頭痛と関節痛
すっかり風邪を引いたらしい。
何だかんだで昨日帰宅したのは、日付が変わりそうな頃だった。
冷えきった身体を暖めるように布団に潜り込んだのも効果がなかったようで、翌朝目覚めた時には、僕の身体は激しく風邪であることを主張していた。猛烈な熱が体中を煮えたぎらせ、頭痛と関節痛が鼓動にあわせてドクドクと僕を苦しめる。
無視できないほどに強く主張する風邪の症状に、体内で繰り広げられるミクロ決死圏は激戦を極めていることが感じられる。
「いつまで寝てるの!?」
突如ドアが開かれ、母親の声が頭を突き抜ける。
うるさい……
すぐに息子の異変に気付いたらしい母親は、風邪引いたのかとか、だから昨日あれほどとか、いくつか言葉を投げかけたあと、慌ただしく階下に消えて行った。
眠れば楽になるだろうか。
灼熱に飲み込まれるように、ゆっくりと意識が遠のいていく。
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