第9話俺は成人してるんで!
「おい!そろそろ時間じゃねぇか?」
「はい!すぐ行きますよ!」
あっという間に旅立つ日がやってきた。
この屋敷で世話になった人に挨拶をして俺はいよいよ冒険の旅に出る。
「帰ってきたらうちにこいよ!」
「はい!」
「また倉庫を満タンにしてもらうからな!」
そっちが目的かーー!
「リョータさん!また異世界のお話を聞かせてくださいね!」
奥さんとは随分前にいた世界の話しをしていた。
この二人は似たもの夫婦だなというのを実感させられた。
「とりあえずそんだけありゃなんとかなんだろ。やばくなったらすぐ戻ってこいよ」
俺はアドリアーノさんから100万イェンを渡された。
ありがたい話なのだがこんなにもらって良いのか…と聞いた所
「倉庫満タン!俺団長!」
としか返答が返ってこない。
「それじゃ、いってきます!」
別れの挨拶を済ませ冒険者ギルドへと向う。
ギルドに到着し受付嬢に挨拶を済ませる。
「それでは早速ですが契約金をよろしいでしょうか?」
俺はカバンから50万イェンを取り出し受付嬢に渡す。
この世界の通過は基本的に硬貨だった。
下から小銅貨・銅貨・小銀貨・銀貨・小金貨・金貨の6段階が主だ。
下から1.10.100.1000.10000.100000とわかり易い。
一応100万の白金貨も存在しているらしいのだが縁がないと思う。
受付嬢は料金を確認すると他の職員へそれを受け渡す。
「確認が出来ました。これにて契約は完了となります。早速ですが今回の護衛パーティーの紹介となります」
ギルドの裏手へ案内されると馬車が1台と女性が4人。
「妖精の加護の皆さんお待たせしました。こちらが今回の護衛依頼主のリョータさんになります。リョータさん、こちらの方々が今回護衛を担当する妖精の加護の皆さんです。」
「皆さんはじめまして。依頼主のリョータと言います。道中はよろしくお願いします」
お辞儀をし挨拶をする。
「はじめまして。私は妖精の加護でリーダーをやらせてもらってます剣士のエリーチェと申します」
「魔法使いのカティエです」
「弓手のキアラです」
「聖職のクルルと申します」
よろしくと一人ずつ握手を交す。
4人とも美人もしくは可愛いというのが感想だ。
これだけ可愛ければ何処かのお偉いさんにでも目を付けられるんじゃないかな?
早速馬車に乗り込み一番近い町を目指した。
馬車の中では他愛のない話が続いた。
皆さん可愛い上にスタイル抜群。
出る所は出て締まる所は締まっている。
これに興奮するなとは無理な話だ。
ふと気になったのは弓手のキアラさん。
耳が長いのだ。
「キアラさんってエルフですか?」
「エルフは嫌いですか?」
「いえ、大歓迎です!」
「ならよかったです♪」
機嫌よさそうだ。
「そういえば何で私達を?」
そう聞くのはカティエさん。
「勘です」
「本当は?」
「女性に囲まれてハーレム気分を味わいたかったんですよ」
なんとなく本音で話したほうが良いかと思ったので素直に答えた。
「正直なんですね。でも私達には手を出さない方がいいですよ?」
そりゃそうだろ。
こっちは喧嘩も出来ない素人であっちは仕事で色々としている人だ。
勝てる気がしない。
「モチロンです。とにかく安全に旅が出来ればそれに越したことはないので」
「魅力的じゃないですか?」
何で手を出すなと言ってこう聞いてくるんだ…
「そんな事ないですよ?皆さん可愛いですし。手絵尾出すかどうかは別ですけどね」
そんな会話をしつつ一日目は野宿となりそうだ。
馬車に米を積んであるのでいつものように準備。
この作業にも慣れたもんだ。
其の間におかずになるものを作ってもらい、ほどなくして完成。
それぞれの感想
「味がしない…?」
いつも通りなのでおかずを一緒に食べるように言うと
「味が変わった?おいしい!」
おおむね好評だった。
味噌汁は人によって濃いの薄いのどちらがいいかに分かれるので今回は薄くしてみた。
飲みやすいとの事で好評だった。
二日目も何事もなく安全に進み3日目には街に到着した。
一番最初の王国に比べると小さいが賑わっている。
今日は久々に宿での宿泊だ。
雇い主なので彼女達の分も出す。
二部屋取ったのだが
「一緒じゃないんですか?」
色々とまずいだろう…世間体な意味で
どう考えても彼女達の年齢は14.5歳にしか見えない。
俺の基準で言えば未成年だ。
カラダツキなどは立派な大人に見えるが分別は大事。
それとなく伝えるも納得できないようだ。
「護衛なので何かあったら大変です!」
別に暗殺者に狙われるなどではないので問題ないと思うのだが…
仕方ないので彼女等の部屋に行き事情を話す。
俺はこの世界の人ではない。
俺のいた世界では君たちと一緒に寝るのはまずい。
何かあったら前の世界では牢屋行き。
などを説明するが
「それって前の世界での話しですよね?」
「ここじゃ12ぐらいから娼婦してる子もいるしね?」
「むしろ誰も気にしませんよ?」
「むしろ私達に欲情しないのは失礼です」
言いたい放題言われた。
とりあえず今日の所は納得してもらい就寝についた。
今後の旅が若干不安になる一日だった。
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