第15話 おじさん、勇者、魔王さま…… (15)
魔王さんは、今度は俺に不満を述べてきた。
自分自身を置いて、俺は死ぬのかと?
う~ん、俺としては、それでも構わないと思っているよ。
だって今魔王さんが、俺に告げた言葉が本当に真実ならば、俺は自分の妻を庇って死んだことなるから。
俺は先にあの世いる、死んだ親父やお袋に、胸を張って会うことができるからね。
だから俺は魔王さんに。
「う~ん、君を守って死ねるなら、別に後悔はないかな?」
今度は俺、照れくさそうに、自身の頭をかきながら、魔王さんに言葉を述べたのだよ。
するとさ、彼女は……。
「そんな言葉を漏らさないでおくれ、あなた……。妾は、あなたのそんな言葉を聞くと。最後にあなたに逢うために、この
と、言葉を漏らして、また魔王さんは、泣き始めたよ。
俺の胸に顔埋め、自信の美しい顔をくしゃくしゃにしながら。
だから俺自身も、彼女の小さな頭を両手で抱きしめたよ。
俺の為に、こんなにも泣いてくれる魔王さんの事が愛しくて仕方がない……。
だから俺自身も、いつのまにやら、彼女に自身の頬を当てて、甘えている状態だった。
「あ、あの……? 仲良くされている最中に大変に悪いのですが……。少しばかりお話しをさせもらってよろしいですか?」
泣きじゃくる、魔王さんを抱き。彼女の頭を優しく撫でながら、気を落ちつかせようとしていると、俺に勇者さんが声をかけてきた。
「あっ、はい、僕に何ようでしょうか? 勇者さん? あっ、あの~、もしも? 王の首がいるようなら、僕の首を魔王さんの代わりに持って帰ってください。本当にお願いしますから……」
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