4年生になった俺、そして・・・
時が流れ俺は23歳を迎え、4年生になった。
学校生活は相変わらず順調で、彼女とも交際が続いていた。
だが、それが突然引き裂かれる事となった。
ある夏の日、仕事の休憩中に突然俺の携帯に着信が入った。
それは病院からで、彼女が救急搬送されたという事だった・・・
俺は、頭の中が真っ白になりながらも現場監督と社長にその事を伝え、急いで病院へ駆けつけた。
だが、そこで見たのは泣いている彼女のお母さんと、スーツ姿のまま駆けつけた、暗い表情をした彼女のお父さん、そして顔に白い布が被せられた彼女の姿だった・・・
あまりにも急な出来事だったので、俺は何が起きているのか分からない状態で、その場を呆然としながら立ち尽くしているだけだった。
数時間後に彼女のお母さんから聞いた話だと、この日彼女はバイトが休みで、家で出かける準備をしていたらしく、その時に突然胸を押さえ倒れ込み、病院に搬送される頃にはもう帰らぬ人になったらしい・・・
死因は、急性心筋梗塞で享年21と言うあまりにも早い別れだった・・・
俺は、その日から彼女の葬儀まで仕事と学校を休み、最期の別れの時まで一緒に居てやった。
棺の中には、彼女が好きだったお菓子と手紙を入れてあげた。
その後、あまりにもショックがでか過ぎて、俺は塞ぎ込むようになった。
そんなある日、彼女のお母さんからある物を渡された。
それは、去年のクリスマスの日に俺がプレゼントしたブランドの財布だった。
話によれば、どんな時でも彼女はそれを大切にしていたらしく、あなたがこれを持っていた方がいいと言われ、俺は思わずその場で声を荒らげながら大泣きした。
その後、彼女のお母さんから「そんなに塞ぎ込んでも、あの子も浮かばれないだろうから、気をしっかり持って、あの子の分まで卒業してあげて」と言われた。
彼女のお母さんと別れ、自分の車に乗り込んだ後、同級生の年上の友達から遊びに行かないかと誘われ、待ち合わせ場所の駐車場に車を停め、俺は車から降りた。
そこは、2年生の時に彼女とデートした思い出のゲーセンだった。
降りた後、ゲームセンターの出入口前に、髪を茶色に染めて短髪で右耳にはピアス、胸にはドクロのネックレスを着けた身長は俺よりもでかいボクサーみたいなスタイルでブランドのサングラスを掛けた年上の友達が手を振ってこっちを見ていたから俺は合流した。
その後、俺はその友達とパンチングマシーンやら、クレーンゲーム、クイズゲームなどを楽しみ、最後はその建物の中にあるカラオケ屋の個室へ向かった。
その時、俺は黙って友達の歌を聴いていたが、お前もなんか歌えよと言われたので、彼女が好きだった歌手の歌を入れた。
だが、歌っている最中に涙が出てきて声も詰まり、俺はその場でまた泣いてしまった。
その時、友達は俺に
「俺も昔、事故で恋人を失ってるからお前の気持ちは良く分かる、だけど遺された者としては、それでも前を向いて歩いていかないと行けねぇんだよ。それが唯一遺された者が出来る供養って奴だ。今は無理でも早く元気出しな」
と俺を励ましてくれて、泣き止んだ俺は
「そうだな、それが唯一俺が出来るあいつへの供養だ」
と言いなから、元々使っていた物から変えた彼女の形見となった財布を軽く撫でた。
その後、俺は友達と牛丼屋で食事を取り、そのまま解散して家へと帰った。
そして、その次の日からまた仕事と学校生活を送り始めた。
最初は、社長や会社の人、学校の同級生や生徒会の後輩達から大丈夫?と心配されたが、俺は
「もう大丈夫だ、迷惑かけてすまんかったね」と答えた。
そして、月日が経ち・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます