八月十八日 経砂島
昨日の老婆の話をきっかけに島民と話すことができた。ただ、あの「番号」と「人形」の話は深く聞いてはならない気がして口を噤んだ。美術商であることを明かすと「ああ、それなら」と言った後にしばらく黙り「心当たりはないな」と言った。あきらかに嘘臭い。なにか隠す理由があるのだろうか。
天候が荒れなければ、あと三日でここを出なければならない。島民に美術品を見せてもらい、買い付けるところまで辿り着けるだろうか? ……いや、弱音を吐くのはやめだ。別の方法を考えてみよう。
旅館では、従業員にあの老婆に捕まっていたことを言い当てられた。どうやらお決まりの行動らしい。
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