7.法具(アイテム)


【概要】


本ページでは、作中に登場した『法具アイテム』の用語について解説します。

※作中では言及されていない項目も一部含まれている可能性があります。


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【目次】

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◆法具(アイテム)

 ◇聖肌水(スミュルナ)

 ◇光遮膏(ソルパルマ)

 ◇浮水具(ラティス)

 ◇海月油(プルモリムス)

 ◇洗滌剤(サポネス)

 ◇夜煌花(フロス・ノクティス)

 ◇水晶竜の鱗(すいしょうりゅうのうろこ)

 

 ◇特殊弾薬

  ▽手榴弾(グラナータ)

  ▽火炎玉(パイロボルム)

  ▽発煙筒(フーミー)

  ▽閃光球(フルゲンス)


◆仙薬(ネクタール)

 ◇琥珀糖(こはくとう/レジナ・ダルキス)

 ◇竜泉水(ソーマ)


◆霊薬(エリクシール)

 ◇変若水(アムリタ)

  ▽仙露(アンブロシア)

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◆法具(アイテム)について


主に錬金術によって調合された物品の総称。

自然由来の素材をもとに作られた、様々な効果を持つ品々が存在する。


法具の生成法や必要素材は、錬金術の心得がある者それぞれが、代々受け継いできた機密性の高い情報であることが多く、全く共有されていない。


兵器に転用すれば恐ろしい効果を持つものもあるが、各種日用品や化粧道具、食品の劣化を抑える抗腐剤など、日常生活の質を向上させる物品も多く存在する。


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◆聖肌水(スミュルナ)


身体や纏っている衣服に吹き付けることで、噴霧した箇所を清潔に保ち、さらに爽やかな香りを付与する液体。霧吹き状の容器に入れられている。


水浴びや湯浴みが長期間出来ない環境において重宝されている。

調合に利用する材料によって香りなどが変化する。


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◆光遮膏(ソルパルマ)


身体中に満遍なく塗布することで、太陽光から受ける刺激や影響を大きく低減することが出来る軟膏剤。体表に付けた薬剤を薄く伸ばすようにして使用する。


使用上の注意として、本剤は塗布から実際の効果が発現されるまで約十五分ほどの時間を要するということと、効果は一定時間しか持続しないため、定期的に塗り直す必要があることが挙げられる。


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◆浮水具(ラティス)


錬金術によって生成した特殊な素材の中に空気を封入し、水に対して大きな浮力を得ることが出来る装具のこと。


腕や足首に装着するものや、身体を通すことが出来る輪っか状のものがあるほか、寝台や甘蕉バナナの形状をしており、水面に浮かばせてその上に乗ることが可能なものも存在する。


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◆海月油(プルモリムス)


皮膚に対してよく浸潤し、潤いを与える粘性のある水溶液のこと。


主に保湿などの美容目的でも用いられているが、全身按摩などの際に摩擦を低減して潤滑させる用途でも用いられる。


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◆洗滌剤(サポネス)


風呂文化の普及に伴って生み出された、洗体と洗髪を兼ねた浴用薬剤のこと。

基本的に天然由来の成分を利用して調合される。


用途に応じて固体や液体、そして粉末状といった形態が存在する。


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◆夜煌花(フロス・ノクティス)


夜空に打ち上げる花火ではなく、携行出来る大きさの手持ち花火のこと。


多くが棒状の持ち手に、紙で巻かれた薬筒が先端に付けられた形式となっていて、さながらがまの穂を思わせる形状をしている。


筒の中には火薬と金属の粉末が収められており、当該箇所に点火することで美しい色彩を持った火花を咲かせる。その色は内包されている粉末状の金属種によって変化し、構造を工夫することで時間の経過ごとに発色を変化させることも可能。


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◆水晶竜の鱗(すいしょうりゅうのうろこ)


アンリが持っていた、思念による意思疎通を可能にする通信用の法具。


丸い硝子の板のようなその表面には、特殊な魔紋が施されており、所持者同士であれば、ある程度距離が離れていても連絡が可能。


その動作原理は不明で、フィルモワールにおける国家機密指定により、利用出来る権限を持った人間は限られている。


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◆特殊弾類


錬金術においては、純粋な爆弾以外に特殊な効果をもった弾薬類を生成することが可能で、現在は採掘時の発破作業などにおける爆薬としても利用されている。



▼手榴弾(グラナータ)


手投げ式の小型爆弾で、付属の安全装置を解除することによって起爆状態に移行する。目標地点に投擲された後に爆発することで、内容物である破片が四散し、有効範囲に存在する対象に爆風と破片により傷害を与える。



▼火炎玉(パイロボルム)


手榴弾と同様、多くは投擲して用いられるが、こちらは爆発による衝撃波や破片の飛散で傷害を与えるのではなく、投擲した地点の周囲を炎上させる効果を持つ。



▼発煙筒(フーミー)


筒状の形状をしており、安全装置を解除することで発煙する。

煙と同時に光を放つ方式の発煙筒も存在している。


もともとは遠方への合図として用いられていたが、周囲の視界を遮る程の煙幕を形成するものも存在することから、こちらの動きを外部に伝わらないように遮断する目的でも使用される。


材料を変更することで煙に特定の色を付加することも可能だが、毒素を持つ材料を加えることだけは全国的に固く禁止されている。



▼閃光球(フルゲンス)


手投げ弾のように投擲して利用されるが、爆発して破片を撒き散らすでも周囲を炎上させるでもなく、極めて強い閃光を放つことで複数対象の視界を一時的に奪う目的で用いられる。


内容物に工夫を加えることで、閃光と共に大音響を轟かせるものも存在し、相手の認識能力を著しく低下させ、昏倒させる。


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◆仙薬(ネクタール)について


体力や失われた生体魔素などを急速に回復させる効験を示す薬剤のこと。

その一部には特殊な製法を要さず、ほぼ自然由来のものも存在する。


主に錬金術にある生成法に則って調合されるが、別大陸から伝来した『錬丹術』なる体系から生み出された薬剤も存在する。


旧錬金術においては、不老不死を可能とさせるような霊薬までをも生成していたとされているが、その製法は失伝しているとされる。


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◆琥珀糖(こはくとう/レジナ・ダルキス)


悠久の時を生き、その内部に自然魔素を蓄える、化石樹という希少植物から抽出した樹液を煮詰めて結晶化したもの。口に含むと仄かな甘みがある。


結晶中には極めて高濃度の自然魔素が含有されており、摂取してから程なく生体魔素へと変化する性質があるため、戦闘時における魔素の補給に用いられるが、採取元の希少性から非常に高価なことで知られている。


現在では統一言語通りの「こはくとう」と発話されることがほとんどである。


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◆竜泉水(ソーマ)


自然魔素を多く含んだ複数の素材をもとに調合し、その魔素をさらに凝縮した液体のこと。


摂取すれば急速に生体魔素を回復することが出来るが、一部素材の中には劇薬として用いられるものもあるため、過度の服用は内臓に相当な負担が掛かるとされ、禁忌となっている。


ちなみにその後口はほろ苦いとされているが、生体魔素が枯渇寸前の状態で服用すればかなりの苦みを感じるという。


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◆霊薬(エリクシール)について


旧時代において、不老不死を実現するべく、各国の高名な錬金術士たちがこぞってその生成を試みたとされる秘薬のこと。


数多の試行錯誤を経て生み出されたその霊薬は、定期的に摂取すれば若さを保つことが可能で、致死的な損傷を即座に快癒させる効験を示したとされる。


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◆変若水(アムリタ)


旧錬金術が作り出したとされる、不老を可能とする液体状の霊薬のこと。


一年に一度摂取すれば、老化が停止するばかりか、既に進行した老化でさえも逆行して若返り、また身体に致命的な深傷を負っていたとしても、その圧倒的な再生力によってたちどころに治癒するとされる。


製法は当時でも限られた者たちのみに情報が共有されていたため、現在では完全に失伝したものと考えられているが、製法に関する記録書が既に古代遺構から発見されているとの噂も存在する。


ただし、一定時間空気に曝露し続けるとその効力を失うとされる。


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◆仙露(アンブロシア)


変若水アムリタを飴状に加工した霊薬のこと。


変若水は空気にしばらく触れていると、次第に成分が変質して本来の効験を示さなくなるが、本薬はその保存性を向上させる目的で生成されたと考えられている。


専用の保存料が添加されており、変若水と比較すればその効力は劣るが、長期保存が可能で携行性にも優れているという利点がある。


仮に変若水と同様の効験を得ようとすれば、少なくとも一か月に一度の摂取が必要になるとされる。


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