第3話 生存法(緊急事態における有利生存についての法律)

こういう夢を見ました。火事を消し止める技術力が現在より幾分も高くなった未来の話です。内閣によって、生存法というものが施行され、物議を醸し出しています。

それは、現行の50歳以上の生存者は切り捨てて、救助要員を消火要員に充て、延焼を防ぐというものが、40歳以上の生存者は切り捨てる、に引き下げるというものです。

夢の中の住人たちは、延焼による二次被害を防いで、生産年齢人口と若年人口を救出するには、救出活動の途中での打ち切りと、消火活動の専念は理に適っているという論調で締めくくっていました。

実際、火事の現場で

1:救助対象の年齢構成が予め分かった場合

2:救助活動を打ち切って、消火活動に専念しなければ延焼が起こることが分かっている場合

3:延焼によって、失う命があることが予め分かっている場合

これらの事項が即座にわかる未来において、救出活動の打ち切りは実際にあり得るのか。

これと類似の事例が、大地震が来たときに、足の悪い人や動きの遅い高齢者を実際に津波から助けることができるのか、というものがあります。私には残念ながら不可能としか思えません。

現実的な案としては、老人ホームを地理的に高い位置に作り直すことです。

老人ホームや介護施設というのは、標高の低い、浸水する安い地理条件のところに建てられることが多いです。

津波に強いところは土地の値段も高いし、金銭的に難しい案件ではあります。

これらのことが問題視され、社会的問題として取り上げられるのは、実際に標高の低いところに建てられた老人ホームでたくさんのお年寄りが亡くなって、なぜここに建てたかが糾弾される事態になってからだと思います。

しかし、今の日本なら、地震だから仕方ない、津波だから仕方ない、お年寄り以外にも大勢亡くなったで、そこまで問題が発展しない気がします。

ちなみに避難先に指定されている、中学校や小学校の体育館って、耐震基準を満たしていない場合があります。余震で上から下げてるランプが押してくるとか、屋根が落ちてくるとかそういう感じです。

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