第四夜



 五月の末、私と未来は外に出掛けた。

 自転車の力を使ったアトラクションが多数存在する、少し変わった場所。

 テーマパーク、というよりは、大きな公園といったその場所が未来は好きなのだ。


 普段、滅多に外に出ない彼女は、陽に当てられて目を細めている。白い麦わら帽子を買ってあげたら、嬉しそうにかぶった。


「でも未来、何故、制服で?」


「ん〜、わかんないや。動きやすいからかな? いいじゃん、プル、制服好きでしょ?」


 そう言って小ぶりな胸を寄せ、私を見上げた未来。


「喉が渇いたわね。自販機を探しましょうか」


 ——


「プハァーー、生き返るーー」


「未来は外に出なさ過ぎて虚弱ね」


「いいの。もう"生きない"って決めたんだから、別にいいの。それよりプル、術式を設置しなくていいの? ちゃんと準備して、来年の四月末には世界を壊してね。未来のことは、気にしなくていいから。

 プルのお仕事を、今度こそ、ね?」


「未来……私は……」


 皆を言わせず、未来の唇は私の言葉を止めた。


「未来のために、世界を、消して——」


 この子は、なんて可哀想な子なのだろう。


 ここまで世界を憎む彼女に、何があったのか。きっと、仮面を被った人間達に馴染めず、


 殺されたのだろう。——○○的に

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