第35話 スポーツモノ、みんな同じ

「夢を諦めない!」

「みんなで頑張ろう!」

「思いをぶつけよう!」

「等々、女子野球モノでも、野球、サッカー、バスケットボール、ラグビーなど、基本の物語の流れと会話って、同じなんだよね。」

 天は、スポーツモノは、楽だと感じる。

「でも生きている人間は、10代の部活動を経験しているから、単純に共感できる安パイなジャンルなのよね。だから作者が楽できるし、出版社やスポンサーも数字が計算しやすいから、スポーツモノは無くならない。」

 麗は、スポーツモノは毎回同じで考えなくてよいから楽にできる。

「野球と同じで、頓挫しないのだろうか? 心配だ。ちなみに野球は頓挫ではなく、パターンが同じで飽きただけ。テンプレートじゃないけど、パターンて同じだものね。」

 大蛇は、飽きるのは要素の問題だと感じる。

「同じ繰り返しで、飽きないもの(作者が書くのを、創作するのを。)を考えればいいんですね。ガンダ〇は、シャアのストーリーの方が好きだけど、人気は低迷。打開策で、毎回、新型モビルスーツを出して、一般大衆には人気が出たという。プラモデルも売れたしね。コレクターが買うってくれるから。ニコッ。」

 笑は、問題提起に、例えまでしてくれる。

「普通のストーリーに、時間を入れる? 「あと10分でクリアしないといけない。」「12時間で12宮を突破しないと姫が死ぬ。」「24時間。」そう考えると、ゲームのクエストの「3ターンで敵を倒せ!」的な無理難題。「天空の剣が欲しければ、スライムを100万匹倒してこい。」飽きるけど、ファンは頑張ってスライム100万匹を倒しにいくわ。」

 苺は、要素はクエストだと捉える。

「伏線ではないが、時間や健康、調子などの要素も細かく決めていけばいいのかな。そこまで細かく決めると、イラストを描く人が自由に書けない。また髪型や目の大きさ、顔の輪郭など、アバター設定をすると、それだけで1巻10万字が終わってしまう。おまけにキャラクターのステータスを書くのは、ラノベでは普通だが一般人には抵抗がある。」

 カロヤカさんは、要素は英語で、エレメントと知る。

「みなさん! 今日の和菓子は、甘くて美味しい栗饅頭ですよ! もちろんお茶もありますよ! エヘッ。」

「コンコン。」

 本物の幽霊おみっちゃんとコンコンには、悩み事はない。

「ゴルフでいうと、天気、風、選択したクラブ、露出の多いゴルフウェア、カメラマン、変態おやじのおっかけ、支える家族。続けていくお金。周辺の要素は、そんなところか? 試合に負けそうになったら、最後は相手と戦って殺すか?」

 ロイヤル奏は、最後は、殺人と語る。

「なんだろう? エレメントを考え始めたら、普通の平面物語がつまらなくなってきた。しかし、普通に書いていても時間軸はあるので、既にエレメントは達成しているともいえる。ということは、やはり、打ち上げだ。「必殺技で相手を倒す!」「12時間で12宮を突破しろ!」のように、打ち上げて、視聴者、読者に「どうなるのだろう?」ということを意識してもらおう。まあ、結局は、どれも達成しないと物語が終わっちゃうんですけどね。あ、私は食べたら帰るからね。」

 幽子は、もっとエグイ作品を考えようと思う。

 つづく。

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