第23話 任されるということは?
「ふと、思った。「カロヤカにお任せあれ。」ということは、相手がいて「助けて」とお願いされて、カロヤカさんが言うセリフだよな。」
天は、今更ながら、良い所に気がついた。かといって、既に5万字書き終えた、カロヤカさんの異世界時代劇を書き直す気はない。
「現在、二人目のカロヤカさんタイプ。例えると、二人目の魔法少女を創作中。水の剣! は決定事項だけど、それに合う、名前が決まらない。美少女戦士セーラームー〇のように、水星の戦士は、水野網のようにダジャレか、オヤジギャグ的な決め方でいいのか? それにしても、それらしい名前にすらたどり着かない!?」
麗は、創作の生みの苦しみに悶えている。
「みなも(水面)。花水、水花。花押しも考え物なんだけど。いい名前ができない。「水の刀。」になるのは確定。ペットは、水の精霊ウンディーネ。問題は、水の精霊の飼い主の名前が決まらない。水仙、菖蒲、水芭蕉。う~ん。水仙みなも。名前が、水、一文字では、ミズ、か、スイ、しか成立しない。水の名前は、苗字と名前に水を被せるか? 楽してないから、創作は疲れるな。どうしよう? 楽したい~。」
大蛇は、水の名前を決めることに、真面目に苦しんでいた。
「これはダメですね。属性でやるなら、水火雷地風くらいは、名前を決めてしまわないと先に進めませんな。ニコッ。それも、それも、スゴイ長い創作を要します。美少女戦士セーラームー〇の様に、作者手抜き創作で、水野、火野、木野、愛野といった手抜き。海王、冥王、天王は、星を取っただけで苗字にしちゃった。そこから考えると、水に水を被せる二重創作は苦痛だけです。ニコッ。」
笑は、名前問題で作品がストップしていると言いたい。
「火を考える。「火の刀。」になり、火花は花火になる。演出的にOK。派手な花火の演出は、円盤が売れる。あ、汚いこと考えた。美少女戦士セーラームー〇の大先生と同じ考え方で、水花、火花、雷花、地花、風花にしよう。個人的には、なんのこっちゃな感じだけど、この手抜きのグダグダな、アニメのキャラクターの名前って感じが、アニメオタクにはウケはかなり良いんでしょうけど。」
苺は、教師ながらに素晴らしい気転で、苗字問題は解決した。
「後は名前だけですね。水は、水面と書いて、みなもちゃん。水の花で、蓮、芭蕉、水仙、菖蒲ちゃん。どれも優秀な子たちです。4人で1チーム組めますね。妥当なのが、水花菖蒲。重厚感のある名前ですね。重低音のウーハーが響く名前です。水花あやめ、平仮名にすると丸くなりました。水花みなも、も捨てがたい。要するに下の名前を花の名前にするか、属性に関連した名前にするかですね。それか美少女戦士セーラームー〇のように、亜美、レイ、まこと、美奈子とアイドルか適当に決めたような名前にしますか?」
カロヤカさんは、名前一つ決められないライト文学部に腹が立つ。
「みなさん! 今日の和菓子は、甘くて美味しいワンコです! もちろんお茶もありますよ! エヘッ。」
「コンコン。」
本物の幽霊のおみっちゃんとコンコンは、幽霊と子供の妖狐なので、人間のつまらない苦しみが分からない。
「やっと一人、やっと一人、決まった。水属性、水花みなも。カロヤカさんが軽井沢花という名前であり、奇跡的に花シリーズで名前問題が決まった。別に名前を決めるのに悩むのが好きなマゾヒストじゃないからね。ただ採用理由が。みなものニックネームが「水面」すいめんとカロヤカさんに呼ばれているのが想像できる。あ、私は食べたら帰るからね。」
幽子は、採用の裏事情まで話してしまう。
「火花の名前を考えましょう! 1月の睦月ちゃんが火を使うのはおかしい。暑い葉月とかの方が整合性があるわ。私一人でも旧暦忍者のことを考えないと、せっかく考えたのに忘れちゃう!?」
ロイヤル奏は、1作1キャラ1巡制の導入を提案する。
「さあ! 創作スタート!」
「1作1キャラ1巡か、前のは1キャラ1言1巡だったわね。」
「何が違うの?」
「主語が1作と、1キャラが違う。分かりやすくいうと、現在、ライト文学部は全員1言を喋れているが、1作1キャラになると、1人しか登場することができなくなる。」
「多数決を取ります! 拒否! 9人! 満場一致で、1作1キャラは否決されました。」
「既得権益は守ったぞ!」
「出る杭は打つべし!」
「ワッハッハー!」
「国会議員みたいだな。」
「おはよう。」
「最初は、アメリカに行って、鬼神化した、リンカーンやケネディーの亡霊と戦うの。」
「に、日本じゃないの!?」
「目指すは、アメリカンヒーローよ。」
「外国で有名な偉人や有名人の名前を入れておくと、世界ではウケるのだ。検索もされるしな。」
カロヤカさん、世界進出計画は始まっている。
「簡単に蝦夷か、琉球でいいわよ。」
「面倒臭いから、北海道か沖縄の呼び方でいいんじゃない?」
「それとも江戸として、東京23区から始める?」
「設定も、有るが無しだな。」
「今、夏で暑すぎて頭がボッーとする。」
「長野県、信濃か。ああ~、考えるのが面倒臭い。どこへ向かおう? 地名はどうでもいいか。どこへ行こうかな? 決めた! 富士山にしよう。富士山なら、誰からも文句がでないだろう。」
「水の刀、水花みなも、はできた。あとは最低限の火、雷、地、風のキャラクターの名前くらいは決めないと先に進めない!?」
「水花みなも、水の刀。」
「火花あかり、ほむら、ぐれん、れっか。火の刀。」
「雷花みなり」
「地花ちほ」
「風花」
「ダメだ!? 決めれない!? ああ、私は何てダメな子なんだ!? 名前すら決めることができないなんて。」
「おはよう。」
「ダメだ! 納得できない。といううことで、適当に現代名をつけてしまおう。」
「みなもは良い。ノリでいくと、火は、ほむら、なのだが、なんかでそんなキャラクターのような名前があったはず。」
「頓挫。やっぱり10万字は遠い夢でした。しくしく。」
「名前なんて、ただの呼称でしかない。どんな名前でも、その一人の個人を特定できればいい。ただそれだけだ。」
「完全に開き直った!?」
「分かった! 自分の発想は、必殺技的な名前の付け方なんだ! だから人物名を決める時には適さないんだ!」
「人の名前に、疾風とか、紅蓮はないわな。雷鳥、雷鳴、どんな苗字だよ。」
「問題は、水花みなも。こいつを書いてしまっているために、つぶしが効かない。書き直すか? それは面倒臭い。」
「月野うさぎ、そのまんまだろ。聖也、苗字無し。孫悟空、西遊記からのパクリ。はあ・・・名前を真面目に考える方がバカバカしくなってきた。」
「他にブルマ(わいせつです。)とか、ベジータブルとか冷蔵庫(フリーザ)とかいたな。アラレなんていう、ロボットもいたような。」
「聖なる火で、聖火。灯火で、あかり。」
「あかりは、光花あかり、で使えるから置いておこう。」
「火花せいか。オリンピック記念だし、まあ、いいっか。」
「やったー! できた! わ~い! わ~い!」
カロヤカにお任せあれ。
つづく。
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