描写練習の練習!? カメラワークを意識してワンランク上の文章力が!?

水嶋 穂太郎

第1話


練習します。駄文です。


 喉が渇いたので、水道を求めて近所の公園にやってきた。

 お金を使いたくないというけちんぼでもあるし、自販機が近くになければコンビニもなかったから当然といえば当然。

 公園に入ってまず目につくのは、もっさりふんだんに緑を蓄えた太い木々。見上げれば半分を占めていると言ってもいいな。空の青よりも葉っぱの緑のほうが存在感を放っている。自然と遠くを見そうになるが、手前で止まる。

 同じくらいの距離感で目を水道水の蛇口に戻すと、今度は公園奥にある灰色の砂利が敷かれた広場に目が行く。

 お空の青が緑で浸食されているため、灰色がやけに珍しい色のように感じるんだよね。

 ここからだと広場の半分はでかい樹木の幹に邪魔されてよく見えないんだが、どうやら自転車の練習をしている子どもがいるようだ。

 がんばれー、と声がした。

 あまりに地味で目立たなすぎることに定評のある、広場入り口付近のベンチからだった。親御さんよ、声援だけで自転車が乗れりゃ苦労はしねえんだ……後ろから押してやるなりしてやれ……。

 他人ごとなおれだが、身体が早く水を寄越しやがれと叫びをあげているのに気づき、水道水を口いっぱいにふくんだ。すまん待たせた、うまい!

 もう一度だけ広場をちら見して、後ろに振り返り、講演を後にした。

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