5冊目
「見てた………って、ミノルさん……あの時、居たんですか?」
「あー、何ていうか………まあ居たは居たんだけど、多分………君が思ってる事とは違うと思うよ」
僅かに考え込んだ後にはっきりしない言い方をされては、
「……というと?」
「…………まあ、その………天井付近から見てたというか?」
「………っは?」
不審者だとか忍者だとか、幾つかのパターンが思い浮かんだけれど、
彼が告げたのはそれには一切当てはまらない答えだった。
「………ちょっと、考えてみて。お
亡くなることが現実的だった訳じゃないよね?」
「………まあ、そうですけど。………ほんっと、急だったし」
何度も思い出させないでよ、という感情は喉元で
「……で、それがどう関係があるっていうんですか」
「………じゃあ逆に
言われてみれば。____うちのお祖父ちゃんは優しいのに変な所が頑固だから、
あまり考えたくはないけど最後の最後まで絶対そんな事は口にしない。
そもそも忘れかけていたけれど、この場所だって現実か判らない。
っていうか、天井付近からって何なんだ。飛んでたのか。
…………飛ぶ?
「………………え、嘘………もしかして」
夏にぴったり、なんて冗談は言えない。
_______彼は。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます