第30話 おまけ 2人のバスタイムの小話

 僕達の気持ちが通じ合ったあの日。


 沢山抱き締めてあって、沢山キスをした。


 おデコを合わせて笑いあった時、ようやくお互いの格好に気がついた。


 2人とも雨に濡れて、ショボくれたワンコみたいだったんだ。


 すっかり冷たくなった身体温めたくて、2人でお風呂に入る事にした。


 お風呂に入ったら、僕のベットはキングサイズだし、今夜は一緒に寝ようって誘わなくちゃ。


 入浴剤は何にしよう?


 名湯シリーズも良いけど、甘い雰囲気を楽しむのにはハーブ系もありかも、でも、効能的には、炭酸の泡も捨てがたい。

 いっそ、泡風呂にしちゃおうか?


 鼻歌交じりに入浴剤を選ぶ。


 ナナさんの意見も聞いてみようと振り返ると、ナナさんは実に男前だった。


 その脱ぎっぷり!


 サクサクとシャツを脱ぎ、ベルトを外して、スラックスを抜く。


 その時見た光景は忘れない。


 滑らかな肌理の細かい白い肌。


 華奢な背中に浮かぶ肩甲骨。


 神々しいほど美しかった。


 やっぱりこの人は天使に違いない。


 そして次に目に入って来たのは、つるりとしたおしり。


 というか……







 Tバックー!!!



 僕は盛大に驚いた。


 だって、あの真面目なナナさんが、、、


 ストレートなナナさんが、、、


 超セクシー。


 こんなご褒美が有ったなんて……


 あぁ。神様ありがとう。


 僕の驚きっぷりに、驚いたナナさん。


「そんなに驚く?」なんて涼しい顔で事情を説明してくれた。


 細身のナナさんは、タイトスタイルのスーツじゃないと似合わないらしい。


 それで、お尻周りに生地がゴワつくのと、ラインが崩れるのを防ぐために、Tバックを愛用してるんだって。


 ジョックストラップも持ってるって言うから更に驚き!


 スゴくない?


 こんなセクシーな彼氏を手に入れた僕って、めちゃくちゃスゴくない?


 近い将来、僕がコレを脱がしてあげる日が来るのかな?


 それとも、もしかしたら、僕の前でセクシーに脱ぎ捨ててくれるかもしれない!


 僕の欲望まみれの妄想が、勝手に脳内で全力疾走して行く。


 それを追いかけて引き留めるのは、途方もなく難しかった。


 待て、待て、待て……


 急いては事をし損じる。だ。


 慎重に。


 怖がらせちゃダメだ。


 どちらにせよ、今日イキナリ出来るもんじゃないし……


 初めてだろうから、準備を教えて……


 多分、スゴく恥ずかしがるんだろーなー。


『…… アキ、…… もうダメ』とか


 上気した顔で、『 アキ。 …… もうきて』


 なんて…… 言われたら……


 あー。 堪らない。


 あー。待ちどうしい。


 あの、美しいナナさんを穢すのが僕だと思うとゾクゾクする。


 あ、ヤバ。


 想像だけで、勃ちそ。


 平常心。平常心。


 今日は、話だけ。


 話だけ。




 …… チョピリ触るのは、許されるかな?



 了


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る