エピローグ いつかまた会えたなら 12月27日
――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM12:00――
もみじ「じゃあ夏水ちゃん。これからの美術館併設喫茶店紅葉のことは頼んだわよ。私は取り敢えず歳末に合わせて本部に招集がかかったわ」
夏水「うぇっ!?連絡だけはよこしてくださいよ」
桃風香「……」
▶桃風香は柱の影でじっともみじを見ていますね
もみじ「で、そこのBBで見事に蛇翼食らってるやつと桃風香ちゃんはどうする?私と来る?」
棗「クソッ……。返し技がこれぐらいしかないくせに……。今回俺は、俺だけで旅をするつもりだ。ついて行く気はないさ」
もみじ「そう。じゃあ桃風香ちゃんは?」
桃風香「――このはちゃんやゆーが君達ともっと一緒に居たい」
桃風香「けど」
もみじ「けど?」
桃風香「何でお父さんとお母さんが居なくなっちゃったのか気になる!会えなくてもいいから、本当のことが知りたい!」
桃風香「――だから、師匠!これからも……、よろしくお願いします!」
桃風香「ボク、一生懸命やって、それで、強くなって、それで……、確かめたい!何があったのか」
もみじ「いいわよ。実力も申し分ないし、存分に仕事を間近で見るといいわ」
桃風香「――うん!!」
桃風香(……また会おうね、このはちゃん)
――朱鷺森市 萩野朱鷺森神社:祠 PM16:00――
幽雅「――――すいません。雪も降ってるのに神社の奥に呼び出すなんてしてしまって」
このは「呼んでくれたことが嬉しいから大丈夫です~。それで、今日はどうしたんですか?」
幽雅「もみじさんが今日、この街からいなくなっちゃいました……。桃風香ちゃんも……。もっというなら……棗さんに紺野先生、皐月さんもらしいです。僕の心の支えの人が今日3人、僕の目の前からいなくなっちゃったんです」
幽雅「このはさんは……、僕の前からいなくなったりしないですよね…………?」
このは「そんなこと……約束しますよ。絶対ゆーが君の傍にいますから」
幽雅「そうですか。来年から母がいなくなるらしいので、僕はこれ以上寂しい思いをすることはないんですね。ありがとうございます……。やっぱりこのはさんは優しいですね」
このは「だって、ゆーが君から離れるなんてきっとこのはの方が耐えられないから……。――え?お母さんが?」
幽雅「父が、母様は当分帰ってくることはないということらしくて。このはさんは、僕の隣にずっといてくださいね」
このは「ゆーが君がそう願ってくれるなら是非もないんですけど……。大丈夫なんですか?」
幽雅「父が大丈夫だと言っていたので……、大丈夫なんでしょう」
幽雅「――――今日は寒いですね。送りますから僕の家で温まってから帰ってください」
このは「ありがとうございます~。――うん、何があってもずっと一緒です」
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