第6話
「これが魔力・・・。」
まだ胸の中心がふんわり暖かい。
けど、これが魔力だって言われてもまだピンとこない。
「みどりは魔力の量も多そうだな。」
「本当ですか!?」
「あぁ。魔力が少なかったり魔力の扱いが苦手なものは魔力を感じるのにももっと時間がかかる。魔力を感じることができたし今日はここまでにしよう。また明日来なさい。」
「あ、明日は仕事がお休みなんですが・・・。」
やっと土日!お仕事がお休み!!
1日中ゆっくりしたいよーーー!!
「では明日は早めに来なさい。」
ちがうよ!!そうじゃない!!!
ここは店休日はないの!?
うわーん、余計なこと言わなければよかった・・。
「魔力を感じられたのだ。明日は魔力を動かし、使うことを練習しよう。」
使うって。とうとう私も魔法を使えるようになるの!?
「は、はい!」
明日はゆっくり休みたい!と思っていたが、魔法が使えると思うとちょっぴりワクワクする。
家に着き昨日借りた本を読む。
《簡単!5歳から使える生活魔法の基礎》
2.魔力を動かしてみよう!
魔力を感じようられたら、体の中で動かしてみよう!
動かすことができたら手のひらに魔力を集めてみよう!
む、無理、、、!!!
動かそうと思うたびに魔力がプルプル動く感じがするが、それだけだ。
「魔力動かすのって、つかれる。」
「ふぁ〜ぁ、もう朝か。」
時計をみる。13時。
「13時!?やば、休みだからって寝すぎた!」
そういえば弓波さん、今日は早めにって言ってたけど何時くらいに行けばいいんだろ。
うーん、今日は何も予定ないし、準備してその辺でご飯食べたら行こう。
家から出て途中でカフェに入る。
1週間ぶりの、ゆっくりしたごはん。
仕事がある日はコンビニ弁当で済ませちゃうからなぁ。
「毎日こんな風にきちんとしたご飯、ゆっくり食べたいなぁ。」
まぁ、今の仕事状況じゃ無理なことだ。
「こんにちは!」
「来たか。
これがもう少しかかる。そこの椅子に座ってなさい。」
「はい!」
わあぁ!すごい!!!
仕事中だろうか??
数種類の植物がふわふわと宙に浮き、次々と瓶の中に入り液体になっていく。
完成したのか、瓶に蓋をするとこちらにくる。
「さて、今日は昨日の続きからだ。」
「昨日帰ってから魔力を動かそうとしてみたんですけど、ぷるぷるするだけで思うように動かせませんでした。」
「ほう。少し動いた感じはしたんだな。
魔力を動かすのはそう簡単ではない。通常はもっと小さな頃から少しずつ練習していき身に付けるものだ。」
そういえば、借りた本は《簡単!5歳から使える生活魔法の基礎》だ。
普通は5歳くらいから徐々に練習するものなのかな。
「魔力を感じ、震える程度だが少し動かすことはできたんだ。
あとは魔力に慣れていくことだな。
動かすにはイメージが大切だ。
胸の中心から目的の場所まで、暖かい魔力が動くのをきちんとイメージするんだ。」
「やってみます!」
イメージ、イメージ、、、
胸の中心から手の方に移動させるイメージをするが、相変わらず私の魔力は胸のところでぷるぷるしている。
手の方に、手の方に、、、
ちょん、と魔力が手の方に動いた。
「動いた!!少しだけ、手の方に動きました!」
「そうか、なら後はその距離を少しずつ増やしていくんだな。」
「はい!」
私は魔力を使う練習をはじめる。
弓波さんは私が練習をはじめたのをみると、自分の仕事に戻る。
25歳にもなって魔法を覚えようなんて、自分でも信じられない。
けれど今実際に異世界や魔法について勉強し練習しているのだ。
弓波さんの魔法は綺麗で、見ていてドキドキした。私も魔法を使ってみたい。
初めて自らそう思った。
あれから毎日仕事が終わったら弓波さんのところへ向かい、空いた時間にこまめに練習し、何日もかけてやっとこ魔力を両手に移動させられるようになった。
「次は基礎魔法だな。」
魔法は主に7種。
・火魔法
・水魔法
・風魔法
・土魔法
・木魔法
・光魔法
・闇魔法
・無属性魔法
異世界の子供達はまず一通り基礎魔法を練習し、適性があったものを伸ばしていく。
適性を判断する魔導具もあるらしいが高価で、王族や貴族、大商会しか持っていないらしい。
「何に適性があるのか楽しみです!!」
自分が今後使えるであろう魔法をワクワクしながら考えていると、
「何を言っている。
私の手伝いをするのだろう。全部だ。」
・・・ん??
「全部使えないと助手など務まらないではないか。」
魔法を仕事にしている人は全て使えるのがあたりまえとか、そういうことだろうか??
《簡単!5歳から使える生活魔法の基礎》
3 .火魔法を使おう!
魔力を手に集めて火を出してみよう。
はじめは少しずつ魔力を流し、小さな火から挑戦してみよう!
「うーん。」
手のひらから火を出そうとするが難しい。
「火魔法を練習するときはまず、指を1本立て、それをロウソクに見立てて練習する。」
ロウソクか。
ロウソクに火をつける瞬間を思い浮かべると、シュッと指先に小さな火がついた。
「つきました!!火!!」
「ふむ。では他の指でもつけてみたり、手のひらからもつけてみろ。」
一度コツをつかんだからか、すんなりできる。
「・・・ふむ。
また今度やるがこれが応用になると火の形を変えたり温度を変えたり、作った火を飛ばしたりできる。」
「はい!」
「次は水魔法だ。」
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