第2話 大きな出会い
ズズズズッ
(カップ麺飽きたなぁ)
「あれ?山本その弁当もしかして…」
「妻が作ってくれました(照)」
「新婚やから熱いねぇ!ラブラブで羨ましい!」
「やけど、デキ婚なんでちょっと体が心配ですね」
「予定日はいつや?」
「まだ、ハッキリとはわからないですが、おそらく9月ぐらいやと」
「子供のためにもしっかり稼がんとな!」
「そうですね(笑)」
隣で楽しそうに話しているが、全然興味ない
「花谷もそろそろ結婚とか考えてるんか?」
「いや、俺彼女とか正直いらないっすね」
「一生独身貫くのか。もしかして童t……」
「ちゃいます。卒業してます」
「マジな顔すんなよ!冗談やって(笑)」
年齢を考えると結婚とか考えないといけないのか……。でも、元カノで懲りてるし。
そんな会話をしているうちに昼休憩が終わり午後の作業にむかった。
「みんなー!今日はあがってええでー!」
まだ、15時なのに終了が告げられた。
今日やることは終わってるからいいけど。
「今日は飲み会やから、早く上がれ!」
なんて呑気な工場長なんだ。今日飲み会当日か。すっかり忘れてた。
そして、さっさと片付けをして家路についた。
確か集合時間は22時だったな。ド〇クエできる時間あるじゃん。
でも、スナックで飲み会かぁ……。気が乗らないなぁ……。
そんなこと考えているとLINEがきた。
同期の西田からだ。
(俺、車で飲まへんから送りしょうか?)
助かる。店の場所電車で行かないと無理な所だから終電気にしなくて済む。
それに今日は姉ちゃんが車使ってるから
より助かる。
「よろしくお願いします。っと」
それから風呂入ってアイスを咥えながらゲームしていると、迎えに来る時間になった。
「おまたせ!」
「ありがとう。丁度姉が車使ってから助かる。」
「いいってことよ!よしっ、行くで!」
車に揺られること20分、会場の店に着いた。
(Jewel(ジュエル)って店名なんや……。)
「みんな揃った?入るで!」
工場長がドアを開けた瞬間店の子が迎えてくれた。
「ママー!久しぶり!」
「タケちゃん久しぶり!忘れたんかと思ってた!」
「忘れるわけないやん!」
なんなんだこのイチャコラ。しかも、タケちゃんって。なんかウケる。
1番奥のBOX席(ソファ席)に座り、工場長がキープしてるボトルが置かれた。
焼酎とか、飲めねぇー。
「好きなの飲め!ママ、メニュー表貸して!」
渡されたメニューを眺めながら、俺はコークハイを頼んだ。ウィスキーをコーラで割ってるから、まだ飲みやすい。
「みんな、グラス持ったか?では、かんぱーい!!」
「「「「かんぱーい!!」」」」
「おつかれ様です!」
乾杯した後、工場長はママと喋り他の人は一緒に飲んでいる女の子と楽しそうに喋っていた。俺は黙々とコークハイを飲んでいたら、女の子が隣に座ってきた。
「横失礼します!」
「あ。どうぞ。」
「初めまして!みゆきと言います!」
茶髪でみゆきっていう子が俺の隣に座った
「皆さん、お仕事の仲間ですか?」
「うん。せやで。」
「なんのお仕事してるんですか?」
「建設関係の工場だよ。」
「今日は職場の人達とここで飲み会なんですか?」
「まぁ、そうやな。」
凄い喋るなぁこの子。正直興味もないしどうでもいいけど。
「みゆきちゃんは今いくつなん?」
西田が質問をした。
「いくつに見える?」
はいキター。年齢当てクイズ。これ絶対若く見られたいやつ。
「えーっと、22!」
「22歳?お兄さんは?」
え?俺も?いきなり振られても。
「23」
「今年で24!」
あんまり変わらなかった。つか、どうでもいい。
「みゆきちゃんは彼氏いるん?」
「いないよ!こんな女にいるわけないやん!」
「え?でも、付き合った事はあるやろ?」
「24年間できたことないで!」
絶対嘘だ。こういうお店だから、いてもいないって言うんだろ。
「絶対嘘やろー!」
「みんなそう言うけど、ホンマやってー!」
「みゆきはホンマに彼氏いないらしいで!」
「ママ、らしいやなくてホンマにいないです!」
「え?ほな、バージンなん?」
工場長、なんて質問をするのだ。
「せやで!」
あっさりと答えるみゆき。いやいやどこまで嘘つくんだ?
それからワイワイと下ネタも交えながら飲んでいた。俺は正直帰りたかった。
「あのー、もし宜しければご飯行きません?」
だからなんで俺なんだ?隣にいるからか?
まぁ、ご飯ぐらいならいいけど同伴だよねこれ。同伴とは店の子とご飯いってまた店でも金使うという男にとっては損なシステム。
「まぁ、いいっすよ。」
「LINEでもいいですか?」
どうせ、社交辞令だろと思いLINEを交換した。
そして閉店時間まで、みんなでカラオケを歌い回しをして最後のフレーズを歌ったら負けというゲームをして、飲み会は終了した。
帰りは西田の車で帰った。
「花谷、女の子とLINE交換できて良かったやん!」
「どうせ、営業で聞いたんだと思う。」
「まぁ、そうやろうな。」
「とりあえず交換しよって感じやろ。」
「それもあるかもな。」
家に着いて、西田を見送ってから部屋に戻った。ふと、スマホを見るとLINEがきてた。
(今日は来てくださってありがとうございます!今度ご飯いきましょっ☆おやすみなさい!)
マジでご飯行く気だったのかよ。しかも、LINEでは敬語なんだ。変わってる子だなぁ。
「今日はありがとう。ご飯いつ行く?っと」
(ソウマさんのご都合に合わせます!)
返信はやっ!まぁ、都合合わせてくれるなら助かるな。
「何が食べたい?」
(焼肉行きたいです!)
「分かった。予定が分かったら連絡する。」
(楽しみにしてます!)
なんか、健気と言っていいのか。ま、興味ないからどうでもいいけど。
スマホを充電コードにさしてそのまま寝た。
まさか、彼女と出会ってから大きく変わることも知らずに……。
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