第3話 ペットボトルとは何だろうか

一日、とは何だろうか。人間は眠ったり目覚めたりを繰り返す。その周期がだいたい一日だ。1時間という単位もあるが、人間は1時間ごとに何かを繰り返すだろうか。


一日の始まりには、だいたい目が覚める。1時間の始まりには、とくに何も決まったことは起きない。ずっと学校にいれば、毎時間チャイムが鳴るかもしれない。


一日の終わりには、だいたい眠りにつく。1時間の終わりには、時計を見るぐらいだ。見ないこともある。1時間ごとに見ると、生活にはいろいろなことが起きる。


眠ったり目覚めたりの繰り返しについては、本当にずっと同じことを繰り返している気がする。呼吸もずっと繰り返しているが、あれは何秒ごとなのだろうか。




呼吸とは何だろうか。呼吸は、空気を吸ったり吐いたりすることだ。吸うというのは、体の中に空気が入ること。吐くというのは、体の中から空気が出ていくことだ。


空気とは何だろうか。体が、吸ったり吐いたりしているものだ。体とは何なのか。いつも空気を吸ったり吐いたりするものだ。まるで、世の中には体と空気しか無いように見える。


体と空気しかない、とはどういうことか。水や食べ物は無いということなのか。体と空気しかないような気がするときは、水や食べ物のことは忘れている。


水や食べ物とは何か。水や食べ物は、空気を手に入れるより難しい。空気は動かなくても吸える。水は、蛇口やペットボトルを探さなくてはならない。




ペットボトルとは何だろうか。飲み物を売っているときは、ペットボトルに入っていることが多い。あえて紙パックやガラス瓶を選ぶこともある。


つまり飲み物の容器の材質だ。材質を適当に選んでいいのなら、木でもいいし布でもいい。石とかコンクリートの容器に入ったジュースもありだ。


石は重そうだ。こう並べると、ペットボトルは軽くて透明、ガラスは重くて透明。そんな要素に分解できる。中の飲み物も、透明なのと不透明なのがある。


瓶に入った牛乳は、透明な容器に入った不透明な飲み物だ。飲み物をひとに買ってきてもらうとき、こんな抽象的な注文をすると、嫌がられるだろう。





透明だ、とは何だろうか。壁があるのに向こうが見える。布があるのに向こうが見える。そんな感じか。何かがあるのに向こうが見える、というのが共通だ。


何かがある、というのはどういうことか。向こうが見えるけれど、その手前に何かがあるということだ。何かがあるのが分かるなら、半透明なのだろうか。


見えないけど触れる、という状況なら完全に透明でも、何かあるとわかる。何か置いてあります、と看板を立てておいても、何かあると言えるのかもしれない。


看板があれば、透明でもよけて通れる。半透明なら、向こう側は暗くぼやけて見える。暗くぼやけて見えるものが何なのかは、よく見て考えるしかない。

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