番外編 美希の日常その1
うちの名前は月藤美希。
今日のスケジュールは昼はうどん屋
夜はスナック。
週2の昼職と週4の夜職。
たった3時間の出勤しかも週2に削られたから、いてもいなくても一緒やんと思いつつ
調理をしていた。
「月藤さん。時間なのであがってください!」
「はーい。お疲れ様でしたぁー。」
タイムカードをおして着替えてあがった。
(ったく。ここに来る客みんな頭悪いやつばっかで疲れるわァ……。)
中型ショッピングモールのフードコートなので、昼時はお客がいっぱいだが、偉そうな態度する客が大半やし、出禁(出入り禁止)になってる客も平気で入れる所やったから、メンタルがやられた。
家に着き、夜の為シャワーを浴びた。
脱毛するお金がないから、カミソリで剃っている。
シャワーを浴び終え脱衣所から出て時計を見た。
「まだ、16時前か……。いつも通り18時になったら準備しよーっと。」
スマホを手に取りオセロゲームしようと思ったら、LINEが来てた。
相手は颯馬さんからだった。
あの日LINEを交換してから、毎日連絡してくる。
どんなけ暇やねん。
あの時、酔ってたのか知らないけどドラ〇もん歌ってたのは面白かった。
「いつも通り営業LINEしとくか」
開くといつも通りどうでもいい内容やった。
(今日は暇やー。)
【お疲れ様です!今終わりました!】
(おつかれ。)
【今日私出勤してますが、来ますか?】
(行かない。)
【そうでしたか……。機会があれば来てくださいね!連絡待ってます!】
営業LINEというものは苦手だ。
夜の世界は今行ってるところが初めてだから。
というか、同伴した時動悸がきて、うずくまってしまったから無理やろうなぁ……。
何食べたか覚えてないけど。
覚えてるのはレモン酎ハイだけやし。
ゴロゴロしてると時間がきたので準備をした。
21時ぐらいに送迎の車が来て店に向かった。
夜職では本名ではなく、源氏名みゆきという名前でやっている。
店に入ってメンバーを見た。
(うわぁ……。今日、車出勤組やん……。最悪……。)
法律上飲酒運転は出来ないため車で出勤してる人はお酒はNG。飲む時は代行という代わりに運転してくれる業者を頼まないといけないし、その代金も貰わないといけない。
ウチんとこは、代行代は飲み代と別やから なかなか出してくれる人がいない。
売上を考えると、お酒飲める方が断然有利。
先に出勤してる子がついてるお客について一緒に飲んだ。
「~で、わしが嫁はんにプレゼントしたんや!」
「めっちゃいいやないですか!奥さんが羨ましい!…あっ、無くなったのでもう一杯貰っていいですか?」
「おう!どうぞ!」
「ありがとうございます!」
今日はキープしてるボトルは飲まず、ひたすらカシス烏龍飲んだ。
(ついてる子喋ってくれぇ……。喉が死んでまう……。)
人見知り克服で入ってだいぶ話せるようになってきたが、喋りすぎるからたまに話をフッたりするが、なかなか会話が続かない……。
トイレも行きたいねんからちょっと繋げてくれ。
内心愚痴りつつ喋ってるとドアが開いた。
「いらっしゃいませぇ…?あれ?」
肩まであるあの長髪の男は……。
颯馬さんやないか!これで3回目やん……。
行かないと言いつつ何故か来るめんどくさい男が来店した。
ママに言われウチは颯馬さんの所についた。
「行かないって言ってまた来たん?」
「たまたま近くにいたから、寄っただけ。」
「行かない詐欺せんといてぇ、ややこしい。」
(最初っから行くって言えよ。)
いつものようにビールグラスとキ〇ンを持ってきて、伝票を書き一緒に飲んだ。
飲んで話してるうちに記憶がそこで無くなった。
気がつくと家の布団の中にいた。
(あ…。またか…)
度々こういうことが起きる。
昼の仕事もこれが原因で週2に削られた。
ウチには誰にも言えない秘密がある。
それを誤魔化すために、パニ症と嘘をついている。
絶対にバレないようにしなきゃ……。
そう思い、眠りについた。
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