疲れなど見せつけず、遠くにいる敵王を、そして近くにいる敵兵を鋭い目で見る。次にまた戦うとき、気持ちの部分で優位に立とうとしているのだろう。

 こんな戦争がもう何百年、何千回、数えるのも馬鹿らしいほど続いていた。

 白の国と黒の国の戦いは、これからもきっと変わらない。

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