第2話

練習します。駄文です。


 クリーム色の壁面の、最上階が十五階のマンションがあった。

 入り口から入ると、日光が届かなくなるため、一気に暗くなる。

 外からでは確認できなかったが、エレベーターがあったので、それに乗る。

 目的地は十三階。

 ぼくは十一階のボタンを、ぴょんぴょん跳びはねてようやく押す。さすがにエレベーターのドアを閉めるボタンは届くので、押そうとしたら時間切れだったらしく勝手に閉じてしまった。

 エレベーターは目的地を目指して上昇する。

 途中、他にも停まることのできる階を通り過ぎる。背伸びをすれば、ガラス窓から外が見ることも出来る。最初は見えなかった自動車道路が見えるようになった。自動車が走っていた。自動車が小さくなっているように感じる。見え方が変わっているんだと気づく頃には、エレベーターは停まろうとしていた。

 エレベーターは停まり、ドアが開く。

 目の前に階段があるが、こっちじゃない。

 左方向にある階段を使う、はずだ。

 十一階から廊下を伝って階段を目指す。ちらっと背の高い手すりから階下を見て、くらりとした。怖い、もう見ない。自動車が豆粒だった。建物の通路が狭く、頼りなく感じる。

 階段まできた。

 あとは登るだけ。背の高い階段を一歩一歩、登っていく。

 目的地。

 ドキドキしながらインターフォンを鳴らす。自分の名前を名乗る。知った声が聞こえたが、求める声ではなかった。

 ガチャっと玄関の扉が開け放たれた。求める姿が目に映る。

 ぼくの名を呼ぶ同い年の男の子。抱き合って握手した。

 ぼくは、はじめてこの友だちの家にひとりで遊びにくることができた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る