chapter 2 『佐智』


「ねぇねぇ、ちょっと面白いわよ」

 エビフライを加えたまま、なんだかテレビ画面を指差している。

「ママ、ちゃんと食べてから喋りなよ」

 これでは、どっちが親なんだか分からない。

 ママはエビを飲み込み、リモコンで音量を上げた。

 冷蔵庫の前で牛乳飲んでる私のところまで、音が届いた。



「……先生。そういう考え方はないんじゃないですかね、それだったら他の——」

 最近買い換えたワイド画面のテレビなので、離れたこちらからも番組の内容が見て取れる。

『徹底討論!教育・医療・政治』といった見出しが画面に踊っていた。

 司会の人気お笑い芸人の二人と、よく見る文化人たちが、語気を荒げて言い合いをしている。

 画面はそのうち、アンケートで「いじめられた」ことがある、「いじめた」ことがあるとかの円グラフに変わっていった。



「へぇ~。私があんたくらいの頃にもあったといえばあったけどさぁ……悪い意味で時代は進んでるのねぇ」

 まるで他人事のように話している。

 討論している内容自体はヘビーだけど、芸人の二人がたまに冗談を交えながら話しているから、スタジオにどっと笑いが起こる。

「塾行ってくるね」

 私はカバンを肩から引っさげ、廊下を走り去ろうとした。

「佐智ちゃん、あんたまさか学校でいじめなんかに遭ってないよね?」

 ママの声が、背中から追いかけてくる。

「そんなこと、あるわけないじゃん」

 靴につま先を突っ込み、かかとを入れる。 



 ……っていうか、私いじめてるほうなんだけど。



 今のは、心のひとり言。



「オッス、サチ」

 公園を曲がった辺りの歩道で、エリカに呼び止められた。

「今日さ、単語百問テストだったじゃない。何かしてきた?」

「べっつに」

 私は、進学のために塾など来ていない。親に「塾くらい行っときなさい」と言われて、渋々行っている。私は行かない、と親と言い合うだけの気概はない。

 要は、どうでもいいの。

 いつも学校でつるんでいるエリカとカオルも来てるから、何とか通えている。学校であったイヤなこととか、家のグチとか、行き帰りにそんなことを話すのも小さな楽しみのひとつ。

 でなきゃ、塾行くフリして他のとこ行ってますって。



「サーイアクー」

 前の席のカオルが振り向く。そして、さも深刻そうに言う。

「六十点なかったら、いやだなぁ」

 テストが終わった解放感からか、ざわめきとともに教室の外へ一斉に塾生がはき出される。

「まぁ、終わったんだし。帰ろー帰ろー」

「エリカはお気楽なセーカクでいいよね~。見習おうっと」

 カオルはそう言ってため息をつく。

 ほとんど人の残っていない教室を、三人であとにする。

「でさ……あしたは吉岡のやつどうしてやろうか?」

 エリカの一言で、私はふと立ち止まった。学校での記憶が甦ってくる。

「それなんだけどさぁ——」

 私たちは、良からぬ相談事を始めた。



 心の薄っぺらい表面の部分ではいけないことだと感じていたが、何の枷にもならなかった。

 むしろ、ケーキとか甘いものを食べる楽しみに等しかった。

 新聞の投書欄に、こう書いてあるのを読んだことがある。

「いじめというのは、いじめている人も実はあまり気分の良くないものなのだ」

 そうかなぁ。

 私は楽しいけどなぁ。

 世の中、そんなに割り切れるほど単純じゃない。色んな人がいるんだぞっと。

 そう考えると、いい気味だった。

 したり顔で世の中を説く大人どもに、ちょっと物申してやった! ってカンジ。



 三年A組になって、不思議な子に出会った。

 休み時間、みんながグループで固まって遊んだり談笑している中、一人だけ席に座ったまま本を読んでいる子がいた。同性の私から見ても、ちょっと目を引くきれいな子だった。

「何読んでるの?」

 近づいてそう聞いてみた。その子は言葉も出さずに、本の表紙をこちらにニュッと突き出した。



 ヘーゲル? 弁証法??

 …………。



 私らの反応が特にないと知ると、その子の視線はまた本の細かい字の羅列の上に落ちた。

 いけ好かないヤツ。

 その時、その子の名前を覚えた。



 吉岡悠里……




 決定的だったのは、あの日の出来事。

 夕日が落ちかける頃、私は校門で、あるクラスメイトの男子を待っていた。

 実はソイツのこと、ちょっと気に入ってたんだ。

 私って、自分が欲しいと思ったものを得るためなら、結構思い切ったことをするタイプなのよね。

 シバタっていう、ちょっとサッカーがうまいやつなんだ。

 アイツは部活で、出てくるのはちょうど今くらいなはず。

 あ、出てきた!

 そう思って、駆け寄ろうとしたんだけど

 並んで歩いてくる影が、ふたつ。

 


「あれは……吉岡?」



 声までは聞こえないけど、どっちかっていうとシバタのほうが吉岡に必死に話しかけているカンジだ。対する吉岡は必死のシバタを気にする風もなく、何か別に考え事でもしているかのように、まっすぐ前だけを見て歩いている。

 私は、校門の陰に隠れて、カバンをきつく抱きしめた。

 涙は、出なかったよ。

 その代わり——

 欲しいものを得るためなら思い切ったことをする私は、それが得られなかった時にも……自分でも何だかコントロールできない感情が、渦巻くんだ。



 手始めに、体育で誰もいなくなった教室に理由をつけて戻って、吉岡の大事そうなものを盗んでやった。アイツ、本ばっかし読んでたからなぁ。きっと大事なはずだ。

 机の中から、それらしきものを引っ張り出した。

『嵐が丘』E・ブロンテ……?

 私のわけ分かんないモノ読んでるっていうくだらない怒りも手伝って、更なる癇癪を起した。

 初めは隠すだけのつもりだった『嵐が丘』は、焼却炉へとその姿を消した。


 

 その後、私はエリカとカオルを取り巻きにつけ、本格的に吉岡への「いじめ」を開始した。

 三人いるということは、非常に都合がよかった。

 それだけ、分担して陰でうまく立ち回れるということだ。

 思いつくことは、全部試した。

 教科書をはじめとしてモノを隠す、落書きをする。

 カバンに虫を入れとく、弁当に砂を入れる……

 クラスの女子は、ほぼ私の支配下にある。これらは難なく実行された。

 しかし。



 吉岡には、神経というものがないのか? 感情というものがないのか?

 一向に、辛そうにする気配がない。

 教科書隠せば「忘れました」って言って、あとで購買部で買ってきてケロッとしてるし。弁当食えないようにしといたら、何事もなかったかのように、本取り出して読み始めるし。



 オロオロするのを見て、涙ぐむのを見て、いい気味だってスカッとしたかったのに! 吉岡の日常に何ら変化を与えられないことで、私の中のドス黒い怒りは抑えられないほどに膨らんだ。

 私のしていることに気付いたらしいシバタから、時々突き刺さるような視線を感じることはあるけど、もういいんだ。ここまで来たら、どう思われたって……

 っていうか、今の私にとっての最重要事項は、吉岡悠里を「落とす」こと。

 それ以外のことは、今の私には大きな意味を持たなかった。




 それをした時、ホントにどういう気持ちでやったのか、言えと言われてもうまく言えない。

 魔が差した、と言うべきか。

 たまたま階段で吉岡が私の前にいたタイミングで、得体のしれない衝動が体に突き上がった。

 吉岡が階段を転がっていくのが、ビデオのコマ送りのように見えた。

 瞬時に、私は取り返しのつかないことをしてしまったと悟った。

 心臓が凍り付き、顔面の筋肉が固まって動かない。

 ただ、唇だけがワナワナと震えた。



 あんなに血が出るとは、思わなかったんだよ。

 壁に激突して、吉岡の体が止まった。

 彼女の腕の傷から流れる鮮血が、血溜まりをつくる。

 そして、それはまるで生き物のように廊下を這い進み、広がっていく。

 ヒトって、あまりにも驚きすぎた時、キャーッとか叫び声でないことあるんだね。

 ちょっと転ばすだけのつもりだったのに……

 もし、この世にカミサマというやつがいるなら、今まさに私は報いを受けた。

 私は、コワレた。

 操り主のいなくなったマリオネットのように、その場にへたり込んだ。



 クラスが、学校が、どんなゴタゴタに巻き込まれたのか、一切覚えていない。

 私は、二階の自分の部屋に閉じこもっていた。

 夜が来て、また朝になった。

 あれだけドンドンうるさかた部屋のドアも、叩かれることは減った。

 ママが廊下に置いていってくれる食事を、そっと取ってまたドアを閉める。

 口に放り込むけど、味はまったく分からない。

 私は生ける屍のように、窓際の壁にもたれかかって、ただぼんやりと外の風景を見て過ごした。



 そうしてからどれだけ経っただろうか。夕暮れ時、家の門の前に並ぶ三人の人影があった。

 よく見ると、そこにはエリカとカオルと……なぜかシバタの姿があった。

 あとでママがドア越しに伝えてきた内容によると、私が今日休んじゃった分のプリントと、授業の板書を写したノートを持ってきてくれたらしい。




 五日後、私のスマホにショートメッセージが届いた。

 送ってきたのは、エリカだった。



「吉岡が、自殺未遂をした」



 最初の一行を読んで、私はひどく混乱した。

 なぜ?

 あなたは、それほどまでに追い詰められていたというの?



 メールの内容は、おおよそ以下のようなものだった。

 吉岡悠里は、骨折もしたし出血もある程度あったが、病院でできる処置も済み大丈夫だろうということで、三日の入院治療のあと自宅療養に切り替わったらしい。彼女が自殺を企てたのは、自宅に戻ってからの出来事だったそうだ。

 ケガや失血で体が弱っている状態での自殺行為であっただけに、生命の維持がかなり危ぶまれたが、一命は取りとめ意識も戻ったらしい。しかし、階段から落ちて大ケガをした事故のことも自殺のことについても、一切口を開かないという。

 エリカはこの情報を担任から聞いたのだという。そして、メッセージの最後にはこう記されていた。



「ホントは私、このメッセージ送るかどうかすごく悩んだんだ。

 でも、サチならきっときちんと受け取めてくれるって信じてるから。

 一日も早く、もとの明るいサチに戻ってね」



 私は、吉岡に「悪魔だ」と言われても仕方がないではないか。

 自信に満ちて生きてきた私の人生の中で、初めて自分というものが嫌いになった。もう涙なんて出ないだろうと思えるくらい泣いたはずなのに、それでもおかまいなしに次から次へと涙が頬を伝った。

 でも、壊れていた私の心は次第にその働きを取り戻し、それにつれて思考の歯車もその回転を速めていった。

 私はベッドに体を投げ出した。

 シーツに顔を埋め、視界を閉ざした私は、心の世界の中で自問自答を繰り返した。



「あの子を落とそうとしてたよね。結果的にはそれ以上の効果を生んだようだけど、うれしい?」



 ……うれしくない。



「何で?」



 ……自分の望んでいた結果とは、違ったから。



「じゃあ、あの時吉岡さんが大したケガもしなくて、えーんえーんって泣いてたら満足だったのかな?」



 ……そうなったら、そう思ってたと思う。でも、今は違う。



「ウザいあの子をひどい目に遭わせられたのに、何がそんなにツラいの?」



 ……そうね、私どうしようもないバカだったのよね。

 子どもが日本刀を振り回すようなものだった。

 劇薬と知らずに、注意書きも読まずにもてあそぶようなものだった。

 もし、あの子の苦しみを、痛みを想像できたら、いじめたりしなかっただろう。

 ムシのいい言葉だとは分かっているけど……あの時初めて分かったんだ。

 痛い、って何か分かった。たくさんの血を見て。

 苦しい、って何か分かった。吉岡の苦痛に歪んだ表情を見て。

 で、パニックになって、落ち着いてから考えてみた。

 ココロも、こんな風にケガさせられたら痛いんだよね。

 責められたら、辛いんだよね——。



 蒼い月が、見上げた窓の外にあった。

 吸い込まれるように見つめた。

「お前でも何かできることはあるんじゃないか」

 そう言ってるような気がした。




「認めるわけにはいきません」

 頭ごなしに言われた。それは覚悟していた。

 高校の担任と、エリカ、カオル、そして私。

 みんなして、吉岡に会わせてくれと頭を下げているのだ。

「今は、あの子にとって大事な時期なんです。身近な人間関係は何とか普通に保てていますが、話を聞けばあなた方は悠里ちゃんをいじめてたというじゃありませんか」

 清水という吉岡の主治医は、私たちを厳しい視線で見下ろした。

 専門が「精神神経科」だということが、私の心にさらにえぐった。

「そこを何とか、数分でもいいからお願いします。私、吉岡さんに謝りたいんです!」

 担任とこの二人を説得するのに、ものすごい根気がいったんだからね!

 ここで簡単に、引き下がれるか、っての。



 医者と視線が合った。

 私は、目をそらさなかった。

「……あなたに一体、何が分かったの?」

 筆問の意図を理解しかねたが、言葉が口をついて出てきた。

「人はみんな、何かを感じるもんだ、って分かったんです」

 すると医者は、口元をつり上げてニッと笑った。

「……あなたも悠里ちゃんと同じ結論に至ったわけね」



 ???



「いいでしょう。悠里ちゃんがもういい、って言うまでは、いくらでも話してきなさい」

「……はぁ」

 いくらでも、って言われると、逆に何話していいか分かんないし。

 美人でかっこいいわりに、何だかヘンな先生だ。



 案内されたところで、私は我が目を疑った。

 アイツ、笑ってんじゃん!

 初めて見たよ。吉岡が笑うの。

 私たちがあっけにとられていると、吉岡はそばにいる子どもに声をかけた。

「お姉ちゃんね、お客さんが来たみたい。だからまたあとで遊ぼーね」

「うん。じゃそれまでに、このステージクリアしとくからね~」

「あっ、ずるーい。ゼッタイあとで取り戻すんだからね!」

 子どもを見送った吉岡は、自分で車椅子を操作して、こちらに向かってきた。



「……久しぶり。元気?」

 自殺未遂をして入院してる子に、元気かって普通聞く? いざ会ってみて、出てきた言葉がこれだよ。

 我ながら、ちょっと情けなくなった。

「うん、何とかね」

 吉岡がそう言ったきり、しばらく言葉がとだえた。

「……ごめんね」

 私がやっと言ったのは、それだけ。

 涙がポタリ、ポタリ。あとは三人でごめん、ごめんの大合唱。

 見かけはちょっと大人びた三人の女子高生が、子どもみたいに泣いてる様は、さぞ奇異に映ったことだろう。担任に見られているのが、ちょっと悔しい。

 エリカなんて、鼻水まで。うわっ、カッコわる!

 結局、最後まで泣くしかできなかった。



 私たち三人は、吉岡の主治医に見送られて病院を出た。

 思うように言いたいこと言えなかったけど、なんかスッキリしたよ。

 私のしたことを考えれば、吉岡に許してもらえなくても罵倒されても当然だ。

 それなのに、吉岡は私の謝罪をちゃんと受け取ってくれたのだ。

 正直、ここ数日の私の心の闇が晴れるくらいうれしかったよ。

 一日も早く、アイツと学校で会えるといいなぁ。



「私が死のうと思ったの、別にあんたたちのせいじゃないよ」

 そう言ってくれた。

 例え嘘でも、私にはその気持ちがうれしかった。

 今は、アイツをいじめてた頃の自分を、記憶から消してしまいたかった。

 でも、それはムシのいい話。

 私は一生、これを背負って生きていく。



 あ、そうそう。

「吉岡さん、はカタいね。これから私のこと悠里って呼んでくれていいからね」

 そう言ってくれたから、これから彼女は「ユウリ」。



 担任に言わなきゃいけないことを思い出して、私だけ病院に戻ったんだ。 

 あの医者、担任に話があるから、って残したんだ。まだいるかなぁ、と思ってロビーを抜けたら、二人そろって階段下にいた。

 話しかけようと思ったんだけど……?

 真剣に話し合っている二人の間に、ただならぬ重い空気が流れていることを感じ取った。

 私は直感から思った。悠里のことで、まだ私の知らない何かがある、と。

 そしてそれが何なのか、どうしても知りたくなった。

 知ることによって、たとえ私に責任が生じたって構わない。

 こんなにも誰かのために何かをしたい、って熱く思ったのは、私にとって初めての経験だった。




 校舎を出て、悠里と二人で並んで歩く。

 外はやっぱり、寒い。

 もうすぐ二学期も終わり、冬休みに入る。

 悠里は、九月から学校へ戻った。私はそれまでの穴を埋めるかのように、悠里との友情を深めた。何よりうれしかったのは、エリカやカオルだけでなく、クラスのみんなも戻ってきた悠里を温かく迎えてくれたことだ。

 校庭の隅にある焼却炉の前で、悠里に聞いてみた。

「将来、何になりたい?」

 悠里はすでに、有名な外国大学に推薦入試で合格を決めていた。彼女はこと英語に関しては、学年でトップを争うくらい優秀なのだ。

「そうだなぁ、通訳とかいいなぁ。でも競争率すごいみたいだから、他にも考えとかなきゃ」 

 燃え盛る炉の中にゴミを放り込みながら、そう言って笑う。

 私は、彼女の本をこっそり焼却炉で燃やしたことをふと思い出す。

 ……バカ、こんなところで泣いちゃいけない。私はずっとこの子のトモダチでいるって決めたじゃないか! これからもこの子の支えになってあげる、って。



 私は、病院で盗み聞きをしたことを正直に医者に話した。

 そしてそれを知った上で、どうしても悠里の役に立ちたいんだ、という自分の思いも伝えた。

「あら、私としたことが」

 清水先生は、チラッと舌を出して言った。

 その日から、悠里の抱えている「こころの病気」とはどういうものなのか、どう接してあげたらいいのかを、清水先生の指導のもと勉強を始めた。分からないところは、個人的に先生に相談して理解を深めていった。

 ……え~っと、なんか今ではこれも清水先生の計算のうちじゃないか、って思えてきたんですけど?

 まぁ、結果良ければすべて良し。のせられてやろうじゃありませんか。 



 どこからか、突風が吹いてきた。

 制服のスカートの裾を押さえながら、もう片方の手で悠里の肩をつかんだ。

「……高校出ても、会おうね」

「うん」

 何がどうなっているのか測りかねて、オロオロしている彼女を背中から抱きすくめた。これだったら、顔を見られずに済むから。



 私、清水先生に宣言したんだ。

 将来、医者にはならないけど、『臨床心理士』目指すんだって。

 清水先生は 「難しいわよ」って言ってた。

「でも、あなたならなれると思うわ。頑張ってね」って。

 横で岩田とかいう研修医が、「一緒に青春の汗をかこうじゃないか!」とか、感極まって叫んでいる。学園ドラマの見すぎだっつーの。でも、ウケて一緒に笑っちゃったよ。

 でもゼッタイになるんだからね、悠里……



 シバタのやつに見つかった。

「お前ら、そういう関係だったんじゃねーだろーな!?」



 ……バカ。


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