第37話 企画書

「各自で一押しのスポーツを推薦する。と当初は思った。だが、企画書の意味は違うようだ。ストーリーの内容と進め方を決めなければいけない。一つ一つに説明を要する場合、ストーリーのテンポはゆっくりか、遅い。若しくは見せ場以外は、全て、カットで、スピーディーな展開で話を進めていくしかない。」

 天は、部長らしく、つまらない企画書を回避し、物語の流れを決めていこうと企画する。

「成長しているのね。感動した。9つのタイトルを上げるのではなく、スポーツモノは内容は同じだから、話の進め方だけが違うから、違うところだけ考えようということね。一番違うのは、種目の名前と種目の細かい説明。(素人用に、バットやボールから。または、プロ様に、オフサイドの説明を。)」

 麗は、第6期の成功のカギは、素人向けの説明であると感じる。

「よくある手が、素人キャラクターを1人作り、そのキャラクターに説明するという定番の形ですね。ということは、仮に野球部に新人が1名は入ってくるというのは確定ですね。」

 大蛇は、面倒臭いキャラクターを1人作らなければいけないと思った。

「要するに野球にせよ、サッカーにせよ、説明用の素人が必要です。ニコッ。素人で役に立たない。素人で成長していく。か弱い素人より、高飛車な皇族の素人さんの方が面白いのか? いや、定番は素人でまったくルールが分かりませんの方がカワイイ。」

 笑は、ルール説明、道具の解説だけでも、1話分使ってしまうのではないかと恐怖する。

「さすがにスポーツモノで、素人が主人公で、名立たるライバルを蹴散らして勝つというストーリーはないわ。仮にキャプテン〇の高校サッカーでも、みんな経験者のベテランさんだもの。「ペナルティーエリア外からは、絶対に点数を取られない」と言っているゴールーキーパーが、サッカーを始めたばかりの素人に点を取られたら、大問題でしょ。」

 苺は、素人は若林くんから点を取るのは無理だと言っている。

「残された手は、設定のミックス。皇族だが素人。か弱い。しかし、人によっては傲慢な振る舞い。これなら素人でも成長しても問題が無いかも。」

 カロヤカさんは、ゴルフって、ソロですよねっと気づいてしまった。

「みなさん! 今日の和菓子は、甘くて美味しい猿の脳みそですよ! もちろんお茶もありますよ! エヘッ。」

「コンコン。」

 本物の幽霊おみっちゃんとコンコンは、気楽なポジションである。

「私が素人役で、説明を聞く側か。面白い。お金をくれるなら聞いてやってもいいぞ。」

 ロイヤル奏は、素人役でいいのだろうか?

「私の番で最低の1000字に到達している。こんな楽なことはない。次回は、素人にルールを説明しよう、である。あ、私は食べたら帰るからね。」

 幽子は、2行で少しの夏休みを歓迎している。いつも調整で長いセリフがおおいので。

 つづく。

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