シャルレーヌ・ド・ボワモルティエ


※このページでは、所謂ネタバレの要素が多分に含まれています。

 まだ本編をご覧になられていない読者様は、どうかご注意ください。


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【キャラクター紹介】

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■シャルレーヌ


初登場話:第77話


【本名】

シャルレーヌ・ド・ボワモルティエ(Charlène de Boismortier)


【愛称】

シャル


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【年齢】

18歳


【出身】

フィルモワール王国 グランフィリエ地域圏 カペステール北部


【身分】

侯爵令嬢(ボワモルティエ家)


【髪色と髪型】

繊麗な白銀の長髪(毛先に向かって縦ロール状になっている)

髪型はふんわりとしたウェーヴがかかったロングヘア


【瞳の色】

豊麗な琥珀こはく


【身長と体重】※現実世界の単位に換算

166 (cm)、51(kg)


【使用武器】

エペ・イリゼ(虹色に照り光る刺突に特化した長細い剣)


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【特技】

物質完現(マテリアライズ)

美術品の目利き

絶対味覚

舞踊(バレエなど)


【趣味】

才覚ある少女たちの後援(パトロンとして)

美術品の収集

剣術の鍛錬

舞台鑑賞、読書、釣りなど


【好きなもの】

強いもの、美しいもの、可愛らしいもの

エステールから受ける全身按摩


【苦手なもの】

醜いもの

愚かなもの


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【概要】


誉れ高きボワモルティエの家に生まれたシャルレーヌは、人の上に立つ者として何者よりも強く美しく、そして聡明であるために、幼い頃から博物学を始めとした種々の学問の英才教育を受けて育った。


一方でフィルモワール王国一と謳われる剣聖、ノルベール・ド・ダルキアン卿に師事し、ダルキアン流剣術の真髄と秘奥とを深く学んでおり、王城で催される剣術大会においては、女性でありながらもはや敵なしと評されていた。


また、フィルモワール王国において最高学府として名高い、サント・ペトリエール魔術女学院を首席で卒業し、その中で自身の思念を実際の形ある物体として顕現させ、さらにその性質を柔軟に変容させる能力、物質完現マテリアライズに目覚めた。


専属侍女にして現在は執事を務めさせているエステールとは旧知の仲であり、かつてはお互いを愛称で呼び合っていたが、ある時に厳格な父親から心理的な距離が近過ぎるとして、その主従関係を強調させられることとなった。


自らの父親に認められたいという強い願望と、家名を貶めてはならないという恐怖心との狭間で揺れ動いており、自身が如何なる分野においても常に高い場所にあるように、剣術の鍛錬や学問の探求にも余念がない。


侯爵令嬢という高い地位にあり、なおかつ才色兼備であるシャルレーヌのもとには、各国の貴人から求婚が絶えないが、彼女はそれを一蹴するかのように、才覚ある少女たちを発掘して後援するという活動を開始し、最近では自らの周囲に彼女たちを侍らせながら街なかを練り歩くシャルレーヌの姿が、住民から目撃されている。


そんな中、浜辺で溺れかけていたメルセデスたちを偶然にも救助し、彼女と知り合ったシャルレーヌは、得も言われぬ高貴さを纏うメルセデスにいわば一目惚れし、自分のものにしようと画策するが、そのことが彼女の後の人生に大きな影響を与える一石となるのであった。



【使用武器について】


刺突に特化した細剣エペ・イリゼの剣身は、ミスリル鋼という極めて希少な金属で形作られており、シャルレーヌの生体魔素に反応して蒼く光る性質がある。


魔導体となった剣身は鋼鉄をも容易く貫くほどの鋭利さを誇り、宙を穿つほどの圧倒的な刺突をも可能にすると言われ、そこにシャルレーヌの磨き抜かれた高度な剣術が加わることで最大限の戦闘力を発揮する。


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■シャルレーヌに纏わる対人関係


【エステールとの関係】


母親と視察に出た先で、ふらふらと馬車の前に出てきて、危うく轢かれそうになったエステールに話しかけたことが最初の出会いで、その後は彼女のことが気になったシャルレーヌが、救児院という児童養護施設からエステールを自らにつく侍女の一人として屋敷に招き入れた。


シャルレーヌは、誉れ高き侯爵家で最高の教育を受けながら育った自分よりも、極めて貧しく過酷な境遇の中でも見事に生き抜いてきたエステールの方こそが美しいと感じており、そんな彼女を自らの手元に置いておきたいという心理から彼女を侍女の一人に据えたが、そのエステールとは主従という関係よりも姉妹や親友のような近しい仲で、同じ時を過ごしてきた。


なお、卑しい生まれだとされるエステールを侯爵家に留め置くために、父親とは交換条件を設けており、その内容は彼女が在籍しているサント・ペトリエール魔術女学院において、年次ごとに首席の成績を取るという至難のものであったが、シャルレーヌは同学院を卒業するまで、この条件を見事に満たし続けてみせた。


父親からの指示で、極めて近しい仲であったエステールとの心理的な距離を遠ざけ、主従の関係を明確にするために愛称で呼び合うことを禁止する指示を受けて以降は、いざという時に綻びが生じないよう、父親の目が届かない場所においてもその主従を強く意識させる振る舞いを徹底して行った。


そんな時間が長く続いたことで、シャルレーヌはいつしかエステールに対する想いを昔のように自然に表現することが出来なくなっていったが、のちにメルセデスから伝えられた言葉を受けて自分の気持ちに正直に生きる決心をし、エステールのことをステラと愛称で呼んでいた時のような、かつての仲を再び取り戻し、それからさらに以前よりも深い繋がりを持つようになっていった。


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【メルセデスと出会うまでの詳細な来歴】※ネタバレ要注意


◆誕生~エステールとの出会いまで


侯爵位を有するボワモルティエ家にて生を受けたシャルレーヌは、幼少時より人の上に立つ、高貴な者としてあるべき姿を両親から求められ、幅広い学問の英才教育を施されると共に、フィルモワール随一の剣聖に師事することで、博識であるだけでなく武芸にも秀でた人物として順調に成長していった。


六歳の時、最高学府として名高い『サント・ペトリエール魔術女学院』の門を潜り、当時まだ創設されて間もなかった初等部に入った彼女は、侯爵家の系譜に名を連ねる者として恥じることがなきよう、通常の学業はもちろんのこと魔導を始めとした種々の魔術に対しても研鑽を重ね続けた。


九歳の時、母親の公務であった視察に同行した際、彼女の乗っていた馬車の前に一人の少女がふらふらと現れ、危うく轢いてしまいそうになるが、辛うじてこれを回避。何事があったのかと馬車から降りたシャルレーヌが出会ったのは、極めてみすぼらしい身なりをした、自分と同年代の少女、エステールだった。


その後、エステールが身売り同然の状態で児童労働をさせられていた事実を知り、天地が逆転するほどの衝撃を受けたシャルレーヌは、過酷な境遇を生き抜いてきたエステールのことを美しい存在だと感じるようになり、彼女が救児院という児童養護施設に保護されて以降も、面会に訪れるなど深く交流を持つようになった。


そして、エステールを自分の侍女として屋敷に招き入れたいと母に懇願したシャルレーヌは、熱心に頼み込んだ甲斐もあってその望みが叶い、以降エステールは彼女につく侍女の一人として屋敷に住み込む、というかたちでボワモルティエの家に仕えることとなった。


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◆初めての家出~エステールが専属侍女に昇格するまで


シャルレーヌが十一歳の時、それまで自分自身の功績を一度さえも褒め称えることがなかった父親と、彼と交わしたエステールを留め置く条件として、学院にて最高位の学績を示し続けなければならないという重圧から、遠征合宿で遠地に赴く日に、目的地へと向かう列車が出る駅での目撃を最後に、彼女は忽然と失踪した。


失踪の事実は学院からの連絡で明らかになり、大規模な捜索活動が行われるなどの騒動に発展したが、それは誘拐などではなく、積み重なる日々の重責から逃れたくなったシャルレーヌ自身による意図的な失踪で、実際のところは彼女の祖父が生前によく利用していたモン・クウェイルの山中にある湖畔の別荘に向かっていた。


全ての重圧から解放され、一頻り自由の時間を満喫していたシャルレーヌだったが、祖父の画室から通じていたバルコニーにて、そこから眺望できる湖面の月を眺めていた際、その姿に引き込まれるように身を乗り出してしまい、崖上に立つ別荘から真っ逆さまに落下しそうになる寸でのところで、突如として現れたエステールによって事なきを得た。


エステールはかつてシャルレーヌと同別荘で一緒に過ごした記憶があったために、シャルレーヌの祖父の没後は全く利用されていなかったその場所に辿り着いた様子で、シャルレーヌは自分をみつけてくれたエステールのことをそれまで以上に深く想うようになっていった。


失踪騒動の後、エステールとお互いを愛称で呼び合うほど非常に親密な仲になっていたが、ある時それをよく思わなかった彼女の父親に呼びつけられ、愛称で呼び合うことの禁止を含め、主従関係を常にはっきりとさせるように言いつけられ、二人はそれに従わざるを得なかった。


しかしエステールはシャルレーヌの命を救ったことが評価され、シャルレーヌの専属侍女に昇格すると共に、以後は再び彼女が何処かへ姿を眩ますことがないよう、お目付け役としての任務も兼ねることとなり、結果的にそれまでよりもシャルレーヌと一緒の時間を極めて近くで過ごすことが多くなったのだった。


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◆十二支の百合~メルセデスとの邂逅まで


シャルレーヌが学院を首席で卒業した後、彼女のもとには各国の貴人からの求婚が絶えず届いていたが、彼女はそれを歯牙にかけることもなく一蹴し、また同時期に才覚ある少女たちの発掘および後援活動を開始した。


いつのまにかシャルレーヌの周囲には、専属侍女であったエステールを含め数多くのうら若き少女たちが彼女の行く先々に同行するようになり、それを目撃した住民たちからはその取り巻きを、かつての救国の英雄たちを称えた名になぞらえて『十二支の百合(ル・リス・ブラン・ドゥーズ)』などと呼ぶようになっていった。


この頃からシャルレーヌに支配欲のようなものが芽生え始め、才覚ある少女たちを後援するというよりは、見目麗しい彼女たちを周囲に侍らせて愛玩動物のように扱うようになり、エステールとの心理的な距離も徐々に離れていった。


そんな中、真夏の浜辺に集団で繰り出したシャルレーヌは、海中で溺れそうになっているメルセデスたちを偶然にも発見し、彼女らを救助した。そしてその際に出会ったメルセデスから得も言われぬ高貴な気品を感じ取ったシャルレーヌは、彼女を自分の所有物とするために一計を案じることとなるのであった。


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