第11話
税制を改めようとして一番実感したのがこの王国の貴族の力の強さだ。四大貴族が反対すれば王太子だって動く事が出来ない。その力の強さは当然王国の改革を妨げる障壁となる。
いつかはその力を削らないといけないのだろう。だが、今そんな事に時間を使っている暇は無い。とにかく貴族の反対に合わない所から改革を始めなければならない。
取り敢えず作った商人ギルドで情報を集めていると、分かったことがいくつかあった。まず一つが、商業の独占化だ。レシツィア王国内の大規模な商業の殆ど全てをカールトン商会に握られているのだ。これじゃ競争も起きないし経済が停滞しても当然だ。
そこでカールトン商会の力を削ぐのに目を付けたのは集落単位にある商店だ。個々の商店にかける税を低くし、逆に大商会にかける税を増やす。個々の商店に投資をし、発展の手助けをする。完璧じゃないか!?
そう思いすぐさま法務大臣、オードリー=ウィスクライブ卿を呼びつける。だが、ウィスクライブは難色を示した。
「しかし、我国においてカールトン商会は商品の卸売から輸送まで掌握しています。いくら個人商店に投資した所で焼け石に水ですぞ。」
確かにその通りだ。ウィスクライブと共に他の策を講じていると突然、ルーグスが現れた。
「その案件、僕に任せてよ!」
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