S19.1 朱城凛空の初めての殺意 11月4日

――朱鷺森市 萩野朱鷺森神社:秘密の小部屋――


凛空「で、弥生ちゃん、このかっこいいんだけど絶妙にモテなさそうなお兄さんの何処をマッサージしたらいいんです……??」


彼岸「ううう……。ひ、酷い言われよう……」


弥生「さぁ……?こいつ元女のダメ喪女らしいから取り敢えず剥ぎ取って、全身マッサージしてやりなさい」


彼岸「なおのこと言い方が酷い……!」


凛空「まあいいです。ことりお兄さんのときで慣れました。早く脱いでください。防犯ブザー鳴らしますよ」


彼岸「えぇ……。ど、どこまで脱げば……?」


弥生「全部よ全部。胸だけ男のままでもいいんですけれど?」


彼岸「わ、分かりました……。すみませんがよろしくお願いします……」


▶彼岸は渋々全部脱ぎます。凛空は心底嫌そうな顔をします


凛空「はぁ。これがモテない身体ですか。粗末なもの見せつけないでください」


彼岸 「好きでこんな身体になったんじゃないんですけど……」


凛空「ことりお兄さんの方がかっこよかったなぁ……。――仕事ですし、選り好みはしてられないですよね。じゃあマッサージしますから、力抜いてくださいね」


▶凛空 治癒判定

 頭以外成功


凛空「ちょっと抵抗しないでください……!失敗してもしりませんよ?」


彼岸「て、抵抗したつもりはないんですが……」


凛空「身動ぎも一緒です!仰向けになってください」


▶凛空 治癒判定

 全て成功

▶凛空は時折身じろぎをする度、彼岸に肘打ちを入れて黙らせつつ、施術を終わらせました


凛空「ふぅ……。全身マッサージはやっぱりしんどいですね……。それにしても、女性でも結構イケメンな顔つきしてたんですね」


彼岸「まあ……、元からこんな……?いや、流石にこんな男顔ではなかったような……?」


弥生「イケメンなら男色も釣れるじゃない。よかったわね」


彼岸「まあ、男性より女性に告白された回数の方が多いですけどね……」


凛空「胸といい顔といい胸といい口といい……、いつまで見せびらかしてるんですか。そういう傲慢なところがモテないんです!まともに女学生歩んでたら脳みそ性欲で生きてるクソ女でもわかりますよ!早く服を着てください」


彼岸「ああ、すみません……」


▶彼岸はしょんぼりしながら服を着ます


凛空「お疲れ様でした。私の頑張った成果を見せれるのはうれしいですが、一歩間違えればセクハラ多いですね……」


彼岸「マッサージという肉体的接触を伴う業務ならある種避けられない問題ではないでしょうか」


凛空「もう諦めました。もう私のお世話にならないでくださいね」


彼岸「――普通のマッサージの客として、とかはダメでしょうか……?」


凛空「そういうところがキモいんです……。――残念ながらここでしかやってないですし、秋夜お兄さんにも内緒にしてるんです。隣は秋夜お兄さんのお部屋ですし、出ますよ」


彼岸「うーん、残念ですねえ。将来的にマッサージをやるのであれば通いたいぐらいでしたが……」


凛空「私には巫女のお役目がありますので。では、ご健勝のことで」

弥生「うーん……。男でも女でもダメオーラは隠せないのね……」


彼岸「――ダメオーラ……。何が駄目なんでしょうか……」


凛空「そういうところです」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る