『どこにいる』
風はどこにいる
見えない
でも感じる
北から南へ 東から西へ
葉を揺らし 枝を揺らし 樹を揺らし
時には暖かく 時には冷たく
時には強く そして優しく
私は肌で そして心で風を知る
愛はどこにある
見えない
胸の中か 頭の中か
体を開いても 愛も心もどこか分からない
当たり前のこと
でも 考えてみたら不思議なこと
そしてやっぱりうなずけること
絶対に間違いのないことはただひとつだけ
あなたのことが大好きよ
いつまでもそばにいたいよう
この気持ち ウソじゃない
熱いぐらいに私の中で燃えてるよ
こんなにハッキリ感じるのに見えないの
風も心も空気も熱も愛も優しさも
見えないのに、あるんだ
地球はひとつ 世界もひとつ
私たちを包む世界 目に見える世界
見えるもの触れるものがすべてだと思ったその瞬間に
人はかごの中の小鳥になる
檻の中の動物になる
世は不思議に 神秘に満ちている
見えるものよりはるかに多数の見えぬものであふれている
心を解き放て
心の目で見よ 心の耳で聴け
何かがあなたに 必ず何かを教えてくれる
ひとつ自慢していい?
私はにはね、妖精さんが見えるの
……冗談言わないでよ
ウソなもんですか 私にはカミサマだっているんだから
……マジで! じゃあさ 証明して見せてよ理論的に
そうしたら、信じてあげてもいい
かわいそうな人
あなたは現実的であろうとして、もっと大事なものを見逃している
見てるのに見えてない 聞いてるのに聞こえてない
私を見て
私自身が証明
私がどんなに楽しく生きているか
魂を満たされて喜びを歌い
目に見えぬすべての神秘に感謝を捧げ
富も金銀もないけれど つつましいけれど
私は幸せ
残念だけど、証明してあげられない
見えない神秘を数字や理論で説明してしまおうというのが土台無理なの
騙されたと思って心のチャンネルを変えてみて
いつもと違う周波数をキャッチするのよ
濡れた瞳をそのままにしないで
やり場のない辛さ 苦しさ やるせなさをそのままにしないで
静かに
世界を感じて
風の中に 空気の中に 自然の中に
そして自分の見えない心の奥の奥に
深く 深く
どう?
もういっぺん聞くね
風はどこにいる
……ここにいる
愛はどこにある
……私の中に みんなの中に そこらじゅういたるところに
あなたの大事な妖精さんは カミサマは見つかった?
……うん
どこにいるの? どんなの? 説明して
……ムリ 多分ボクしか分からないと思う
それでいいのよ
見えないものへの感謝
見えないものへの心の解放
それこそがあなたが自分で引いてしまった自分の限界線を
きっと突き破ってくれるでしょう
証明なんていらない
むしろできなくていい
私はあなたを愛してる
こんなにこんなにこんなに
世界のどんなものも破壊できない奪い去れない
こんな素晴らしい愛
ただひとつ間違いないのは
この目に見えない愛は絶対に『ある』ということ
そしてそれは偶然になんかできるはずがない、ってこと
何かが作らないと、こんな素晴らしいものはあり得ない
愛を作ったのは、もっと大きな愛なのでしょうか
風は黙って、何も答えてはくれません
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