第27話


「ローガンさん!

こちらの方たちお願いできますか?

例の船が消える事件の調査依頼を受けていただいたんですけど、原因の魔物を倒してきたと言うんです。

でもそもそも原因がわかっていなかったので私には判断できないのでよろしくお願いします。」


「おう!そりゃ凄えな!

あのずっと原因がわからなかったやつだろう!?

じゃ、確認するからその魔物を見せてみな!」


「かなり大きいのだがここに出して大丈夫か?」


「おう!ここならスペースも空いてるし大丈夫だ!」


ドンッ!!!


「これが原因のクラーケンだ。」


「・・・ウオォぉぉお!」

「キャァァァア!」


「お、落ち着いてください!

もう死んでいますから!」


「・・・こ、こりゃあ凄え!!30メートル以上はあるか!?

そりゃ船も消えるはずだぜ。」


「私たちが海で原因を調べていた時に現れてな。

船ごと海に引き摺り込もうとしてきたんだ。

おそらく消えた船もこいつに引き摺り込まれたんだろう。」


「おう!受付の、ミリーナちゃんだっけ?

こりゃあ間違いないと思うぜ!

これだけの大きさがあれば船も丸ごと海に引き摺り込まれちまうだろう。

素材はどうする?」


素材!!身は是非とも持ち帰りたい!!


「あおいさん、身は!身は食べたいです!

あ、でも全部は多すぎるかも。」


「ふっ、食べたがったいたのはわかっている。

素材は魔石と身半分以外は買取で頼む。」


「おう!

嘴に吸盤、目玉と墨も良い素材になりそうだ!

滅多に出ないクラーケンでこの大きさだし、かなりの値段になるぜ!

解体はこっちでしていいのか?」


「あぁ、任せる。いつ頃できそうだ?」


「この大きさだし明後日になるな。

代金もその時までに査定して渡せるようにするぜ。」


「あぁ。では明後日また来る。」


「じゃ、原因の魔物は退治されたってことで、あとはミリーナちゃんに受付で手続きしてもらってくれ!」


「ではまた受付までお願いします。」




ザワザワ。


「お、来たぞ。」

「あいつらだ、船が消えた原因の魔物を倒したとか言ってたやつ。」

「あんなちっこい嬢ちゃんと綺麗なにーちゃんが?嘘だろ。」


「申し訳ありませんでした。

依頼達成ということでこちら依頼料の金貨30枚です。

こちらの依頼が調査依頼で討伐料は入っていないため、今回の結果を考えると少ないのですがこちらの金額になっております。」


「大丈夫だ。では明後日また来る。

今日は沢山動いて疲れただろう。もう宿でゆっくり休もう。

みどり、帰るぞ。」



「本当に原因がわかったってのか!?」

「しかもその魔物を倒してきたらしいぞ。」

「嘘だろう、2人とも強そうには見えないぞ。」

「いや、でもギルドの職員が確認して言ってんだ。間違いねぇはずだ。」


ギルド中が私たちの話でザワついていたが、あおいさんは全く気にせず歩き出す。


「待ってくださいよ、あおいさん!」


私は急いであおいさんの後に続いてギルドを出た。

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