第5話 誕生日プレゼント

 わたしは部活帰りに、雑貨店にいた。

 少し早めに部活が終わり、今日は少しだけ買い物をすることにした。

「陽菜乃、何を買うの?」

「あ、真湖まこちゃんと咲空さらちゃん、楽器がモチーフのキーホルダーを探してて……、わたしはまだ決めてないけど」

 真湖ちゃんと咲空ちゃんが行きつけの雑貨店に行ったときに、買おうと思っている場所にいた。

 おしゃれな洋楽が流れてきた。

 いつも店内に流れてくるのは洋楽で、いつも違うプレイリストなのがとても気に入っている。

 キーホルダーのコーナーにやって来た。

 お目当てのものを見つけて、それを見つめていた。

「あっ。これだ」

 わたしはそのキーホルダーを買って、帰ることにした。

 咲空ちゃんと真湖ちゃんとは駅前で、解散して帰ることにしたの。

 なんか、悠真にとても似合いそうな感じがしたんだよね。



 電車のなかで、このキーホルダーを見る。

 わたしが買ったのは、ギターとベースのキーホルダー二つ。

 わたしは最近のなかでも、一番悩んだ買い物だった。

 帰ったらすぐに、ベースのキーホルダーを悠真に渡そうと思っている。

 誕生日が明日だ。

「OKかな?」

 悠真には内緒で、ベースのキーホルダーにした。

 ハル姉には教えたけど……不安だな。

 なかなか難しい問題があったの。

 それは悠真が風邪を引いてしまい、学校を休みがちになっていたことだ。

「ハル姉、悠真はどうかな?」

「うん。ちょうど寝ちゃってね、ちょっと熱が高くてね。無理が祟ったかな?」

「心配だけど……誕生日プレゼント、今日渡したくて」

 わたしは悠真の部屋のドアをノックする。

「悠真、起きた? ごめん、急に来て。」

「陽菜乃? どうした?」

 ドアを開けた。悠真がほんとにつらそうなので、すぐにプレゼントを渡した。

 いきなりすぎて、彼はびっくりしている。

「これ! 誕生日プレゼント、あと、このなかに学校からのとうちからの手紙、入れてあるから。見て!」

 手紙は勢いで書いちゃったから、とても恥ずかしくなる。

「サンキュー」

「また、明日!!」

 わたしはダッシュで悠真の家を出る。













 部屋で泣きそうになる。

 手紙で悠真に気持ちを伝えた。

「明日から、どうしよう~。」

 ドキドキと心臓が止まらない。

 確かに気持ちを伝えたのは、いいけどさ。

 関係が変わってしまいそうで、とても怖くなってきた。

「あ~あ……やらかしたかな? もう~!」

 悠真にいつものように接することができるかも、めちゃくちゃ不安になってきたし。

 わたしは翌日の朝も、恐る恐る迎えにいった。

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