第3話 七月二十八日

 時間なし。朝の六時に起床し、午前八時から午後の六時五十分までレンタル会議室に缶詰め。もう足腰の限界を超え、今こうして時間に追われこれを書いているだけでも辛い。が、書かねばならぬ。

 きっと目標を達成できていれば、もう少し明朗快活な物を書けたろうが、生憎それとは程遠い結果であった。

 しかし、目標を、ここで達成して「しまった」ならば、この後自分が調子に乗ることが目に見えている。ここで全教科で九割を取れていたら、確実に明日からの勉強を怠ることだろう。だからこそ、今回の結果をポジティブに捉えたい。

 そういえば昔、ネガポ辞典というのがあった。あれはとても良い企画だったなと、思う。でもあれも、登場した時代が良かった。今出版されていれば、ポジティブに変換したものまで、「ほんとにそれがポジティブな要素なんですか?」と難癖をつける輩がSNSに溢れかえっていたろう。

 昨今、社会は整合性を気にし、批判精神の名のもとになんでもかんでも難癖をつけるようになった。日本の未来を不安視しているのか知らないが、耳触りの良い政策をあれこれと、並べ立てて具体的な方策を示さない政党に支持率が集まるようになった。報道関係各社は、連日のように、まるで放火事件を甘い蜜か何かと勘違いしてそれに群がって報道している。やれ何人死亡しただの遺族を直撃だの献花に来た人にインタビューだのと、そんなことを報道するくらいならもっと他に話すべき事項があるだろう。外交の話だっていい。今世界水泳や、バドミントンのジャパンオープンで盛り上がっているスポーツの話でもいい。高校野球の都道府県予選大会でもいいのだ。

 明るい話題を、希望が持てる話題を報じてほしい。

 と、届かないし届けるのに使う労力ももったいない意見を投じ、今日はここで筆を置く。

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