エセル


※このページでは、所謂ネタバレの要素が多分に含まれています。

 まだ本編をご覧になられていない読者様は、どうかご注意ください。


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【キャラクター紹介】

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■エフェス


初登場話:第51話


【本名】

エセル(Esel)


【偽名使用時】

なし


【改名後】

エセル・ド・ボワモルティエ (Esel de Boismortier)※後日談にて


【愛称】

特になし


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【年齢】

11歳(外見年齢)


【出身】

不明


【身分】

不明(初登場時~物語後半まで)

シャルレーヌの義妹にして侯爵令嬢(後日談)


【髪色と髪型】

光の照り具合で色が変わる氷河の色

髪型はツインテール(魔導を用いて結っている)


【瞳の色】

翡翠かわせみの羽色を想わせる色(瞳は垂れ気味)


【身長と体重】※現実世界の単位に換算

141 (cm)、35(kg)


【使用武器】

未知の物質で構成された杖(魔導陣などを描く時に用いる)


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【特技】

魔現の連続発動および遠隔発生、大規模魔現の即時発動

空間転移(中長距離間の跳躍には魔導陣を使用)

先読み


【趣味】

読書、思考実験


【好きなもの】

甘いお菓子

魔導書グリモア

独りきりの時間


【苦手なもの】

エフェスの強引さ、集団行動


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【概要】


アシュ砂漠において、砂蠕蟲ラムル・ドゥーダと対峙したメルセデスたちに訪れた絶体絶命の窮地を、事も無げに救ってみせた不思議な少女。女性でありながら自分のことを『ボク』と呼称する一風変わった特徴がある。


その外見には幼さが残るものの、神理アルケーと呼ばれる規格外の魔現を操る力を持ち、発動すら困難と思える高位の魔現を魔導陣の補助もなく連続発動させるだけの凄まじい戦闘能力を持つ。


本人曰く『思考の強化』により、先読みのような行動をとることも可能で、エフェスの命を狙ってメルセデスたちの前に現れた際には、エフェスを救うべくリゼと二人で立ち塞がった彼女たちの攻撃を軽くいなしてみせたこともあった。


エセルはそれまで凡そ人の感情といえるようなものを持たず、生みの親であるクリストハルトたちの命令によって、自らの生命維持に必須なアンブロシアを得るために動く傀儡かいらいに過ぎなかったが、自身の命もかえりみず、己の身を挺してエフェスを守ろうとするメルセデスたちの姿を見て相当な衝撃を受けた彼女は、二人との出会いが自分という存在について考えを巡らす端緒たんしょとなった。


そしてメルセデスたちと二度目の接触を果たした際には、彼女たちをクリストハルトたちの居るクレフ遺跡へと誘い、そこで彼女とエフェスに纏わる出生の秘密と、クリストハルトたちが行おうとしていた真の目的が判明することとなったが、彼らが放ったミスパルなる人造生命体の集団との交戦中に消息不明となる。


その後、メルセデスたちが落胤との決戦に臨んだ際、ロイゲンベルク王国内にて当時住民の避難場所の一つとなっていた『ローゼン・アルカディアン魔術女学院』にて彼らを守るために奮闘し、さらにとある目的を遂げるべく陰で活動していた。


なおエセルという名前は、アールヴ族が用いていたとされる言語で『十番目』を意味する言葉であり、『零』を意味するエフェスから数えて、十番目の複製体にあたることが示唆されている。



【使用武器について】


エセルは通常、武器と呼べるような装具を持たずして、非常に強力な魔現を行使するが、長距離の空間転移に用いる特殊な魔導陣を描いたり、大規模魔現の発動を安定化させる目的で利用する魔杖ケインを所有している。


それは木のようにも化石のようにも、はたまた金属のようにも見え得る極めて不可思議な物質で構成されており、普段は物質変化トランスミュートにより指輪の形状をとっている。


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■エセルに纏わる対人関係



【エフェスとの関係】


エセル自身は、エフェスを原型として作られた事実をクリストハルトたちから知らされていたため、エフェスのことは自分とほぼ同一の存在であると見做みなしている。


エフェスたちに感情や自我といったものが萌芽ほうがした際、いずれ自分たちに反旗を翻す恐れがあると感じたクリストハルトたちの命を受けてエフェスたちの暗殺に向かっており、当時感情の欠片もなかったエセルにとっては単なる削除対象でしかなかったが、そこで立ち塞がったメルセデスたちの姿を目の当たりにして自分自身の存在に疑問を抱いて以降は、エフェスとの心理的な距離感が変化している。


その後クレフ遺跡へエフェスたちを誘った際には、彼女に自分たちの出生の秘密を伝え、また自らが犠牲となってエフェスたちを救うための行動を起こした。


一連の事変後は、シャルレーヌの勧めを受けて彼女の義妹となり、エフェスと共に『サント・ペトリエール魔術女学院』へ通うようになって、次第にエフェスと双子の姉妹のように親しい関係を築いていくこととなった。



【シャルレーヌとの関係】


侯爵令嬢であるシャルレーヌは、兼ねてより妹を欲しており、またエセルの極めて複雑な出自を知って、そのボワモルティエの家に養子として迎えることを考えた。


そこでたぐいまれな魔現の資質を持つ彼女を両親に紹介し、またエセル自身にも今後の生活を送る上で様々な利点があることを伝えると共に、半ば強引に説得するかたちで、エセルが折れて彼女の義妹となる道を選んだ。


以後はシャルレーヌからの提案もあって、彼女のことを『シャル姉さま』と呼ぶようになり、現在ではシャルレーヌの専属執事であるエステールと共に視察などの公務に同行することもある。


シャルレーヌはエセルの過去をよく知っていながらも、それについて一度も深くエセルに追求することはなく、またエセルも、現在の自分だけを見て的確な助言をくれる彼女のことを徐々に慕うようになっていった。


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【メルセデスと出会うまでの詳細な来歴】※ネタバレ要注意


◆誕生~エフェスたちの抹消命令まで


エフェスと同様、アールヴ族の血晶石をもとに、クリストハルトたちによってクレフ遺跡の深部領域にある人工生命研究棟にて生成された。


エフェスを原型として作られており、戦闘能力並びに思考力の大幅な強化と、人間特有の豊かな感情を徹底して排除するという特殊な調整が行われている。


また、エセルが持つ生体魔素の最大瞬間出力は、原型であるエフェスを遥かに上回っていたが、彼女にとっての心臓である魔核ヌクレウスの一部機能に先天的な異常があり、アンブロシアと呼ばれる霊薬を定期的に補給しなければ自分の生命機能を維持出来ないという、致命的な弱点を持っていた。


この欠陥を逆手にとったクリストハルトらは、自分たちの命令に従って結果を出せば、アンブロシアを報酬として受け取れるという流れを構築し、極めて大きな力を持つエセルを都合の良い操り人形として、意のままに操ることにした。


その一方で当時、自我に目覚めて自分たちの行動に疑問を持ち始めていたエフェスたちへの対処を考えていたクリストハルトらは、性能試験を兼ねてエフェスたちの抹消命令をエセルに通達、これを受けたエセルは何の疑問も持たずに彼女たちの排除を行うべく、作戦領域へと即刻移動した。


圧倒的な戦闘能力を持つエセルは、エフェスたちの前に現れるや否や、その複製体を次々と討滅。しかし抹殺対象であるエフェスおよび数体が混戦の最中に作戦領域から離脱したことで、エセルはそのまま彼女たちの追跡へと移行することとなる。


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◆エフェスの追跡~メルセデスたちとの初接触まで


エセルは、落ち延びたエフェスとその他の残存個体を抹消すべく、クリストハルトらから譲り受けた特殊な法具を用いて彼女たちの位置を次々と特定し、空間転移も利用して各個撃破していったが、真っ先に自我に目覚め、自分で思考することを行っていたエフェスにだけは、あと一歩のところでその削除に失敗していた。


そんな中、いつものようにエフェスの追跡作業を行っていたエセルは、特異な生体魔素の反応を検知、その極めて強力な反応から、エフェスが何らかの大規模な行動を起こした可能性が高かったため、即刻現地へと急行した。


しかし転移した先には、異形の怪異と対峙するメルセデスたちの姿があり、その異様な状況下において、ある種の好奇心のようなものを初めて抱いたエセルは、いわば気まぐれで彼女たちのことを助けることにした。


それからエセルはエフェスの追跡を再開し、ついに彼女と思しき反応を発見してエフェスが居ると考えられる場所へと赴いたが、その中でエフェスを巡って相対することとなったのが、かつて自分が偶然にも命を救ったメルセデスたちだった。


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