第一夜 「新月」 朔(さく)
今夜は新月。月が見えない夜。
昔から新月に願いごとをすると叶うという言い伝えがある。
夜というのに酷暑のせいか、空気は湿気を孕んで蒸し暑い。
公園側の街灯が横にあるベンチを
無造作なショートカットの髪に黒目がちな一重の切れ長の瞳、大きめの黒のТシャツにハーフパンツ。
裸足に踵を踏み潰した白いスニーカーを履いた姿は一見、少年のようだが、長い
年の頃は15.6歳くらいだろうか。
膝の上には
暫くメモを見つめていたが、そのまま膝の上の本を開き、1
そして本と万年筆をベンチに置いたまま、立ち上がって公園を出て行った。
月の無い夜の公園。
街灯に照らされたベンチの上には一冊の本。
本の横には古ぼけた万年筆が一緒に置いてあって、その本に挟まれたメモ用紙には
☾【
と、あった。
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