第6話 返事
翌日もわたしは悠真を迎えに行った。
「
「
そう言う悠真はとてもつらそうにしているので、わたしは学校へとそのまま行くことにした。
「そう、わかった。プリントとかはもらってくるから。学食の日替わり定食、今日はチャーハンだったけど、残念だったね!」
「はいはい、行ってこい。お前が遅刻するぞ」
余計なお世話、とは心のなかで言っといて、わたしは玄関に待っているハル姉が最寄り駅まで送ってくれることになった。
駅に着くと、ドタバタで改札前にたどり着く。
「行ってらっしゃい! 陽菜乃ちゃん、悠真には言っておくからね!」
「ハル姉。ありがとう! 夜もお願いね」
「OK! 早く行きなさい。遅刻するわよ」
わたしはそのまま学校に行ってから、悠真からLINEが来ていた。
『帰ってきたら、プリントくれ、(^人^) あと、話がある』とメッセージが送られてたし、全く。
わたしはそのまま部活もなかったので、帰ることにしたの。
こんなに早く東京駅から電車に乗って帰ったこと、あったかな?
悠真、何だろう? 話って。
結構気になってくると同時に、少しだけ期待をしてしまう。
気になったけど、最寄り駅に着いた。
さすがにハル姉は仕事らしくて、バスに乗って行くことにした。定期のもとを取らなきゃねって、母さんにも言われたし。
家の近くのバス停に着いて、家に入るとそのまま夕飯の準備を少ししてから、悠真の家に向かう。
「悠真はいま起きてるよ、母さん、連れてってくれない?」
「うん」
「わかった」
悠真は小さな頃に風邪をこじらせて、死にかけたことがあった。
またこじらせてしまうのは、結構大変なんだと思う。
「悠真~!! 陽菜乃ちゃんが来たわよ」
部屋のドアをノックして、おばさんが悠真に話しかけている。
「ん? お、陽菜乃か、おかえり。換気するから、待ってて。移すかもしれねいから」
「元気そうだね! 悠真。一応連絡しておいて、良かったね」
「うん。で、プリントとかは?」
「なかったよ? 話ってなに?」
「あ、うん。返事、遅れて、ごめんね。手紙のこと」
悠真が手紙を渡してきた。
「うん。手紙のなか?」
わたしは手紙を受け取り、その返事を見た。
悠真を見ると、うなずいた。
「ほんとに?」
「うん。」
わたしは家に帰ると、夕飯の準備を本格的に始めた。
ドキドキしたままだ。
悠真がくれた手紙にはびっくりした。
『ずっと好きだった』の一言だったから。
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