6.妖獣と怪異


【概要】


本ページでは、作中に登場した妖獣や怪異について解説します。

※設定上のみ存在するものも含まれている可能性があります。


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【目次】(出没地域別・危険度順)

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◆全般

 ◇妖獣(モンスター)

 ◇怪異(かいい/イドーラ)


◆陸上

 ◇大猪神(カリュドン)


◆砂漠

 ◇砂霧の皇帝(マリク・アカラーバ)

 ◇砂蠕蟲(ラムル・ドゥーダ)


◆水棲・半水棲

 ◇大水蛇(ヒュドラ)

 ◇冥王烏賊(クラーケン)

 ◇海竜神(リヴァイアサン)

 ◇百頭竜(テュポーン)


◆その他

 ◇幽鬼(スペクター) 

 ◇合成獣(キマイラ)

 

◆召喚獣

 ◇聖隷獣(せいれいじゅう/フォルゲンガイスト)

 ◇幻獣(げんじゅう/クリプタス)

 ◇神獣(しんじゅう/フェルケル)

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◆妖獣(モンスター)


野生の獣が異様に巨大化、あるいは狂暴化した変異種を指す。


現在では、高濃度の妖気に曝されて変異した個体であるという説や、妖魔が異界から連れて来た原種と交雑した種だと考える説などがある。


地方によっては「ベスティア」などと呼ばれていた。


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◆怪異(かいい/イドーラ)


古くは「イドーラ」と呼ばれた、人知を超えた化け物、あるいは文献や伝承の中においてのみ存在する魔物の総称。


長く言い伝えられているにもかかわらず、実際の目撃証言がこれまでにほとんど認められなかったものに関しては、そういった怪異と遭遇して生きて帰った者がほぼ絶無であり、僅かに生き残った者もおそらくは錯乱状態で精神に異常をきたし、記録に値するまともな証言が得られなかったためと考えられている。


特に海洋上に現れるとされるものは、「あやかし」と呼ばれることがある。


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◆大猪神(カリュドン)


通常の猪の十数倍はあるとされる超大型の猪。


各地にごく稀に出没しては、その地域一帯で暴れまわり、家屋や農作物などに破壊的な被害を齎す存在とされている。


現在では出現報告があるとすぐ、周辺諸国から討伐隊が派遣されることが多い。


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◆砂霧の皇帝(マリク・アカラーバ)


ラムル・ワルドという遺跡の地下に潜んでいた巨大なサソリ。


古文書にも記述があり、同遺跡周辺にかつて存在した街を滅ぼした張本人とされたものの、歴史学者は何らかの災厄や疫病を比喩的に表現したものだと考えていた。


全身が超硬度の外殻で覆われており、メルセデスの愛剣『リベラディウス』の刃をも弾く、極めて堅牢な巨躯を誇る。


獲物の目を欺くかのように砂中を高速で移動しながら突然その姿を現し、両腕の鋏と鋭利な尾を併用した、極めて素早い攻撃を仕掛けてくる。



◆砂蠕蟲(ラムル・ドゥーダ)


マタール王国周辺で使われていた旧い言葉で「砂の地虫」を意味する名を持つ、街一つが動いているのではないかと錯覚するほど、とてつもなく巨大な砂ミミズ。


アシュ砂漠で生育する『ロフォテ・ペヨルテ』という仙人掌から水分を摂取すると共に、その柔組織内に含まれている強力な幻覚物質を取り込む習性がある。


普段は砂漠の地中で活動しているが、人間の群れを感知すると、体内に蓄積していた幻覚物質を広範囲に渡って霧状に散布し、それに曝露したことで無抵抗になった対象を、周囲の砂ごと一気に吸い込む。


かつてマタール王国から出発した隊商キャラバンが、この巨獣によって瞬く間に壊滅した事件があった。


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◆大水蛇(ヒュドラ)


運河などでごく稀に出現報告が寄せられる、水棲系の巨大な怪物。

竜のような体躯に、蛇の半身が幾つも合わさったような外観をしている。


その出現地域にはほぼ例外なく甚大な被害が齎され、時には複数が同時に出没することもある。



◆冥王烏賊(クラーケン)


各地の海の沖合に、突如として出没したとされる、極めて大きな怪異。

長大な触手で船体に取り付き、そのまま海中へ引き込むとされる。


船乗りの間では航行する船舶を次々と破壊し、例外なく沈没させる恐怖の対象として語り継がれ、その姿を見て生きて帰った者はほとんど居ないと言われているが、これまでに残されている数少ない証言から、非常に巨大な烏賊イカのような外観を呈していたことが判明している。



◆海竜神(リヴァイアサン)


周辺の海域に嵐や竜巻、そして大渦を伴って現れるとされる伝説上の存在で、古文書にはごく少数ではあるものの、実際に遭遇したとの記録が残されている。


その外観は超弩級の体躯を誇る、蛇竜の如き姿であるとされ、地域によっては信仰の対象にもなっているほか、海底が震源と思われる地震による津波は、実はこの海竜神が引き起こしたものではないか、と考える者も存在する。


また、一説には『大水蛇』がその幼体ではないかとの説もあるが、詳しいことは全く判っていない。ただ、海竜神が現れる直前には必ず、周辺の海域が嵐に見舞われたかの如く、急激に大きく荒れ始めるとされる。



◆百頭竜(テュポーン)


かつてバルテロニア大陸中を暴れまわり、当時の世界各国に破滅的な被害を齎したとされる伝説の怪異。


竜の如く厳めしい頭に大蛇のような太く長い首を百以上も有し、刻々とその姿を変容させながら各地の空を往き、海を渡って陸を砕いたとされている。


当時存在した高名な術士たちによって封印されたとのことだが、その封印場所に関する詳細な記録は未だ発見されていない。


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◆幽鬼(スペクター)


いわゆる亡霊の類で、古戦場や霊園の近傍において様々な姿形での目撃例があるが、行くところに行けない霊魂が彷徨っているものであるとされている。



◆合成獣(キマイラ)


複数の妖獣を合成して創り出された人造の獣。

合成元となる獣種によって異なる特徴を示すとされる。


極めて古い文献によれば、旧時代に巻き起こったとされる大戦の前期において、生物兵器として利用されたと思しき記録が残されている。


クリストハルトらは、落胤から得た知識を用いて古の錬金術を部分的に再現したことで、自然界に存在している野生獣を人為的に融合し、不完全体ながらもその復元自体には成功していた。


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◆聖隷獣(せいれいじゅう/フォルゲンガイスト)


かつて召喚士が存在した頃に、彼らが使役したと思われる異界の存在。

概して半物質的な振る舞いを見せ、突出した異能を有するものも居たという。


召喚術の発祥は現在のロイゲンベルク王国があった周辺だと考えられており、当時その圏内で用いられていた旧語で、聖隷獣のことを「フォルゲンガイスト」と呼んでいたとされる。


また、召喚士たちは専用の魔導陣サークルを用いてこれらを呼び出し、ある種の代償を伴う契約により、彼ら聖隷獣を使役すると共に、その能力の一部を共有できたという。


そして聖隷獣との契約の証を刻んだ封印書シギルムという特殊な魔導書グリモアにより、術者の意思に呼応して顕現と消失とを繰り返していたとされる。


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◆幻獣(げんじゅう/クリプタス)


大勢の召喚士が大規模な魔導陣によって呼び出したという異界の怪異で、一度顕現すればその周囲に災害級の被害を齎したとされる。


旧時代における大戦の後期において、敵国の領土内にこれを召喚することで広範囲に渡って甚大な損害を与えたとの記録が旧い文献の中に残されている。


通常の聖隷獣と異なり契約で縛ることが叶わず、その制御は極めて困難だったとされるが、どのような手段を以て相手側にけしかけていたのかは不明。


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◆神獣(しんじゅう/フェルケル)


幻獣と比較してもなお次元が異なるほどの大きな力を司り、まさに神の化身とも呼べるほどの権能を有していたとされる異界の存在。


とある国が敵国に向けて幻獣を召喚する際、意図せず呼び出してしまったことで、制御を試みる余裕もなく、同国とその周辺地域が跡形もなく消滅、やがてその厄災が大陸全土を巻き込むかたちで拡大し、人の種としての存続を断つほどの破滅的な被害を齎したとされる。


そして一説にはこの神獣の顕現が、旧時代における大戦乱と当時の高度文明とに終止符を打ったのではないか、と考えられている。


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