第3話おかずが大事
「いやーすまないな。ここは騎士団の途中休憩の小屋なんだが中に人がいる気配がしたんで警戒したんだよ」
「いえ、こちらが勝手に進入してしまいましたので…本当に申し訳ないです」
「いや、気にするな!と言いたいがさすがにこの小屋はマズイ。他の連中なら捕縛されて牢屋に入れられるかもしれんからな」
怖い…異世界怖い…
「しかし…この飯はなんとも不思議だな?食感はいいんだが…味がない。このスープは旨いな!」
「おかずと一緒に食べる物ですからね」
「おかず?例えば?」
「肉とか野菜とかですね。加工した物でもいいですけど」
顎に手を当てなにやら考え込む男
「おい!あれを出してやれ」
後ろに控えている男になにやら命令を出す。
命令された男が荷物から取り出してきたのは肉だ。
「これでいいか?」
何の肉だろうか?いや、そんな事はどうでもいい。
「これを使えるか?」
どうやら俺に肉を焼いて欲しいという事だ。
「僕の分もいただけるのであれば」
俺は召使じゃないので自分の分が確保できなければ料理をする気はない。
「構わない。頼めるか?」
そうと聞けば問題はない。
肉は塊だったのでナイフを借りて4等分に切り分ける。
かなり厚みがあるのでじっくりと焼いていきたいところだが火の調節が出来ない。
仕方ないので鍋を常に持ちながら火から離して火力を調整する。
「そこの塩を借りますよ」
調味料らしき物が置いてあるのは確認済みで塩なのも確認済みだ。
時間をかけながらじっくりと肉を焼く。
まずは3人分を仕上げる。
肉汁と塩だけでも十分においしそうだ。
「悪いな。よし、食うとするか!」
男達は一斉に肉にかぶりつく。
なんとも旨そうだ。
「肉を少し口に入れてからその米を一緒に食べるとうまいですよ」
俺にそう言われると男達は一斉に米も国放り込む。
「ほう…さっきの米だけよりこちらの方が旨いな」
どうやら満足してもらったようだ。
俺の分の肉も焼き終え折れもいただくことにする。
久々の肉の味は非常に美味しかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます