第5話 違和感
「はぁぁぁぁっ??!!付き合った?!!」
「シーっ!声でけぇ!」
みゆきに告白した事を西田に話すと椅子から転げ落ちた。
「あんなに女はいらねぇって言ってたやつが急にどないしたん?」
「いや、なーんか妙に気になって……。」
「ふーん(にやにや)」
「な、なんや。」
「別に!」
告白報告をし、談笑していたら昼休憩終わりのアラームがなった。
「花谷ー!!悪いが、設計図作成してくれ!」
「ういーっす。」
マジかよ……。ここの会社アナログ作成だから、めんどくせぇよ。
作業場に着くと西田は午前の続きをし、俺は1人で設計図を書き始めた。
書いては消して書いては消して、計算して電卓を叩く。
疲れたから、サボりがてらスマホを見た。
一通のLINEが来てた。もちろんみゆきからだ。
(お疲れ様!)
【おつかれ。今日は休み?】
(今日はoffです!)
【そっか。終わったら出かけない?訓練がてら。】
(お願いします!)
【了解!終わったら連絡する。】
(了解スタンプ)
ある程度聞いてはいるが、やはりわからないこともあるから、無理させない程度で慣れさせなければならない。
元カノとはまた違うから、正直わからない。
(今日はどこ走ろうかな……)
定時になり、荷物をまとめているとLINEが来た。姉ちゃんからだ。
(再来週誕生日やから、ご飯連れてってやー。)
知らんよ。
【覚えていて予定がなかったら】
(コ○ス)
いつもの事やなと思いながら軽トラに乗った。
家に着くと誰もいなかった。
そういえば、今日結婚記念日だったな。
さっさとシャワー浴びて、誰もいないからのんびりと髪の毛を乾かした。
セレナに乗り今から向かうLINEを送った。
だいたい、みゆきの所までは20分前後で行ける距離だけど、暑くなってきてるから長く待たすのも申し訳ないし、何か起こってからでは遅いから連絡している。
いつもの集合場所に着いた。
すると薬局からみゆきが出てきた。
「おつかれー!今日どこ走るん?」
「今日は人混みのところ行っていい?どんなもんがアカンとか見たいし。」
「わかった!」
「しんどくなったらスグ言いや?」
「わかってるって!」
正直怖いのもある。未知の領域みたいなもんやから。
30分走ってるが、大丈夫そうだった。
「今のところ大丈夫か?」
「大丈夫!助手席やとどうもない!」
「そうなん?」
「後ろやと背もたれの圧迫感があるから、それがしんどいねん……」
「なるほどな。」
そうこうしていると、目的地のショッピングモールに着いた。
中に入るとそこそこ賑わっていた。
「しんどなったら言いや?すぐ出るし。」
「ほーい」
何も買うわけでもなく、ブラブラしていた。
体調が悪くなったらしくすぐに出た。
ふと、スマホの時計を見ると30分ちょっと経っていた。
「ごめんな……。」
「かまへん!ちょっとずつ慣れよ?」
「うん。ありがとう……」
それから車に乗り、告白した公園の駐車場で休憩した。
夜はまだ肌寒かったから後ろの席で寄り添い横になっていた。
みゆきは疲れたのか寝ていた。
(あれだけでも相当疲れたんや……。)
頭を撫でていると起きた。
「よう寝てたな。」
「うん……。何もしてへんのに疲れた……。」
(あれ?なんか声が違うような……?)
「そうか、だいぶ疲れたとれたか?」
「うん!」
(やっぱり違う……こんな子供っぽかったっけ?)
「寒いからくっついていい?」
「寒い?ちょっとヒーターいれるわな」
俺はみゆきの声に少し違和感を覚えつつエンジンをかけた。
「明日は仕事?」
「うん!暇やと思うけど!」
「そっか。無理すんなよ?」
「大丈夫!」
「なんかあったら連絡してきてええしな?」
「わかった!」
夜も遅くなり、みゆきを家まで送ろうとしたが、家知らなかった。
「夜遅いし家まで送るわ。」
「もうそんな時間…?」
「せやで。家知らんし教えてな。」
「ほい!」
みゆきの家に着き、向こうからのお別れのハグして今日のプランは終了した。
家に着き、布団に入りさっきの事考えた。
(なーんか、急に子供っぽくなったなぁ……。)
一瞬元カノのことを思い出した。
(いや、まさかな……。こんな近場で2人目なんて有り得んやろ……。)
あれこれと考えてるうちに眠りについた。
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