ガタンゴトン

「ねえ、電車のガタンゴトンって音、今じゃもうあんまり聞かないの知ってた?」

メッセージアプリの通知が光る。

知っているよ、とだけ返した。


技術の進歩はあらゆるところで進んでいる。

MDも文通文化も失った指先だけの社会に、

レールの音も失われた平成31年トーキョー。


人々はサイレントワールドを目指している。

レイワという時代になるらしい。

それでも自分は、電車が走る時にガタンゴトン、と呟いてしまう気がしている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

雑文倉庫 更科 周 @Sarashina_Amane27

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ