第10話 妖術! 世界観創世!

「冒頭に妖術! と入れると妖怪の回だと分かってもらえるだろう。日々進化しているな。」

 酒呑童子は、ライト文芸の進化に感心する。

「世界を生み出す? 世界は、人間界と妖怪界で分かれているんじゃないのかい?」

 玉藻前は、世界は2つだけで十分だろうと言う。

「それを世界と捉えるのか、あくまでも部活として捉えるのか、ライト文芸部の作品としてのオリジナル性が試されているのだ。」

 大嶽丸は、いろいろな世界にするのか、いろいろな部活にするのか悩んでいる。

「ゴオ・・・ゴオ・・・。」

 鬼妖神は、まだ寝ている。一生目覚めないかも。

「世界樹方式ですね。世界にはたくさんの世界があって、人間界、天界、魔界、妖怪、神界、邪神界とかです。それを世界とするのか、部活とするのか、という話です。」

 案山子教頭は、前にも後ろにも性格が定まらないので、普通のキャラクターにしてみる。

「これを書くということは、もう結論は出ているということですよね。私たちは妖怪界ではなく、妖怪部、妖怪クラブということになります。忍者たちも忍者の世界ではなく、忍者部、忍者クラブです。あくまでもライト文芸部の現実ドラマです。」

 百目は、自分は雑魚妖怪みたいに1話に登場して消える存在じゃなくて良かった。

「現在で、ライト文芸部、忍者部、妖怪部の3つ。新しく異世界ファンタジー部もできるだろう。そこも人間と悪と正義など多数に分かれることだろう。」

 九十九神は、この世界は○○部からできていると世界観を締めくくった。

「さあ! 創作スタート!」

「今回のテーマは、目指せ! 大妖怪! 第1回! 妖怪オリンピック! ドンドン! ピュウピュウ! パフパフ!」

「大妖怪か、なりたいような、なりたくないような。」

「酒呑童子、玉藻前、大嶽丸が微妙なので、特に幹部妖怪になりたいと思わない。」

「そうだな。百目が大妖怪になったら、目玉妖怪の頭首。」

「付喪神が大妖怪になったら、物系の妖怪の頭首。」

「案山子教頭が大妖怪になった、案山子妖怪の頭首か。案山子だらけになってしまうな。」

「まったくだ。案山子パニックは避けたいな。」

「で、前回の忍者の回で、テンプレート9割のオリジナルストーリー1割の方針が決まったので、その1割のストーリーを考えなければいけない。」

「妖怪部の目標って何だ?」

「ライト文芸甲子園優勝!」

「マジか!?」

「じゃあ、妖怪オリンピック優勝!」

「本気か!?」

「妖怪の夢は、世界征服?」

「それとも人を驚かすこと?」

「普通に和菓子を食べて、お茶を飲んでいてはいけませんかね?」

「この戯け共!」

 その時、妖怪部の部室に男の怒鳴り声が響く。わざわざ久しぶりに描写が入る。

「我は鬼神! 織田信長である! 著作権も商標権も関係ないので、フルネームで使用することが可能である!」

「お、織田信長!?」

「鬼神だというのか!? ということは大嶽丸様の配下!?」

「よく来た。織田信長よ。」

「死人をよくぞ現世に呼んでくださいました。大嶽丸様。感謝いたします。なんなりとこの織田信長にお申し付け下さい。」

「オリジナルストーリー1割を考えようとしたら、鬼神として織田信長が登場した。」

「つまり、織田信長が鬼神として大活躍するか、大嶽丸様を裏切って、この世界を我が物にしようと野望を抱くかですね。」

「そして明智光秀に殺されると。」

「そういえば「SF信長」の最後の敵は明智光秀でしたね。」

「懐かしいですね。」

「こらこら、おまえら!? ホッコリしている場合か。」

「ということは、他に鬼神候補は、上杉謙信。武田信玄。伊達政宗。北条氏康。徳川家康。今川義元。三好長慶。毛利元就。長宗我部元親。しまず家久。」

「軍師系なら羽柴秀吉、黒田官兵衛、竹中半兵衛、山本勘助。」

「あっという間に鬼神に困りません。野球にサッカーができますな! ワッハッハー!」

「あれ? ということは、化け蜘蛛みたいな、化け鮫のような鬼神化け物シリーズが余ってしまいますね? どうしましょう?」

「大妖怪が思いつかないから、大嶽丸様の配下のままでいいでしょう。」

「そだね。面倒臭いから、それでいいや。」

「これで三大妖怪の各陣営は、ある程度完成したから、3陣営対抗スポーツ合戦! カラオケ大会! ボーリング大会! なんでもできますな。」

「忍者を足して四陣営。ライト文芸部を足して五陣営対抗戦ができますね。」

「「最強の歯科助手みなみちゃん」は登場人物が少ないから独立はむりですな。」

「そういえば「最強の歯科助手みなみちゃんの所に「野菜防衛隊」が合併されてましたな。懐かしい。」

「その「最強の歯科助手みなみちゃん」をライト文芸部が吸収合併すると。所詮、この世は弱肉強食ですね。」

「これで3作くっつければ、登場キャラクター数は十分ですな。」

「駄作でも書いていれば、流した汗と涙と血は嘘をつかない。」

「でもキャラクターの数で誤魔化すんじゃなくて、メインどころをしっかりと登場させた方が良くありませんか?」

「メインどころ? 知っているのか? この作品のメインどころは、ライト文芸部だ。女子高生の乙女たちが創作に生みの苦しみをしているという、まるで海亀の産卵を見ているようだ。」

「鬼神の英霊? 若しくは死人の第1号が織田信長として、化け物の鬼神の第1号は誰だろう。」

「仮面ライダ〇からもらって、やっぱり蜘蛛男かイカデビルじゃない?」

「夏のお化け屋敷に蜘蛛の鬼神。夏の海辺に烏賊の鬼神。単純だけど辻褄が合っている。」

「完璧だな。想像を膨らませたら妖怪だけでキングダ〇できるな。三国〇も可能だわ。」

「鬼神に曹操とか関羽や太史慈を登場させるのもありですね。」

「結局、売れるゲームにするにも戦いは必要ですからね。格闘でもRPGでも。」

「派手な戦闘シーン、目が痛くなる必殺技がないとゲームも円盤も売れないというオチ。」

「あとはエロですね。それにボーイズラブにガールズラブ。」

「ああ~妖怪で良かった。気楽だもの。」

「これで旧暦忍者のメインストーリーの我々、妖怪を倒すと、毎度のテンプレートストーリーと忍者、妖怪のキャラクター作りと一通り終わりましたね。」

「どうしよう? 旧暦忍者でひたすら10万字を目指して進むか。それとも妖怪だけで、アナザーストーリーを創作するか?」

「それも次の課題ということで。」

「さようなら。」

 カロヤカにお任せあれ。

 つづく。

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