4.地名と施設の一覧(フィルモワール王国)


【概要】


本ページでは、作中に登場した特定の地名と施設について解説します。

※設定上のみ存在する地名も多く含まれている可能性があります。

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【目次】(五十音)

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◆フィルモワール王国

 ◇オーベルレイユ

  ▽ヴェルビニオン

  ▽デルフィネール

  ▽ペシェルブール

  ▽ルヴェロテューレ


 ◇グランフィリエ

  ▽アルマシャリテ

  ▽カペステール

  ▽ディジェルマーニュ

  ▽ルルエペルテュ


◆周縁支配領域

 ◇シャントルヴェイユ

 ◇ドルヴォワ

  ▽モニスドゥール


◆主要施設

 ◇王立図書館

 ◇アン=デュ=ルヴレ救児院

 ◇エルヌーヴ美術館

 ◇オージュクレール城

  ▽闘技場

 ◇サント・オルリエージュ中央教会堂

 ◇サント・ペトリエール魔術女学院

 ◇ベルナール凱旋門

 ◇リヴロニエール宮


◆地形

 ◇モン・クウェイル(山)

 ◇ゴルジュ・ガルグイユ(峡谷)


◆水場

 ◇オー・ド・サレージュ川

 ◇ルヴェア湖

  ▽翠壟荘(すいろうそう)

 ◇ヴェルメリア海


◆島

 ◇イル=ロワーヌ島

  ▽ブラム・デルネー山

 ◇エリュ・メヌエ島

  ▽ペドラ・シエル山

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◆フィルモワール王国について


広く『ヴェルメリア海』に面した、王国制の国家。

個の自由を貴び、美を謳歌することを国是としている。


東西に大きく分かれた地域圏を持ち、東に王都『オーベルレイユ』、西に芸術活動が盛んに行われている美の都『グランフィリエ』、さらに両都市から離れた位置に存在する一部領域や島などといった支配地域と、北部領域に存在する峡谷『ゴルジュ・ガルグイユ』から海へと注ぐ『オー・ド・サレージュ川』の水資源が存在する。


これら東西の地域圏内においては、『コミューン』という地方自治体が複数存在し、それぞれが個別に管轄する自治区を持っており、さらにその各区域ごとに区長と議会とが置かれている。


また、オーベルレイユに存在する王城『オージュクレール城』の背面には、途轍もなく巨大な魔石である『ロイエの魔柱石マナリス』がそびえており、その石が持つ力を利用するかたちで、国内外を覆うように広がる不可視の空間結界が形成されていて、同域内が王国の庇護を受けた支配領域、通称『天の傘』となっている。


他国と一線を画する特色としては、教育が無償である点と、同性愛者同士による婚姻が正式に認めている点が挙げられ、さらにそうして結ばれた者同士が名乗る姓においても、どちらかの姓に統一されるのではなく、完全な選択制となっている。


加えて、東西南北に伸びる各通りには大小を問わず名前が付けられ、碁盤の目の如く整然と並んでいることから、通りの名前さえ知っていれば、ほぼ迷うことなく目的地へと辿り着けることで知られる。


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◆オーベルレイユ


フィルモワール王国の東側に位置する地域圏にして首都。

西の地域圏であるグランフィリエと対比して『自由の都』などと称される。


北側に『王立図書館』と貴族たちの邸宅が立ち並ぶ区域『ペシェルブール』があり、東側にはかつて大きな戦いに勝利した時の将軍を称え、記念碑として建造された大門『ベルナール凱旋門』と、移民や難民といった準国民が多く住む区域『デルフィネール』がある。


また、南側の区域である『ルヴェロテューレ』には、同国の最高学府として名高い『サント・ペトリエール魔術女学院』を始めとした教育機関や、近代錬金術の研究施設が集中して存在している。


そして西側の区域『ヴェルビニオン』には、歴史的な宗教建築である『サント・オルリエージュ中央教会堂』に加え、グランフィリエとの境界線近くに王城である『オージュクレール城』とその城郭に囲まれた城下町が広がっており、その背後から天に向かって伸びる、特徴的な『ロイエの魔柱石マナリス』が国全体を見守るように聳えている。



▼ヴェルビニオン


オーベルレイユの西側に位置する区域。

グランフィリエ東の区域、アルマシャリテとの境界線近くに王城が存在する。


区域内には歴史的な建造物や宗教建築が多く、観光地としても有名であり、各通り沿いに長く続いている繁華街では常に観光客で賑わっている。


また、同区域に数ある宗教建築群の中で特に名が知れているものに『サント・オルリエージュ中央教会堂』があり、その内陣の天井部に取り付けられた一際大きな天窓が、入射した外光を虹色に煌かせることで訪問客からの人気も高い。



▼デルフィネール


オーベルレイユの東側に位置する区域。

特徴的な建造物として『ベルナール凱旋門』がある。


フィルモワール王国が個の自由を貴ぶことから、他国から様々な理由で迫害された難民や移民が、同国の市民権を得るために多く集まってくるが、そんな彼らの大半がこの区域に集中して住んでいる。



▼ペシェルブール


オーベルレイユの北側に位置する区域。


王立図書館があるほか、昔ながらの貴族が多く住み、俗に貴族街として知られる大通り『ベルスリヴィエ通り』があり、高名な侯爵家であるボワモルティエ所有の別邸が存在することで知られる。



▼ルヴェロテューレ


オーベルレイユの南側に位置する区域。


近代錬金術の研究施設や教育機関が多く存在し、その中でも同国の最高学府といわれる『サント・ペトリエール魔術女学院』が特に有名で、併設された学生寮には近隣諸国から来訪した優秀な留学生たちが共同生活を行っている。


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◆グランフィリエ


フィルモワール王国の西側に位置する広大な地域圏。

東の首都であるオーベルレイユと対比して『美の都』と称される。


昔から芸術活動や演劇の公演などが活発に行われており、また服飾関係の新たな流行もその多くがこのグランフィリエから生み出され、大陸中に発信されるという。



▼アルマシャリテ


グランフィリエの東側に位置する区域。

オーベルレイユ西側の区域、ヴェルビニオンに面している。


歴史の中でその役割を変えて来た建造物が多く存在し、中でもかつて要塞として作られながら、現在までに改築を繰り返し美術館として生まれ変わった『エルヌーヴ美術館』が特に有名である。



▼カペステール


グランフィリエの北側に位置する区域。

劇中に登場した、シャルレーヌの出身地でもある。


古くから演劇や舞踊、音楽活動が盛んに行われてきた区域で、中央には一際大きな歌劇場である『リヴロニエール宮』が存在するほか、シャルレーヌの生家である極めて豪壮な屋敷が区域の南方にある。



▼ディジェルマーニュ


グランフィリエの南側に位置する区域。


フィルモワールにおける服飾の中心地として知られ、各通りには専門店が立ち並んでいる。また、原料の繊維から糸を作り出す紡績ぼうせき工場が多く存在しており、同国における裁縫師の組合ギルド本部もこの区域に置かれている。



▼ルルエペルテュ


グランフィリエの西側に位置する区域。


『サヴィオニール海岸』という風光明媚な保養地を持つことで知られ、国内外からの観光客が多く訪れることで知られている。また、貴族や富豪が所有する別荘も、ヴェルメリア海を望める位置に数多く存在している。


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◆シャントルヴェイユ


フィルモワールの北方に存在する支配領域。

都市部から離れた位置にあり、現在は魔導列車による移動が主になっている。


かつて交流があった西の大陸から伝来してきた文化が、色濃くその足跡を残しており、古い時代に作られた特徴的な楼閣型の建築や舟遊しゅうゆう式の庭園が、其処を訪れる者に悠久な時の流れを伝えているとされる。


また、秋を迎えると非常に美しい紅葉の景色が広く見られることから景勝地としても人気があり、異国情緒溢れる建造物と共に長く親しまれている。


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◆ドルヴォワ


フィルモワールの二大地域圏から離れた、北東部領域に位置する支配領域。


かつては鉱山の採鉱によって栄えた地域だったが、自然環境の激変により森林が広く消滅し、また集中豪雨による洪水にも見舞われたことで近隣の村に鉱毒が広がり、やがて田畑を汚染したことで多くの被害を生み出した。


現在、王政庁が立案した同地域再生の計画が始動している。



▼モニスドゥール


フィルモワールの支配領域である、ドルヴォワの東に位置する村。

劇中に登場した、エステールの出身地でもある。


同地域における鉱山事業の最盛期においては、その恩恵を受けて非常に豊かな暮らしをしていたが、急速な気候変動とそれに伴う洪水によって流出した鉱毒汚染を受けて一気に衰退し、村民は一転して非常に貧しい生活を強いられるようになった。


その結果、身売り同然の児童労働などが横行したため、事態を重く見た王政庁が査察官などを派遣して状況の精査と改善を図ることとなった。


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◆王立図書館


首都オーベルレイユの北側に存在し、同国随一の蔵書数を誇る大図書館。

非常に広大な敷地を持ち、周辺は公園となっていて憩いの場所にもなっている。


同図書館には立入が制限されている地下部分が存在し、旧時代に纏わる古い文献や一部の公文書が保管されているとされる。


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◆アン=デュ=ルヴレ救児院


オーベルレイユの西、ヴェルビニオンのカヌレヴォリ通りに存在する児童養護施設。

敷地内には細やかな手入れがなされた、非常に美しい庭園があることで知られる。


ここでは身寄りのない児童や虐待を受けた子どもたちが保護され、里親の募集と選定を行う傍ら、児童が個人でも自立できるように様々な教育課程を実施している。


なお、シャルレーヌの執事であるエステールは幼少時、この救児院で過ごした時期がある。


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◆エルヌーヴ美術館


グランフィリエの東、アルマシャリテに存在する大陸最大級の美術館。


フィルモワールはかつて、王城の背後に聳える『ロイエの魔柱石マナリス』を略奪せんと、外国勢力や賊集団による攻撃を幾度となく受け続けてきたが、そういった時代に要塞として築かれたのが、この美術館の前身であるエルヌーヴ城で、時代の変遷と共にその役割が変容したとされている。


旧時代よりも前にあたる先史時代から近代に至るまでの美術品が多く収蔵されており、古代遺構の残骸といった歴史的な資料も多く展示されている。


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◆オージュクレール城


オーベルレイユの西、ヴェルビニオンに存在し、グランフィリエ東の区域、アルマシャリテとの境界線近くに位置している王城。


城は外観よりも対候性や堅牢性を重視した造りになっており、城壁の内部は非常に複雑な経路を辿らなければ城に到達不可能な構造になっているほか、城内にも様々な仕掛けや秘匿された脱出経路などがあるといわれている。


また、城壁の外周は広く長大なくるわによって取り囲まれており、城壁とその郭の間には長い歴史を持つ城下町と、年に数度行われる武術大会が催される円形闘技場とがそれぞれ存在している。


城の背後には巨大な魔石『ロイエの魔柱石』が天高く聳えており、フィルモワールの内外を包み込むように広がる、不可視の空間結界が形成されている。


なおこの結界は外界からの魔導攻撃や妖魔の侵入、果ては空間転移という神理に位置する秘術さえも拒むという、比類なき防御特性があるといわれている。



▼闘技場


城郭の南側に存在する、非常に豪壮な造りをした円形闘技場。


ここでは年に数度、剣術、武術、魔術、そして総合術を競う大会がそれぞれ催され、その模様を国王が天覧することが恒例になっている。


闘技場内には特殊な防護障壁が形成されているほか、選手や観客のための避難経路も存在し、万が一にも被害が城下町に及ばないような構造になっている。


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◆サント・オルリエージュ中央教会堂


オーベルレイユの西、ヴェルビニオンの中心に存在する一際大きな教会堂。

周辺に散在する他の建造物よりも一層古い歴史を持っている。


フィルモワールにおける観光名所の一つとして有名で、非常に高度な技術で象られた宗教建築による壮麗な外観もさることながら、堂内の装飾や列柱に施された彫刻、そして多く配された彫像は、見る者を圧倒するほど荘厳であると言われている。


中でも内陣の天井部分に存在する円形の天窓は、外界からの採光が行えるような仕組みになっているが、其処を通過する入射光が内陣に達するまでに虹のように見えるため、国内外を問わず来訪者からの人気が高いことで知られている。


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◆サント・ペトリエール魔術女学院


オーベルレイユの南、ルヴェロテューレに存在する魔術女学院。

フィルモワールにおける最高学府であるとの呼び声が高い。


現在は初等教育から高等教育までを一貫して教導しているが、適性検査に合格した者は年齢を問わずして入学を認められ、相応しい学級へと加入することになる。


同学院は非常に広大な敷地を持ち、宮殿だったものを増改築した校舎の他に大庭園や実験棟があり、さらに新旧問わず古今東西の魔導書を集積した大図書館、他宗教にも配慮した複数の礼拝所に加え、本格的な魔導の修練が行える防護結界で強固に保護された専用の練習場など、多方面に渡って極めて充実した設備を誇る。


また、国内外から優秀な生徒を迎え入れるために学生寮が併設されており、他国からの留学生も多数在籍している。


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◆ベルナール凱旋門


オーベルレイユの東、デルフィネールに存在する極めて豪壮な門。

遠方からでも圧倒的な存在感を放っており、観光名所の一つになっている。


かつて王城に聳えるロイエの魔柱石を巡って、複数の外国勢力による大軍勢を相手にした大きな戦乱があり、その際に同国軍を劣勢から勝利へと導いた時の将軍、ベルナールの戦勝を祝う凱旋式が執り行われた場所に、彼の名を冠した記念碑として建造された。


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◆リヴロニエール宮


グランフィリエの北側、カペステールに存在する壮大な歌劇場。

貴族や上流階級の社交場としても知られる。


正面外観は、フィルモワールにおける高名な彫刻師たちが、己の技巧を競うように象った繊細緻密な彫刻が数多く装飾されており、実に壮観な佇まいを見せている。


その内部は多くの人々が来訪してもその動きが窮屈にならないよう、広々とした空間が続いており、社交目的で作られた極めて大きな応接間がある。


内装は非常に壮麗な装飾で彩られており、白大理石を豪勢に用いた大階段や金が多く配された列柱、そして豪勢なシャンデリアに加え、極めて美麗な天井画が立錐の余地なく描かれており、さながら王宮内のような高級感を醸し出している。


観客席は社交場としての機能も重視した馬蹄型で五つの層を持ち、その総席数は二千近くにも及び、また舞台には約四百余人を収容することが可能となっている。


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◆モン・クウェイル


フィルモワールの北東にある比較的標高の高い山で、もともとは火山であったと言われており、その頂上付近には火口湖とされる『ルヴェア湖』がある。


季節の変化による風景の変化や野鳥種の移り変わりが見られ、特に紅葉が見られる時節においては、登山に訪れる者も多い。


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◆ゴルジュ・ガルグイユ


フィルモワールの北北東にある峡谷。

その絶景から風光明媚な景勝地としても知られる。


急峻な岸壁の間にはフィルモワールにとって、貴重な淡水資源となる『オー・ド・サレージュ川』が流れており、その本流がフィルモワールの東部領域を縦断するかたちで、ヴェルメリア海へと注いでいる。


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◆オー・ド・サレージュ川


フィルモワールの東側を流れる大きな河川。


本流はフィルモワールの東にあるが、その昔オーベルレイユとグランフィリエに潤沢な生活用水を供給するべく、両地域圏に入り込む人工水路の造成事業が執り行われ、海に広く囲まれた同国に貴重な水資源を齎すことに成功している。


ある年、ドルヴォワ地方から合流する河川より鉱毒が流入し、水が汚染される事態に見舞われたことがあったが、その合流地点に鉱毒を沈殿させる遊水地を設けたことにより、被害の拡大を最小限に留めた経緯がある。


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◆ルヴェア湖


モン・クウェイルの頂上付近に存在する火口湖。

非常に青々とした湖水を湛えていることから、『青の瞳』の別名がある。


湖中には数種類の魚類と水棲生物が生息していることで知られるが、それは人間が持ち込んだものではなく、ここから流出した支流がオー・ド・サレージュ川と合流した末に、魚たちがその本流を伝って遡上してきたのではないかという説や、鳥の足に付着した卵が偶然に運ばれた説など、その要因には諸説がある。


その湖岸は比較的なだらかな地形が多いものの、所々が急峻な崖状になっており、飛び込みを禁止する看板などがその周囲に設置されている。



▼翠壟荘(すいろうそう)


ルヴェア湖の畔に存在する、フィルモワールの侯爵家ボワモルティエが所有する別荘。今は亡きシャルレーヌの祖父アルベリクが、絵画などの創作活動を行う場として利用していた。


その名前は同荘の立地状態に由来し、空翠を醸し出す木々に囲まれながら、壟断ろうだんとも呼ぶべき切り立った湖岸の上にあることから、そう名付けられたとされている。


また、生前のアルベリクが画室アトリエとして使用していた一室が彼の作品と共に今も残されているが、彼の没後はその存在を忘れ去られたかのように利用されず、長らく放置同然の状態になっていた。


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◆ヴェルメリア海


フィルモワールが建国以来、めることなく誇ってきた母なる滄海。


同海に広く面していることから、フィルモワール東西の地域圏であるオーベルレイユとグランフィリエの両者を併せて『ヴェルメリアの双子真珠』と称することもある。


この美しき青の海とその周辺は保養地や景勝地として世界でも非常に名高く、そして何より豊かな水産資源をフィルモワールに住む人々に絶えず供給してきたことで、同国民にとっては切っても切り離せない偉大な存在として考えられている。


そしてまたこうした理由から、同国ではこのヴェルメリア海への多大な感謝を捧げると共に、豊漁や海上安全を祈念する『海神祭』が年に一度催されている。


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◆イル=ロワーヌ島


フィルモワール本土から東南の沖合に位置する、火山島。

本土から出港する魔導船を通じて移動する。


三日月の形状と中央部に存在する火山『ブラム・デルネー山』が特徴的で、多く火山由来の温泉を持つことから観光地、および保養地としても有名である。


周辺海域は水温が高めになっており、一年の中でかなりの長期間に渡って海水浴を楽しむことが可能となっている。



▼ブラム・デルネー山


イル=ロワーヌ島の中央部にある火山。

現在でも小規模な噴火が時折見られるため、入山規制が敷かれている。


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◆エリュ・メヌエ島


フィルモワール本土から遠く南方沖に位置する島。

珊瑚によって構成された堡礁を持ち、その内海となる礁湖がある。


輪っか状に広がる堡礁が特徴的で、周辺の海域に比べて淡い色彩を持つ内海では遠浅の地形が続いているほか、特定の時刻には刺激に反応して発光する夜光虫による幻想的な景色が見られる。


島には昔から原住民が住んでおり、昔ながらの生活を今でも送っているとされる。

島の中央部には彼らにとっての聖地とされる『ペドラ・シエル山』があり、その頂上部は選ばれた島民以外の立ち入りが禁止されている。


極めて高濃度の自然魔素で充溢していることから、サント・ペトリエール魔術女学院が所有する遠征合宿用の施設があるほか、観光客用の街も存在する。



▼ペドラ・シエル山


エリュ・メヌエ島の中央部に存在する山で、その頂上部には高濃度の自然魔素による影響を受けて誕生したと思われる、固有の薬草が存在するとされている。


島の原住民からは昔から聖なる山として知られており、彼らの中で選ばれた者のみがその頂上部に達することを認められている。


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