第2話秘密結社の秘密基地
≪秘密結社エレクトロ≫
≪入社募集中≫
そんなチラシを見たらふつうはこう思うだろう。
「なにこれ?ふざけてんの(笑)?」と、、、
しかし彼女、山崎凛は違った。
なにせ彼女はこのチラシを見て思った。
「(なにこれ!!!面白そう!!!)」
はた目から見ればおとなしそうで、美人に見えなくもない彼女だが、なぜこれまでの人生で彼氏ができていなかったかというと彼女の性格に依存することが大きい。
何せ彼女は、重度の”スリルマニア”だったからである。
言い換えてしまえばドMともいえなくもない素質なわけなのだが、彼女は幸か不幸か特性として観察眼と目立ちにくいという特性を持っていたのだ。
以下は、彼女が中学時代よく体験した経験談である。
「ねぇねぇ。聞いた?あの山崎さんの話。」とA子。
「あぁ、あれね。聞いた聞いた。マジでやばいよねぇ(笑)。」とB子が言う。
その会話の内容は彼女に対する批判の内容だったのだが、それの主題たる彼女は話している集団の真後ろの席だった。
それなのに、彼女に気づいたのはそれから10分後話していた女子が後ろを向いたからである。
「、、、ぁども。、、、、」
「いや、これ同じ名前の違う人だからね。気にしないでよ。」とA子
「そうそう、これA子の友達の話だから、ね?」B子が言う。
その時の凛の心中は、
「(いや、さっき私にしか当てはまらないような会話してたし、お前この前「友達とかこの学校にしかいないわぁ。」って言ってたろうが!!)」
彼女は少々のツッコミ気質であった。
こんな感じで正直あまり持ちたいものではない。
ちなみに、A子とB子とはその後話さなかった。
まぁその話は置いておいても、”秘密結社”に入ってみたい凛だった。
「ちょっと、私この後用事あるから先に帰るね。」
といって、学友2人に挨拶をして、秘密結社に赴いた凛であった。
5分後、チラシに書かれていた場所に来てみると、思いっきし≪天文学部≫と書いてある部屋だった。
「(まぁ、一応入ってみるか。)」そう思って入ってみるとそこは異空間だった。
比喩ではなく異空間そういうものだと凛は一瞬にして悟った。
しかし、ここに彼女が来た目的はあくま、あくまで秘密結社への入社が目的であって別に天文学には興味がない凛だったが、一応呼び掛けてみることにした。
「す、すいませーーん。」
「せーーん」
「せーん」
「ん」
「(いやこの部屋すっごい響くな!)」彼女は、自分の声にツッコミを入れた後
この部室のさらに奥へと入ってみる。
奥に行ってみると明らかに怪しげな扉があったので、ここに入ってみようと凛は意を決した。
「(ゴクリ)」
ギィィ
某子供になっちゃた名探偵(アニメ版)のCM前のような重い音を立てて開いた扉の奥では、壮絶な戦いが行われていた。
「、、、」
「、、、」
「ここだっ!!!」
「いいや、こうだな。」
「まだまだっ!!!」
「こんなものか?」
「まだまだ、こんなのは序の口だぜ!!!!」
5分後
「ん?さっきの威勢はどうしたんですか?音口さん。」
「くっ!!!完敗だよ!!先生!!」
「「はハハハハハハハハハハハハハハハハハはハハハハハハハハハハハハハハハははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっはははははは」」
四行にもおよび笑い続けた二人は、凛に気づくと
「(ねぇ、先生。これ入学生?)」
「(うむ、わからん。)」
「ぁ、あのぉ。」
「「はいはいなんです!!(いい笑顔)」」
圧倒的な2人の顔面に押されつつ凛は恐る恐る聞いてみる。
「ぉ、おふたりは、なにをされていたんですか?」
「「将棋だよ。」」
「はぁそうですか。おつかれさまです。」
「「淡泊!!!」」
「ひぃっ!」
荒々しいツッコミだった。
それはもうとても怖かった。
この二人に後でこの部活について説明してもらおう。
「で、なんでしょうぎ?」
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