第4話多分身バレしても問題ないはず
「すまないな。料理してもらって洗い物まで」
「いえいえ、無断進入してる身ですから」
食後に俺は洗い物をしていた。
洗剤などはないので水で洗うだけだが油が付いているので出来ればお湯を使いたい。
日本はどれだけ恵まれていたんだろうかとしみじみ思う。
「さて…色々と聞きたいのだがお前は何処から来たんだ?」
この質問は当然なのだがここで迷う。
正直に話して良いものなのか。
この世界で正直に話す事が正解か不正解か。
ま、考えた所で判らないか。
「突拍子もない事言いますけど信じてくれますか?」
「なんだ?」
「僕はこの世界の人間じゃないんですよ」
言ってしまった。
3人は案の定というべきか何言ってるんだこいつは?という目を向けてくる。
「という事は君は魔物かそれに類する種族という事かい?」
男の隣に座っている…A君にしよう。
「いや、違いますよ。れっきとした人間です」
「この世界ではないという事が良く判らないな…」
A君の反対なのでB君としよう
「そのままですよ。説明は難しくないんですけど理解はしにくいと思います」
どうやって説明すれば理解してもらえるか…いや、そもそも違う世界と言われて納得できるのか?
「では君が違う世界の人間だという証拠は?」
「ないですね」
スマホとかカバンとか持っていれば色々と出せるのだが生憎と俺は寝ていた時の姿でここにいるので持ち合わせていない。
「それでは信用できんな」
ごもっとも。
「だが、この国人間ではない事は理解した。感じるからに何か害をもたらそうという訳ではないのだろう?」
そういうのは直球のど真ん中で聞いてはいけないのでは?
「まぁ…特に何か出来る訳じゃないですからね」
まぁ変化球でこようとも直球でこようとも俺はこう答えることしかできない。
「君はこれからどうするんだ?」
「んー…せっかく何で色々と歩き回ろうと思ってるのですけど其の前に色々と教えて欲しいことがあるんですけど…えっと…」
「あぁ、名前がまだだったな。俺はアドリアーノ。この国の騎士団で団長を務めている」
「ご丁寧にどうもです。僕はリョータって言います。」
握手を交す。
「それで何が聞きたい?」
「この国とこの世界の事ですかね」
話を聞いて判った事
・この俺がいる国はレッテン王国という。
・この国は島国で海に囲まれている。
・海で囲まれているがそれなりの大きさである。
・端から端まで馬で飛ばして一週間ほど
・海に囲まれているが隣の陸地は非常に近く船で3時間ほどの場所にある
・この世界には魔物が存在する。
・この世界では人間以外の種族が存在する。
・ここ数十年は大きな戦争などはなく平和な時代が続いている。
まぁこんな感じかな…
なるほど…
「それでリョータはどうするんだ?このまま歩いても問題ないと思うが魔物もいるからな。戦えないときついと思うぞ?」
それはまずいな…自ら進んで死にたいと思っていない。
「厚かましいのですが…近くの町とかまで一緒に行って貰う事はできますか?」
「そんなもん構わんよ。どうせ馬で走ればもうすぐ王国だ」
ありがたい。
「それよりあれだ。お前の世界の話をもっと聞かせてくれ!」
どうやら俺の世界の話しが気になるようだ。
「そんな事でよければ」
結局話が盛り上がり出発は次の日になった。
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