第13話物件

俺は商人ギルドの前にいた。


他の町で既にギルドに入会はしているがこの街のギルドははじめて訪れる。


「失礼します」


「はーい。いらっしゃいませ!会員の登録ですか?」


「いえ、会員です。ちょっと物件を探してまして…」


「なるほどですね。少々お待ち下さい」


少しすると受付嬢が戻ってくる。


「物件はどのような物件をお探しですか?」


「決まってないんですよね。少し広め…大きい物件で探して欲しいかなと」


「なるほど…何件かありますけど早速見にいかれますか?」


「お願いします!」


一件目

駄目


二件目

駄目


三件目


今までと違って少しだけ通りから離れた区画にあるが立地条件は悪くないと思う…けど…


人の気配が感じられない…


「ここは元々商業区の一部になる予定だったんですけど…まぁ色々とあってこの通り全てが空いてます」


こんなに家が並んでて全部が空いてる…?何で?


「多分ですけど、活気が無さ過ぎて誰も買わないんだと思います。家にするにしても一通りがなさすぎて怖いそうで…」


言われてみれば…ゴーストタウンっぽい。


「一応物件を見せてもらえますか?」


「では、一番奥の建物になります」


一番奥の建物…


「おおおおっぉぉ…」


デカイ


横にも縦にもデカイ。


二階建ての物件だったが予想以上の大きさだった。


「ちなみにここですと…お値段が3000万イェンになります」


以外と安い…?


「さきほど言いましたが人気がない通りで誰も来ない場所なので…長い事放置されていますから…」


「ここに決めました!」


「えっ!?さっきの話し聞いてましたか?」


「モチロン!だからここに決めたんです!」


「はぁ…?それでいいならいいですけど…契約した後にやっぱり無しで!っていうのは出来ませんよ」


「問題ありませんよ!ここでお願いします」


「判りました。ではここで決定とさせていただきます。ギルドで手続きを行いますのでこちらへ」


ギルドに戻り早速手続きに移る。


「それではこの書類に名前をお願いします」


書類に自分の名前を書き込み紙を手渡す


「はい。それではあの建物はリョータ様の管理となります。代金はいつお支払いいただけますか?」


「今すぐにで大丈夫ですよ」


「はい今すぐにですね…今!?3000万ですよ!?」


「大丈夫です。しっかり払えますから」


そう言って机の上に白金貨を30枚置いた。


「確かに…ではこちらでお支払いを完了と致します。料金の中には大工への依頼料金も含まれていますのでご自由に改築をしてください」


そういわれギルドを後にする。


ちなみに支払った金額はアドリアーノさんに借りたお金だ。


利子なしで貸してくれるという事だったのでありがたく借りさせてもらった。


本当にあの人には助けられてばっかりなのでキチンとお返しをしなくては…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る