第4話 知らない顔を探す、とは何だろうか

看板とは何だろうか。店を探すときは、だいたい看板を探す。看板に書いてある文字で、売っているものが分かる。看板に書いてある文字は、何だろうか。


食べ物とかガソリンとか、ジャンルが書いてあると助かる。そのほかに固有名が書いてあれば、自分の中での知名度をチェックできる。知っている名前の方がいい。


知らない固有名の店があるのは当然だ。新しい店ができたのだなと思う。知らないジャンル名が書いてあると、それは何の店なのか確認しなくてはならない。


人間には、知っているものを探しているときと、知らないものを探しているときとがある。たくさんの人がいるときは、知っている顔を探すときと、知らない顔を探すときとがある。




知らない顔を探す、とは何か。周りが知っている顔だけのときは、知らない顔を探すことになる。知らない顔とは何だろうか。それが分からなければ探せない。


知っている顔を見れば、その人に関する情報が連想される。知らない顔を見た場合は、なにも思い浮かばない。見ても何も説明できない感覚。


見たときにその感覚が湧いてくる顔こそ、探している顔だ。顔を見たときの説明とは何だろうか。名前や何をしている人か説明できる相手がいる。


そのほかにも、何となく、見ただけで年齢や性別、所属するグループを説明できそうな相手もいる。そのなかで、本当に何も説明できない顔もある。ちょっと怖い。




所属するグループとは何だろうか。自分が所属するグループについては、いろいろな答え方がありそうだ。グループというからには、複数の人がいる必要がある。


誰か一人しかいないグループというのは、存在するのだろうか。それは、自分の名前と同じことかもしれない。とにかく、自分な名前以外で、複数の人間が該当する言葉を探す。


職業・学歴・趣味なんかは、社会的によく聞かれるグループだ。たずねられても、困るときもあるが。適当に、所属グループ名を答えるとしたらどうするか。


自分も相手も所属していそうなグループ名がある。自分と誰かが所属してそうだけど、相手は含まれないグループ名もある。服や持ち物など、見た目のグループ名は、作りやすい。




服や持ち物とは何か。服を着ていると、裸ではなくなる。持ち物を手にすると、手ぶらじゃなくなる。手ぶらじゃないとは、何かを運んでいるということだ。


何かを運んでいるというのは、無駄に歩いているわけではないということだ。では裸ではないとは何だろうか。どんな薄い布でも、服は防御力が上がる。


裸ではないというのは、ちょっとは防御してますよということだ。厚着だと防御力が高くなる。無駄に厚着だと、何のためにそんなに防御力上げてんの、と不思議がられる。


裸で手ぶらでは、防御する気もなく意味もなく歩くだけだ。服や持ち物があることで、ちょっと防御してますし意味があって歩いてます、と言えるわけだ。

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