第13話 妖術! 子供返り!

「なに!? 子供向けの良い子向けをターゲットにするだと!? 俺たち妖怪に死ねというのか!? それとも悪さをする妖怪になり、カロヤカさんに退治されろというのか!?」

 酒呑童子は、作品が良い子の子供向けになると聞いて動揺している。

「違うよ。私たち妖怪にバイキンマ〇になれって言ってるんだよ。あれ? 悪役は悪役だから一緒のことか。」

 玉藻前は、最悪、妖狐の子供コンコンの生き別れた母親になり、妖怪を裏切り、正義側につくことを想定しているので余裕がある。

「「単純・分かりやすく・伏線無し」これが子供向けのテーマだ。ここまで下げないと一般大衆には理解できないらしい。」

 大嶽丸は、鬼神が化け物と、過去の英霊に決まり、内心ホッとしている。

「ゴオ・・・ゴオ・・・。」

 鬼妖神は、寝ているだけで独り勝ちである。

「悪いことをする役は、完全に我々ですな。良いことをしてポイントを貯める。逆に我々は悪いことをして悪いポイントを貯める。ポイントが貯まったら、もっと悪い妖怪に進化できる、みたいな。」

 案山子教頭は、悪のポイントカードを作る。

「これで二つ目小僧の登場が現実味を増してきましたな。」

 百目は、自分が登場するまでに99人の同志が倒されることを知っている。

「二つ目小僧って、ただの人間じゃん!?」

 付喪神は、物ならなんでも可能なので、最終的には百目の100人よりも人数が増えるだろう。

「さあ! 逆風の創作スタート!」

「主役は、カロヤカさん。」

「起、困っている人を助ける。」

「承、悪いことをする者が現れる。」

「転、正義が戦うが負ける。」

「結、カロヤカさんが悪者を倒す。」

「慣れかな、簡単にテンプレートの元が出来た。」

「で、名前を変えただけで成立するテンプレートを作らない。」

「諦めて、真面目に書くか。」

「一休さ〇も、なかなか痛快ですな。」

「一休さ〇は戦闘シーンがないのよね。」

「とんち合戦、揚げ足取り合戦だけどね。」

「韓国ドラマも不幸、災難ばかりだけど、根性で乗り越える。」

「戦闘無し、展開だけで乗り越えるか、韓国ドラマは不幸の連続だからな。」

「展開と会話で乗り切るか?」

「結局、戦闘シーンがあった方が、ゲームにカードに円盤になりやすい。」

「難しいな。」

「カロヤカさんが、拾ったお金を交番に届ける。悪者が人ったお金を自分の財布に入れる。正義者が注意する。いきなり大爆発呪文! しかし、悪者の方が強く、正義が破れる。そこにカロヤカさんが現れて、悪者を倒す。」

「できた。」

「超シンプルで、ラノベやアニメが好きな人にでもわかってもらえそうな単純なストーリー。さらに伏線無し。」

「本当にこんなんでいいのかな?」

「いいんじゃない。他の作品も、こんなんばっかりだし。」

「要するにイマドキの人には壮大なスケールの作品や伏線は理解できないということだね。」

「めっちゃシンプル。頭を使わなくていいわ。」

「アニメーション製作会社も楽できるね。」

「その辺で選ばれるのかな? この筋の作品が。」

「例えの文字数を増やしてみよう。」


「あ、1円玉が落ちている。交番に届けなくっちゃ。」

 カロヤカさんが、拾ったお金を交番に届ける。

「ラッキー! 100円玉拾った! 拾ったお金は俺の物だ! ワッハッハー!」

悪者が人ったお金を自分の財布に入れる。

「こらー! 落とした人が困っているかもしれないじゃないか! 拾ったお金は交番に届けるんだ!」

 正義者が注意する。

「知るか! そんなもの!」

「なら仕方がない! くらえ! いきなり大爆発呪文!」

いきなり大爆発呪文!

「そんなもの効くか! 悪者パンチ!」

「ぎゃあ!? 正義が、正義が負けるのか!?」

 しかし、悪者の方が強く、正義が破れる。

「カロヤカにお任せあれ。」

そこにカロヤカさんが現れて、悪者を倒す。」


「できた。」

「まだまだ500字位ね。」

「もう少し文字数を増やしてもいいな。」

「次は1000字を目指そう。」

「それにしても子供が見ても痛くない作品か・・・難しいな。」

「名探偵コナ〇みたいに、主人公を子供にする?」

「結局は、10代まで。」

「子供にウケれば親や大人は見るからな。」

「とにかく、内容を良い話にしよう。見て感動する話、涙を流す作品。みんなで頑張る作品。みんなで助け合う作品。みんなで頑張ることや助け合うことが素晴らしいと分かる作品。」

「恐ろしい方向性だな。」

「今までの真逆。」

「戦闘シーンを無くしたらどうなる?」

「笑うセールスマ〇みたいに「ダアー!」で世界を変えちゃうか?」

「悪いことをした人は、天罰として毎回、落とし穴に落とすか?」

「いったい!? カロヤカさんのスキルは何なんだ!?」

「ここで1000字に挑戦すると、今回の話も3000字か、まあ、いいか。それが創作だな。」


「ルンルルン~。」

 軽井沢花は16歳の女子高生が歩いていた。

「あ、1円玉が落ちている。」

 すると彼女は、道端に1円玉が落ちているのに気付いた。

「交番に届けなくっちゃ。」

 彼女は拾ったお金を交番に届ける。

「今日も良いことをしたわ。ルンルルン~。」

 良いことをした彼女のステップはカロヤカだった。


「ラッキー! お金が落ちている!」

 悪者が道端にお金が落ちているのに気付いた。

「100円玉拾った! 拾ったお金は俺の物だ! ワッハッハー!」

 悪者が拾ったお金を自分の財布に入れて盗んでしまう。


「こらー! 落とした人が困っているかもしれないじゃないか! 拾ったお金は交番に届けるんだ!」

 正義者が悪者を注意する。

「知るか! そんなもの!」

 悪者が正義者に逆ギレする。

「なら仕方がない! くらえ! 正義の鉄槌!」

 正義者が力で悪者をねじ伏せよう殴りかかる。

「そんなもの効くか! 悪者パンチ!」

 悪者は、暴力では正義者の何倍も強かった。

「ぎゃあ!? 正義が、正義が負けるのか!?」

 しかし、悪者の方が強く、正義者が破れる。


「なになに? どうしたの?」

 そこに軽井沢花が現れる。

「悪い人が拾ったお金を交番に届けないでネコババしようとしたの。それを止めようとした正義の人が悪い人に負けちゃったの。」

 野次馬の第三者から彼女は話の経緯を聞く。

「なんですって!? なんて悪い奴なの! 許せない!」

 彼女は、悪者の態度が許せなかった。


「やったー! 100円貰った! ギャハハハハー!」

 悪者は落とし物の100円を自分の物にして、気分上々に歩き始めた。 

「どうしよう? このままじゃ悪い人が去って行くわ。」

 第三者は悪者が良い思いをするのが悔しかった。

「大丈夫よ! この世に悪の栄えたためしはないわ! きっと悪いことをした者には、天罰が下るのよ!」


「ギャア!? どうしてこんな所に電柱が!?」

 まず悪者は、電信柱に当たります。

「ギャア!? 誰か助けてくれ!?」

 次に悪者は、マンホールの蓋が空いていて落ちます。

「なんなんだ!? 今日は100円を拾ってラッキーなはず!? なぜ!? 電信柱にぶつかったり、マンホールに落ちなければいけないんだ!?」

 さすがの悪者も自分の運勢に振り回されます。

「ギャア!? 車が突っ込んでくるだと!?」

 最後に悪者は、自動車に引かれる。

「アワワワワワ。」

 悪者は救急車に乗って病院に向かいます。


「良い子のみんなは、拾ったお金は交番に届けようね。ルンルルン~。」

 今日の教訓である。 

「カロヤカにお任せあれ。」

 人は、彼女のことをカロヤカさんと呼ぶ。

 つづく。


「完璧だ。」

「あと手直しは必要だが概ねOKだ。」

「カロヤカさんは、妖精使いと小人使いにしよう。」

「あと決めゼリフも必要だ。」

「この話も3000字を超えて疲れたし、次回にしよう。」

「一日一善?」

「一日百善?」

「一日全善?」

「カロヤカにおまかせあれ。」

 つづく。  

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