第14話新たな仲間達

「お店の場所決まったの!?」


キアラは驚きの声を上げるが…そんなに意外だったのかな?


「お金はどうしたの?」


「借りたよ」


「誰から?」


「一番最初に知り合った人」


誰?という顔をしているがそこは内緒で…


「ここだよ」


「え…?ここ…?人気ないよ…?」


まぁそういう場所を選んだからね。


「ここで本当に大丈夫なんですか?」


絶対は言えないけどなんとかなると思ってるよ。


店の中からは騒がしい音が聞える。


既に大工に入ってもらい店内の内装を作り変えてもらっている。


「ちなみに2階は家になってるから完成したらそこに住もうと思ってね」


「私達の部屋は?」


「言われると思ったからそれぞれ個室を用意させてるよ」


良かった…まぁ住まないといわれたらそれはそれで困るんだけどね。


「とりあえず僕は色々と見てくるよ」


今俺が考えているのは大食堂を考えている。


大型スーパーなどにあるフードコートだ。


自分でおかずを作る事が出来ないのであればむしろ中に入ってもらえばいいと考えた。


其の為には人を雇う…違うな…店を出してくれる人を探すしかない。


とにかく一件一件ご飯に合いそうな屋台を回って事情を説明していく。


新しい店を出すにあたってその中に店を出さないですか?


こんな説明だと何言ってるんだ?って顔をされるが本当に其の通りだからしょうがない。


何件も何件も店を周って説明をした。


後日


今日は本当に興味がある人だけ集まるように伝えた日


既に店の中で待っててもらっているはずだが…何人いるか…


いざ!


「お…」


5人か…


想定していたよりは反応が良くて良かった。


端から端まで声をかけまくっての5件だからありがたい。


「えーっと…皆さん集まっていただいてありがとうございます!僕はこの店の代表リョータと申します!よろしくお願いします!」


「おう!リョータさんよ。俺は肉の屋台をやってるケビンだ!よろしくな!」


「私は卵屋のコリーナだよ」


「魚屋のサーシェスです」


「野菜の屋台をやってるシェルグレントです」


「飲み物屋のストールズじゃ」


見事に被らないでいてくれた。


これは非常にありがたい。


「早速ですがここにお店を出すのですが…皆さんにはこの中で更にお店をやっていただきたいと考えています。あ、質問などは後でまとめて聞きますのでまずは全部聞いてください。お店の中にお店?と思われるかもしれませんがそのままです。各自で厨房を持ち、各自でお客さんの注文を作るって形になります。このお店の絶対条件として僕の出す料理は絶対に買っていただきます。其の後に皆さんの料理を買ってもらう形になります」


「すまねぇ…話の途中で申し訳ないがそれだと俺達の料理は必要ないだろ?」


「そうだね…絶対に最初にリョータさんの料理を頼まなくちゃいけないなら他の料理は頼まないんじゃないのかい?」


質問は最後にって言ったんだけど…まぁそうなるよな…


「そうですね…僕の料理は簡単な物なんですが…シンプルなんですよ…それだけでも食べられますが皆さんの料理があった方がおいしく食べやすくなる。といった所ですかね。実際に食べてみましょうか」


そういうと俺の背後から4人が一斉に料理を運んでくる。


「これは…」


「僕の店で出す料理…ご飯と味噌汁です」


「これだけかい…?」


「ええ…とりあえず食べてみてくれませんか?」


5人が一斉に口に運ぶ。


白米と味噌汁をじっくりとかみ締めるように食べている。


「ふむ…このスープはこれでいいが…この白いのは味が無いのか?これだけだと物足りないんだが…」


「そこで皆さんの料理ですよ」


「ほう…」


「僕の料理はそれだけだと完成しないんですよ。皆さんの料理があってから初めて完成するんです!」


「なるほど…確かに俺の肉料理に合いそうな気がするな…」


よし…印象派悪くなさそうだ。


「という訳で料理についてはこんな感じですね…続いて料金についてですが…僕はこの料理を500イェンで販売します」


「それは安過ぎじゃないかい?」


「いえ、他の料理も頼むとなるとそれぐらいじゃないと難しいと思います。なので皆さんの屋台もそれに合わせた金額にして欲しいんです。基本的には自由に設定してもらって構わないんですけど高過ぎず安過ぎずといった所でお願いします」


「難しい注文だが…不可能じゃないね…」


「それで次に場所代なんですが…皆さんは今の場所代は一日の売り上げの4~5割ほど持っていかれてますよね?」


全員が首を縦に振る。


「この店に出展してもらえたら場所代は一日の売り上げの3割にします」


「そいつは随分と気前がいいな」


「更に商人ギルドに払っている税金があると思いますが…それが無くなります」


皆目を見開いてなんだと!?って顔をしてるな…まぁ税金が無くなるって言われたらそうなるか。


「これはですね。今までは皆さんが各自自分のお店としてギルドに登録していたからになります。まぁここでお店を出しても自分のお店になるんですけど…お店の中にお店だと税金が適用外になるんですよね。これは商人ギルドの人から聞いた情報なので間違いないです。お店の中に帰属してお店を出せば税金が掛からないそう確かに証言してくれました」


「ってことは…?」


「皆さんに負担してもらう料金は一日の売り上げの3割だけですね。ぁ、食材の仕入とかはご自身で行うと思うのでそこは別ですけどね」


「凄く魅力的な提案なのは判ったがここの場所は悪すぎないか?」


「そこはですね…まぁ正直運も絡んで来ますけど、皆さんにお願いがあります。屋台を閉めてここに新しい店が出来るとお客さんに伝えていってくれませんか?」


「なるほど…出来るまでの間に宣伝をしろと…」


「もちろん僕も宣伝をしていきますけど…既に屋台をもっている皆さんだからこそ出来る宣伝方法だと思うんですけどどうですか?」


皆がうーん…と考え出してしまう。


「一ついいかい?」


卵屋のコリーナさんだっけかな?


「この店が失敗したらどうするんだい?」


失敗したらか…正直皮算用で店を出すからな…失敗する可能性はかなり高いんだけど…


「そうですね…其の時は其の時ですね。皆さんにご迷惑おかけしちゃいますので奴隷に自分を売って皆さんにある程度のお金を渡します。まぁ、そうなりたくないんで必死に頑張ろうと思いますけど…賭けですかね…」


「そうかい…いいだろう!やってやろうじゃないか!」


嘘!?今のでいいの!?


「賭けは嫌いじゃなくてね。それに今までよりもって行かれる金額が低くなりすぎているのが魅力的でね。是非成功させようじゃないか!」


「俺も賛成だな。新しい事に挑戦してみるのもまた一興だな」


「私も同じく」


「ワシもじゃな」


「では俺も賛成だな」


「ありがとうございます。それでは厨房なんですが丁度僕の後ろに見えて仕切られている場所がそれぞれおの屋台になります。場所などは皆さんで話し合って決めてください。中央は僕の店になるので中央以外でお願いします」


とりあえず店はなんとかこれでオープンできそうだ。


それから一ヶ月後


何とかお店をオープンする所まで辿り着いた。


エリーチェ達妖精の加護のメンバーにはウエイトレスをお願いしている。


可愛い子に接客されればお客さんの気分も良くなるだろう。


さぁ…いざオープン!!

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