『故郷』
お元気ですか
懐かしい地よ
まだそこにありますか
人は皆元気でいますか
今頃どうしているかしら
夢を語り合ったあの子
学校帰りの公園で
ブランコに腰を下ろし
夢を 未来を
真っ暗になるまで語り続けた
今頃どうしているかしら
あの子は二度と私に会わないと言った
私の前から去っていった
その時は感情に任せて関係を絶ったけど
後になって私は宝石を泥に投げたことを知った
もう どこにいるかも分からない
あの子は生きているかしら
今頃どうしているかしら
今頃どうしているかしら
一生一緒にいたいと思ったあの人
私とひとつになった唯一の人
朝寝顔を見て
死ぬまで隣で見続けていたいと思った
永遠にこの愛は続くと思った
私は甘かった
まだ生きるということが
愛というものが分かっていなかった
終わりは簡単に来た
私は半身を失った
引きちぎられたので
内臓が飛び散った
血のせいで見える風景がすべて赤い
私は倒れた
そして朽ち果てた
今頃どうしているかしら
私を憎んでいるあの人
傷つけてしまったあの人
私は一生忘れない
あんたなんて死んでしまえ
そう言ったあなたのその一言
私の中で落ち着きどころを見つけるまで
一生考え続ける
みんな
もうどこにいるかも分からないみんな
あなたがたがどこにいても
私は忘れはしない
泣き虫だった私は
今 幸せでやっています
それだけがどうしても伝えたくて
空に向かって 風に想いを乗せてみました
あなたの胸に届くように そっと
懐かしいふるさと
懐かしい友よ
私はもう
死なない
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