第31話 悪に出会う
「私は偉うのよ!」
「私は悪くない!」
「私は言いましたよね!」
「まだまだ存在したのか、おバカちゃん。まあ、今の若い人は、いじめ世代だから、学校で漢字や英語を教わることもなく、いじめるか、いじめないかしか学べない。まったく可哀そうなミジンコだ。」
「自分の価値観で、これまでの命と時間が作ってきた社会のルールを、自分の都合の良いように変えてしまう。そういう人間が権力的ポジションに着くから、売り上げは上がらない。今の日本社会、今の若者の仕事をする場所の無さに繋がっている。」
「それを、哀れな若者が権力を手に入れたと、無残にも繰り返す。ゴミでしかない。」
「人手不足とはいえ、そういう人間を権力ポジションに着ける老舗有名な会社にも問題がある。15万で雇わずに、管理職や教育係には400万は払い、自社で教官がいないのであれば、外から呼んでくるしかない。」
「それもできないのが、お金が無いのが、現在の日本である。」
「過ちを繰り返す。人間とは愚かな生き物だ。」
天は、イマドキの子供たちを可哀そうに思う。
「若い子の仕事がベトナム人やネパール人に奪われている理由が分かるわね。救いようがないわ。」
麗は、日本のテレビで放送される光景は、美しい所だけで、日本の裏の顔は報道されない。
「若い子も正社員の仕事が無いから生活が苦しくて荒れています。住民税、国保、国民年金で100万も稼げば50万近く税金で強奪されるんですから、日本の若い子に働けというのは無理です。」
大蛇は、日本は終わったと言っている。
「感動どころか、久しぶりに残念な子に出会ってしまった。自分のことが偉い、自分は頑張っている、自分は誉めてもらいたいなどの若い子の独特な、自己の正当性、逆を返せば、自分の存在の自信の無さですね。ニコッ。」
笑は、遅い思春期だと言いたい。
「やはり、こうなってくると、現実の悪を仮想空間の異世界で倒し、現代人の心がスカッとする、スカッとジャパ〇のパクリね! でも、あれ四コマ漫画みたいな尺だし、そうなると水戸黄〇か頭山の金さ〇、大岡越〇の時代劇モノね。」
苺は、スカッとしたい。
「でも本当の平和は、悪を倒すことでしょうか? みんなの心から邪な部分だけを倒せば、心の良い部分だけが残り、みんなで分かり合えるんでしょう。」
カロヤカさんは、本当の世界平和を考えている。
「みなさん! 今日の和菓子は、甘くて美味しいペロペロキャンディーです! もちろんお茶もありますよ! エヘッ。」
「コンコン。」
本物の幽霊おみっちゃんとコンコンは、いつもマイペース。
「やっと、やっと簡単に名前を思いつくスタイルができた。これでこれから名前を決める作業で苦しまなくて済む。こんなにうれしいことはない。」
ロイヤル奏は、悲壮感から達成感に気持ちを変え感極まる。
「悪に出会った時、人は悪が倒されてスッキリしたいのだろうか? それとも楽だから自分も魂を売って悪に染まりたいのだろうか? まあ、両パターンで物語を描けばいい。そうすれば2話分のストーリーが完成する。あ、私は食べたら帰るからね。」
幽子は、「悪の部分だけを倒す」そうすると「みんなで仲良く平和に暮らせる。」に共感している。形としては良いだろう。
カロヤカにお任せあれ。
つづく。
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