第9話 忍法! 吸収合併の術!
「できた。テンプレートとはいえ、こんな簡単に1話が完成していいのでござるか?」
睦月は、テンプレート型の恐ろしさを体験する。
「そうね。1話1500字なので、約70話で10万字に達成するわ。これでいいのかしら? 確かにドラえも〇やアンパンマ〇も同じことの繰り返しだけど。」
奏は、睦月と同じく楽々10万字コースに戸惑いを隠しきれない。
「もうそのことは置いといて、次を考えましょう。新ストーリーをぶち込むか、過去の作品の吸収合併をしましょう。」
如月は、冷酷に話を進める。
「どの過去の作品をライト文芸部に取り込もうか? あれ? 私たちは忍者だよね。こういう作業はライト文芸部がやるんじゃないの?」
弥生は、良い所に気がついた。
「ライト文芸部は、新作の異世界ファンタジーの創作で忙しいんだよ。だからわたしたちでやるのだ。忍法! 過去作吸収合併の術!」
卯月は、困った時は忍術にしてしまう。
「決まった! 決まったよ! 吸収合併される1つ目の作品が!」
皐月は、第1弾過去作品吸収合併作品決定という。
「発表します。作品の名前は「最強の歯科助手みなみちゃん」です!」
水無月は、みなみちゃんをライト文芸部の世界に取り込むことにした。
「理由は、ちょうど30歳以上コンテストで新たに投稿しているから。それと、みなみちゃんだと無理しなければ足す人間は、みなみちゃん、美代先生、パンダのパンパンの2人と1匹だけで済むから。」
文月は、楽な吸収合併を実行する。
「軽く南野みなみちゃんを読んできたけど、みなみちゃんって、テンプレート型だったんだね。初期の作品だけど、ちゃんと起承転結していて驚いた。ということは最初から1話完結の物語がドクター〇やごくせ〇のようにできている。」
葉月は、ライト文芸が優秀で感銘を受けた。
「オリジナルにこだわり過ぎて、ボロボロになったのか? わからないな。」
長月は、現状のカオスを嘆く。
「何はともあれ、みなみちゃんは、途中からパンダが出てきて、実写ドラマはできないという結論だったけど、ライト文芸部も本物の幽霊おみっちゃんとコンコンが出ていて、本物の幽霊おみっちゃんは女優さん。妖狐の子供コンコンは、着ぐるみか犬でも撮影すればいいだろう。パンパンはパンダのぬいぐるみという手がある。」
神無月は、みなみちゃんを書いていた頃よりも柔軟に創作している。
「学校名は、渋谷スクランブル高校でOK。やはり問題は、みなみちゃん、美代先生、パンパン以外のキャラクターも引き続き登場させるかどうかだ。とりあえず、様子見でいいか。」
霜月は、2人と1匹を出して物語がどう動くのか検討することにした。
「登場させるのは、ライト文芸部の回でいいと思うんだけど、設定をどうしよう? 美代先生は歯科医師だから、保険の先生かなんかか、定期健診の歯科医師役でいいよ。そうすると、みなみちゃんは社会人役なのか、女子高生にまで若返らせるのか、悩むね。パンパンはパンダだから設定はどうでもいいんだね。アハハ。」
師走は、1人1言1巡することによって、キャラクターの人数だけ物事を考えると言いたい。
「さあ! 創作スタート!」
「みなみちゃんを30オーバーコンテスト用に美代先生に変えて投稿してみた。アクセス数は5。終わりだ。余裕で300アクセスは超えると思ったのに、不正だらけのカクヨムコンテストから本当に人が消えてしまった。」
「小説家になろうで投稿しておいて、カクヨムから書籍化の打診があったら作品をカクヨムに移すというのがメインになってるからね。」
「そんな作品ばかり書籍化してるからカドカワ・カクヨムの自滅だね。」
「不正で複垢作って「利用者増えました!」って喜んでいるのがカドカワ・カクヨムだもんね。」
「なぜだろう? 小説家になろうやアルファポリスでは、こんな惨状にはならない。」
「あっちは人がいるんだろう。」
「ダメだ!? 精神薄弱のため、カドカワ・カクヨムの現状に創作の前に愚痴が出る!?」
「元に戻そう。」
「簡単に実写ドラマ化できそうなのが歯科助手のみなみちゃんだけなんだよね、としとこう。」
「2人と1匹以外の登場人物が、北野キタ、西野ニシ、東野ヒガシ。この3人は南野みなみと、みなみちゃんの苗字が決まった。」
「渋谷大学病院のお坊ちゃまと、その父と母。婦長。美代先生は玉の輿と婚約中である。さらに美代先生はチョコバナナ虫歯菌から世界を救っているしね。」
「正確には、みなみちゃんが世界を救ったんですけどね。」
「チョコバナナ側の人間として、加藤綾、三田友梨、冬目ミク、水戸麻美。かつての野菜防衛隊(農林水産省非公認)もいたな。」
「ネット小説投稿サイトや出版業界の大人の事情に嫌気がさしてるからグダグダしてるけど、昔は真面目に10万字書こうと試行錯誤し創作して頑張ったんだね。」
「その気持ちを失わせる、大人の事情。」
「みなみちゃん2では、みなみちゃんは立派に恋もしてる!? うらやましい!?」
「みなみちゃん3では、パンダが主役になっている!? サブキャラ全員は、パンダに扱いが負けた。ショック。」
「文字数が微妙に少ないな。」
「美代先生たちに登場してもらおう。」
「スタート!」
「どうも、どうも。美代です。はい、みなみちゃんとパンパンも挨拶して。」
「初めまして、みなみです。」
「キュル。」
「ああー!?」
「どうしたんですか? 美代先生?」
「パンパンの鳴き声を忘れてしまった!? キュルで良かったのかな?」
「過去作を読んでくればいいじゃないですか?」
「面倒臭いんだ。」
「どや顔で言わないでください!?」
「それでは私はカップラーメンを食べてくるから、みなみちゃん、後は任せたよ!」
「あ!? 逃げた!?」
「大丈夫! 君ならできる!」
毎回、美代先生は患者をみなみちゃんに任せて逃げる。
「もう!? 美代先生ったら!? 給料を上げてくださいよ!」
「キュル。」
「こうなったら私がやるしかない。みなみがやらねば誰がやる!」
「キュルキュル!」
「カット!」
「みなみちゃんは、確かこんな話だったはず。」
「毎回、パターンは同じだからね。」
「やっぱりテンプレート型だったんだ。」
「ああ~話の流れは同じでも、やっぱり毎回書き下ろさないとダメか。テンプレートをコピーして、名前を入れ替えるだけだと、ダメだな。」
「改めて、そんな基本的なことを、みなみちゃんから教わるとは。流れの起承転結は毎回同じでいい。「ただサボらずに毎回書け!」ということ。」
「そうなるとストーリーを入れた方が書きやすい。」
「名探偵コナ〇みたいに、テンプレートでサボっている回9割と、黒の組織のメインストーリーのオリジナルをちゃんと創作しているのが1割。」
「詐欺みたいな割合。」
「そうしないと20年も続けられないでしょ。」
「そだね。」
「ということで、サボる時はテンプレートでサボる決定。」
「ああ! ドラえも〇とかアンパンマ〇方式ね。テレビ放送は、毎回テンプレートでサボって楽をする9割。映画だけオリジナルストーリーを作成する1割。」
「アニメーションの製作会社も楽だわ。」
「作る人の仕事量もセーブできるので、20年も長く続くのね。」
「残業できない働き方改革だ。」
「ということでテンプレートでサボろう!」
「やったー! まるで公務員みたいに机の上に座っているだけで仕事しなくていいんだ! ラッキー!」
「いや~、今回も内容が濃いかったでござる。ニンニン。」
「だって、創作はオリジナルだもの。」
「そうですね。オリジナルです。」
「それでは皆さん、さよなら、さよなら。」
「次回は、忍法! 吸収合併のつづきをやるでござる。」
カロヤカにお任せあれ。
つづく。
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