S17 冬泉奉の抛つ願い 9月30日
************
奉よ奉。奉り。
絶望の川に全ての根源が未だ眠っている。
探し出せ。再び抛つ人が現れる前に
************
――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉――
もみじ「今日は電車でGO!が1プレイ10円だよ!!!今時タイトーの筐体なんてグルコスしかないとか言ったら私泣いちゃうぞ!!」
彼岸「インベーダーゲームは……」
もみじ「まあこの手のいつもの集客は夏水に任せるとして、はいしゅーごー!!」
夏水「えぇ……」
▶もみじはパンパンと手を叩いてみんなを集めるよ
プロティン「わんわん!!」
彼岸「今回はどのような案件でしょうか?」
このは「は~い」
桃風香「師匠ー!」
棗「例え世界から見放され寂寥の矢射られても~」
もみじ「胸に灯る情熱を探し出してもらいたいっていうのが今日の依頼よ。詳しい話は奉ちゃん頼んだ」
ことり「それってつまり恋では」
彼岸「あまりに抽象的過ぎません?」
棗「依頼だったら仕方ないな」
奉「すいません……。私から説明しますね。最近神様の巫女になったらしくて、お告げが聞こえてくるんです。それが、絶望の川を探して欲しいってものでして……。――私には何が何だかさっぱりで、毎日夢枕に立たれると寝心地も悪くって……」
彼岸「絶望の川……」
このは「絶望の川?聞いたことない……」
プロティン「絶望の川のコイか……、それは美味いのかい?」
奉「恋かどうかはわかりません……。お時間ある人は一緒に探してほしいんです。神様が1週間毎日言ってくるくらいなので、大事なことだとは思うので……」
桃風香「川かー……。じゃあ川沿いを歩いていけばきっと見つかるよね!」
棗「1つ積んでは誰のためだったか」
ことり「一枚足りないのは誰だっけ?」
棗「食パン?」
もみじ「父も皿もおそらく関係ないわよ。さー2人組作ってー」
プロティン「はーい!じゃあせんせっ!行こっか!!!」
棗「……っと、んじゃそうするか。今回は収穫があるといいが」
プロティン「そうだねーwまずは近場の公園からとかどうかなぁ?今度は何か居るかもしれないよぉ?w」
ことり「せっかくだし秋夜くん呼ぼうかなあ」
桃風香「んー誰と行こっかな……。あ、このはちゃん一緒に行く?」
このは「あ、前からゆーが君と会う約束はしてて、ついでだから手伝ってもらおうかと……、ごめんね」
北桃風香「そうなんだ!じゃあ行ってらっしゃい!――んー……、じゃあ師匠!行こう!」
もみじ「ごめんね……小学生よりぼっちの子を知ってるのよ……」
桃風香「そうなの?」
彼岸「ええっと……。もみじさん……、その……」
もみじ「まあこんな感じだから……。凛空ちゃん辺りはどうかしら?」
▶みんなは一様に電話をかけ始めます
このは「こんにちは、ゆーがくん。これこれこういうことらしいんだけど、よかったらついでに手伝ってほしいの」
ことり「……あ、もしもし秋夜くん。ちょっと今時間ある?ちょっと付き合ってほしいんだけど。――わかった、じゃあそっち行くね」
桃風香「りあちゃん、遊びに行こうー!……違った!依頼やろう!」
棗「しかし川か。……夏水は何かそういうオカルトを聞いた覚えなんかないか?」
夏水「ねえな。――こないだ湖でエロ本の悪霊ボコったけど関係ないだろ?」
棗「ないだろうな……。解決してるなら今更信託なんてしてこないだろうしな、――サンキュー」
プロティン「せんせー、絶望の川、だっけぇ?神様のいう事だから本当に水が流れる川かどうかさえ怪しいよー?昔あった川とかだったりするかもw」
夏水「役に立てなくてすまんな。どこぞのぼっちがぼっちだから俺は店番しとくわ。なんかあったら呼んでくれ」
棗「龍脈とかそういうのも線に入れとくか。ああ、ぼっちにはぼっちなりの使い方があるだろうし気にするな」
――朱鷺森市 朱鷺森公民館――
幽雅「それで、事情は飲み込みましたが……。イマイチさっぱりですね」
このは「そうなんだよね~。だから、遊ぶついでになんか見つかればそれでいいかな~って」
幽雅「ふふっ、このはさんも少しワルなんですね。ちょっと憧れます」
このは「えぇ!?そ、そんなことは……、だって、ねぇ……?」
幽雅「ワルですね……。じゃあ奉さんのお願いもちゃんと応えてあげましょうか」
▶秋月 世間話
成功
おばちゃん「最近ブラック企業で働きすぎてご近所さんの息子がニートになったんですって!SUMERAGIに行くと安泰っていう神話はもうないから!君たちはそうなっちゃダメよ~」
このは「う~ん……。ゆーが君は自分が働いてる姿とか、想像できる?」
幽雅「出来ますよ。社会の歯車になってやりがいもなく死んでいくものだと思ってましたから」
このは「そっか~、すごいね。このははさっぱり……。――あ!ゆーが君が隣にいてくれたらとは、その……」
幽雅「いいじゃないですか。今の僕の生きがいはこのはさんだけなんですから、ずっと僕の前にいてくださいね」
このは「えへ、えへへ……。はいっ!――あ~、そういえば……、昔ゲームの中に入って戦ったこともあったな~。あれどうなったんだろう」
幽雅「そうなんですか?ゲームの世界とか夢があっていいですね」
▶このははパソコンを人差し指でちょんちょんと叩いて、アイリスオンラインの公式サイトをググります。アイリスオンライン(IO)無印の公式サイトには、
『アイリスオンラインはご好評のうちにサービスを終了しました。続きはアイリスオンライン2でお楽しみください』
と書かれています
このは「自由に遊べたらもっとよかったんだけどね~、そうもいかなかったから」
▶このは ゲーム
失敗
▶アイリスオンラインⅡのログインの方法すらわからなかった。最近のゲームは難しい……
このは「ついでにちょっと覗ければと思ったんだけど……。うう、難しい。ゆーが君わかります?」
幽雅「僕はこういう機械は触る機会すらなくって……すいません」
――朱鷺森市 朱鷺森駅前――
もみじ「で、どうして駅前なのよ。水ないじゃない」
彼岸「そうは言いましても。――水のある場所なんて湖ぐらいじゃないですか」
▶彼岸 文化知識
失敗
彼岸「というか……、アテがなさ過ぎるんですよ。絶望の川と言われてもそうピンときませんし」
もみじ「お、おう……。一応調査して友達でも探してみたらいいんじゃないの?いつまでも親同伴みたいでなんか嫌なんだけど」
彼岸「署内の人間関係リセットされましたからね……。むしろ下手に知ってる分関わりにくいんですよ……」
もみじ「ダメ人間介護担当とか絶対嫌だからね。私はぼんやりご飯買っとくから頼んだ」
彼岸「頼まれました。――さて、どうしましょうか」
彼岸「絶望……、絶望か……。絶望と言われれば私の未来でしょうか……。全く新規の人間ですからね……、何処か遠いところへ引っ越して……」
彼岸「――――全く閃きませんね。この流れ……、またヘタレとかポンコツとか言われるパターンですよねこれ」
もみじ「うーんこの自称警察のポンコツゴミカス。しゃあないからこの後どうする?」
彼岸「墓地とか……?――いや、絶望っぽいじゃないですか」
もみじ「一応行ってみる?一応」
――朱鷺森市 朱鷺森小学校――
凛空「それにしても奉さんが神様の巫女さんですか……。――なんかまた置いてかれた感じします」
桃風香「凄いよねー、神様の巫女さんって何かするのかなー?」
凛空「想像もつきませんね……。調査、とっととしてしまいましょう。寝付き悪いのは女子の敵ですから」
桃風香「うん!じゃあまずは……、学校見て回ろう!」
▶北森 ローカル知識[フラット]
失敗
桃風香「がーん!何にもない……」
凛空「流石に川は学校にはないんじゃない……?」
桃風香「学校って7不思議があるって本に書いてあったから、ここの学校にもしかしたら……、って思って」
桃風香「むむむむー……!!」
凛空「まだ探してみる?」
桃風香「もうちょっと探してみよう!」
▶北森 啓示[フラット]
ファンブル[何もなし]
桃風香「あうっ!」
凛空「はー大丈夫??泣いてない?面倒ごとじゃないよね??なにもないところで転ぶとか逆に才能感じるよ?」
桃風香「大丈夫……。ちょっと考え事してた!」
凛空「もう……、気をつけてね。ほら次行こ!」
桃風香「よし、行こう!」
――朱鷺森市 萩野朱鷺森神社――
秋夜「す、すまん。きゅ、急にどうしたんだことりちゃん……」
ことり「なんか奉ちゃんが神様の巫女?になったらしくて、その神様が絶望の川を探せって言ってるらしいんだけど心当たりないかなーって」
秋夜「川……?この辺に川なんてなかったけどなぁ……」
ことり「うーん、だよねえ。じゃあ地道に探していこっか。お手伝い頼んでいい?」
秋夜「ああ。取り敢えず聞き込みかな?張り切ってやっていこうか」
ことり「うん」
▶ことり 世間話
失敗
▶ことり 世間話
失敗
おばちゃん「あんらまあまあ。ついに萩野さんところもガールフレンドがいるのねぇ!!んまぁ~かわいいお嬢さんだこと!!いいわねえ若いっておばちゃんも30年前はそりゃあもうイケメンを侍らしたものよぉ~パブで男を釣ってアッシーにしてねぇ~」
おばちゃん「あーそうだった。最近あったことでしょ??お隣のみちこさんがねー56にもなって30下の旦那さんもらったのよ!お金持ちのボンボンをどうやってたぶらかしたかしらないけどね、んまぁー旦那さんがブッサイクなのよブッサイク。あれは本当カネ目当てね!間違いないわ!おばちゃんの勘は当たるのよ!」
ことり「……あんまり情報得られなかったね。次どこ行こっか」
秋夜「ことりちゃんに任せるよ。俺は手伝うだけだから」
――朱鷺森市 朱鷺森商店街――
プロティン「デートと言えばやっぱり楽しいウインドウショッピングだよねぇwなにか面白いモノあるかなぁwどこから行こうかぁ!」
棗「いつにも増して気持ち悪いなお前は。しかし川か」
プロティン 「ハッハーwでもさー、どこにあるかもわからないものを探して適当に散策ってさぁw実質デートみたいなものじゃなぁい?wだったら楽しく考えれる方に受け止め方をシフトしたほうが絶対いいじゃないかぁw」
▶棗 文化知識
失敗
▶プロティン ローカル知識
失敗
▶チョコレートラーメンが売りのお店を発見した!
棗「男同士でのデートなんて気色悪いことを言うな。仕事なんだからちゃんと探そうとはしてくれ」
プロティン「見つけた!せんせっ!ほらあそこ!」
棗「そうか……、勝手に行ってていいぞ」
プロティン「なんでさぁw絶対今しか食べれないよきっとぉw後悔するよぉ?wそうか!絶望の川ってことはさー!絶望の念が集まるところって意味じゃないかな!だったら食べてがっかりって念が集まってるかもしれないよぉw」
棗「――絶望か。死や恐怖という感情で起きると考えれば病院か墓地か……。単純すぎるか。……考えるより自分の目で確認した方が確実か。となるとここに用はないな」
プロティン「う~ん?せんせっ!病院はともかくさ、墓地は死んだ現場でもないしさ、骨が埋まってるってだけじゃないの?だったらあんまり関係ないんじゃないかなぁw」
プロティン「あー!まってまって!もうちょっとまってよぉ、ほら!調査の基本は??」
棗「お前が言ったんじゃないか……、絶望の念が集まると。死んだ人間がみな安らかに死んだとは俺は思わないタイプなんだ」
プロティン「まぁまぁ、せっかく来たんだし、もう少しだけここで出来ることをやっていこうよぉw調査の基本は聞き込みだよ!」
棗「じゃあお前はここを頼むな」
――朱鷺森市 墓地――
彼岸「もう駄目だ……。このまま何一つ役に立てずに終わるんだ……」
▶彼岸 観察力
成功
▶『椿睦月』『椿如月』の墓を見つけました
彼岸 「おや……、見覚えのある感じのお名前が」
もみじ「墓なんて見てどうしたのよ。エンディングノート書くには早いわよ」
彼岸「生きてる間に墓を買うと縁起が良いとかなんとか……。違いましたっけ」
もみじ「そこまで老けてないわよ……。――皐月のご先祖様ね。卯月ちゃんと弥生ちゃんはここにいるからそりゃお墓にもないわね」
彼岸「一応私の家族のお墓もここにあるんですよね……。まあ、今回はお参りする気分にもなれませんけど。家族が今の私を見たら驚きますよ」
もみじ「凛空ちゃんにお願いしたら戻れるわよ。男で生きていってもいいんだけどね」
彼岸「全部が終わったら、そうさせて貰います。――もし元に戻れなかったらもみじさんに責任を取って貰いましょうか……?」
もみじ「知らないわよ。その時は早めに治さない自分を呪いなさいな。私には何もできないゴミを養ってあげる必要はないわ」
▶彼岸 第六感
失敗
彼岸 「もう今日は駄目な気がしてきました……。酷い目に遭う前に喫茶店に戻って皆を待ってましょうか……」
もみじ「うーんこのポンコツ」
――朱鷺森市 アンティークショップ「稗の銀時計」――
皐月「いらっしゃい。子供のデートスポットにするには古臭いわよここ」
このは「そんなに目的を持って歩いてたわけじゃ……。素敵な物がいっぱいあるな~とは思うけど」
幽雅「僕はこういうの好きですよ。人に大事にされてきたんだなってわかってもらえるのって、いいじゃないですか」
このは「ふふっ。古くなるまで、大事にしてね」
幽雅「このはさんは男の人を誘惑する天才なのかもしれませんね。僕じゃなければ一言で恋に落ちてましたよ」
このは「こんなこと、ゆーが君にしか言えないから……!ゆーが君だから言うんだよ?」
幽雅「冗談がお上手ですね。僕はそんな大切なアンティークではないですので」
皐月「イチャつくなら店の外で頼むわ……」
このは「冗談だなんて流さないで。このはにとってゆーが君は大切な大切な宝物だよ」
幽雅「憧れの人にそんなこと言ってもらえるなんて僕は幸せ者ですね。ありがとうございます」
このは「もちろん、アンティークとは言えないけど……ね、それはこれから時間を重ねていくんだよ。重ねていけたら、いいなぁ……」
幽雅「そうなれると、うれしいですね。奉さんのお願い事、やっておきましょうか」
このは「うん、そうだね……ふぅ」
皐月「店をダシにして延々イッチャイチャイチャイチャするの勘弁してくんないかしら……」
――朱鷺森市 萩野朱鷺森神社――
桃風香「ここならきっと何かあるよね!」
▶北森 オカルト知識
失敗
凛空「その辺は毎日私が掃除してますよ……?」
桃風香「そ、そっか……。えへへ」
▶北森 ナビゲート
失敗
桃風香「何にもなかった…」
桃風香「ごめんね凛空ちゃん、折角手伝ってもらったのに……」
凛空「元気出して……。これ落ちてたからあげます」
▶凛空は、高速回復薬を手渡します
桃風香「うん……。ありがと」
――朱鷺森市 朱鷺森駅前――
ことり「この辺で川って言ってもわかんないし、何かの比喩かなって。線路とか電車の流れる川って感じしない?」
秋夜「駅前か。水気も何もないとこに来ちゃったな。今度白川郷でも行かないか?2人で」
ことり「白川郷かー、いいね、今度行こう」
秋夜「ああ。その前にやることやっておかないとな」
ことり「そうだね」
▶綾瀬 観察力
成功
▶ふらふらと、顔に生気のないリーマンが駅に吸い込まれていく。朝というのもあり、駅前にスーツ姿の人間がごった返し、それはまるで黒い川のように見えます
ことり「ねえねえ、あれってなんていうか、黒い川みたいじゃない?」
秋夜「あ、あぁ……。確かに、言われてみれば朝早くから猫背で出勤する人がうようよいたら川っぽい……、な。ブラックなら絶望でも間違いないし……」
ことり「ちょっと気になるし、見てきていい?」
秋夜「危ないかもしれないから俺もついていくよ。俺から離れるなよ」
綾瀬「わかった」
▶綾瀬 観察力
成功
▶電車に乗るわけでもなく、リーマンが群がるホームの一番上に、赤黒く濁った色をした悪鬼が見えます。駅のホーム上なので、突入する時は飛び込みみたいになりそうですね
ことり「うっわ……、なんかある……」
秋夜「うっわ……色やべえ……。っていうか線路の上じゃん浮いてるの……」
ことり「これあれよね、皆集まってからのほうがいいよね……。あ、でもあそこ飛び込むのに皆でってのもまずいかな……」
秋夜「まあそれは仕方ないだろ……。2人だと青ならともかく赤は自殺と変わらん……」
ことり「まあそうだよね……。とりあえず皆に知らせよっか……」
――朱鷺森市 空き地――
プロティン 「チョコレートラーメンについては皆目を反らして言葉を詰まらせていたよぉ、やっぱり気になるよねぇwで?なんでまたこんな人気も無ければ何もないようなところにぃ?」
棗「墓地に向かう予定の奴がいるらしいから、あっちは任せることにして俺達は反対側を探してみようと思ってな」
棗「一応ここも悪鬼があったところでな。念のため調べておこう」
プロティン「せんせぇー、空き地ってなにも無いから空き地なんだよぉ?調べるたって何を調べるのさぁw」
棗「人の話を聞いていたのか……?澱みや歪みがあるかもしれないから念のため探しておくと言ったんだ」
プロティン「おーけー!わかった、それじゃあ私は先生の後ろ側を調べておこう!」
棗「何もないならそれはそれでいいわけだしな。誰かしらはヒントを見つけてるかもしれないが」
プロティン「まぁ、じゃあ!早速調べようか!」
棗「ここは何もなさそうか。✗っと」
プロティン「終了だねぇwみんなの連絡を待とうかw」
――朱鷺森市 朱鷺森駅前――
桃風香「駅だったんだー!」
彼岸 「結局駅じゃないですかァーッ!」
▶彼岸は膝をがっくりと落としています
もみじ「m9^Д^)m9^Д^)m9^Д^)ジェトストリームプギャー」
棗「何かと縁があるなここは。狭い町だからか」
プロティン「絶望の川……、ねぇ?なんでだい?w」
秋夜「リーマンの墓場らしいからっぽいっすよ」
棗「社畜の姿を川に例えたわけだ」
幽雅「それで……、やっぱり線路に飛び込むのは目立ちますよね」
ことり「だよねえ……」
このは「そもそもなかなか勇気が……」
彼岸「一回来ておいてこれは……。凄い……、凄い情けないですよこれ……!」
ことり「ここはやっぱ誰かが周りの気を引くしかないんじゃない?」
もみじ「うむ。じゃあこのぼっち見た目だけはいいから彼女の取り合いをする感じで」
棗「鬼かよ」
彼岸「悪魔ですか」
ことり「えぇ……」
もみじ「ここに、男装させた夏水を呼ぶ。んで、ネコっぽい秋夜くんを取り合う感じで大声で騒げば周囲の目も向けるんじゃない?」
棗「人の心がこいつにはない」
ことり「えぇ……」
秋夜「えぇ……」
彼岸「えぇ……。せめてこの身体じゃなければいいんですけど……」
このは「ええと……、よくわからないけど、頑張って?」
プロティン「ハッハーwとにかく叫べばそれっぽくなるさーw頑張ってぇ!」
ことり 「えっと、頑張って秋夜くん……」
彼岸「秋夜さん……、巻き込んでしまって本当に申し訳ありません……」
桃風香「がんばれー!」
彼岸「とりあえず突入はいつでもできるようにしておきましょうか……」
棗「とりあえず物陰に」
プロティン 「せんせーの隣にぃw」
▶急に呼ばれた夏水は凄い顔をしています
夏水「ナンパする側になるとは思わなかったな……」
彼岸「いいじゃないですか…今の私と違ってちゃんと女性なんですから……。私なんて……、私なんてっ……!」
棗「それじゃ、なんだ……。武運を」
夏水「じゃあ始めるからな。後で謝るから」
――朱鷺森市 朱鷺森駅:ホーム――
夏水「おい!秋夜!もっとこっち来いよ!腕組めないだろ」
秋夜「え、あのえっと……。む、胸がですね……」
夏水(コイツ本当に彼女持ちかよ……)
夏水「じゃあやるからな……。――おい!!俺の男に何目ェつけてんだよニーちゃん?あぁ??」
彼岸「おい秋夜、オレに内緒でこんな奴の相手をしてたのか?」
▶夏水は秋夜の腕を引き寄せるように掴みます。よくよく見ると唇を引き締めてイケメンっぽく見せようとしているのがわかります
秋夜「え、!?えぇ……!??!?お、俺は夏水さんのほうが……」
夏水「ふ、ふふ……。――――ほ、ほら見たことか!秋夜は俺のモノなんだよ!後から来た野郎がしゃしゃり出てんじゃねーぞ!!」
棗「ぶふっ!っ、ふふ……っ」
もみじ「う、うわ……何アレ……?男同士で喧嘩してる……?」
▶もみじがやたら大きな声で耽美を感じている顔で大袈裟にリアクションを取ります。サラリーマンの人たちがなんだなんだと目を向けてますね
彼岸「あぁ……!?良いのか?お前の恥ずかしい写真もあるんだぞ?本当に俺のところじゃなくていいのか?」
秋夜「え、あ、あの時のですか……!?ゆ、許してください……」
おっさん「なんだなんだ」
おじさん「脅迫か?」
もみじ「今がチャンスよ。行って!!」
棗「むしろこれ以上いられるかこの場にっ」
プロティン「1番ホームから電車に参りまーっす!!」
ことり 「え、えっと……、い、いざ9と3/4番線へ!」
このは「お、お~?」
桃風香「えいっ!」
夏水「ほうほう。あの時俺と2人で……、6時間一緒だったあの日のことも忘れたのか……??」
彼岸「ふん……。なんなら二人纏めて相手してやろうか……?」
夏水「は?お前を蹴落としてやるよ!!」
彼岸「ぐっ……、何を……!?」
秋夜「な、夏水サン!????」
▶揉み合うふりをしつつ2人共ホームに落ちます
秋夜「あわわわわ……」
おじさん「男が2人落ちたぞ!!電車を止めろ!」
おっさん「あー遅刻じゃんどうしてくれんだよ」
もみじ「秋夜くんのわたわた写真集やらゲームのことをよくもまあ……」
幽雅「人のこと言えるんですか……?」
――春の祭り――
▶中に入るとベルトコンベアのある工場のような場所ですね。魔女服にムチに仮面の怪しい人が黒い影のようなものをビシバシ叩いています
棗「っと、お待ちかねか」
▶棗 妖怪知識で判定
成功
▶ザキタミの魔女 ポイゾニック・フィールド(補助。全体を同じ位置に集め、毒7d8)猛獣の連撃(補助。通常攻撃3回)
通常攻撃
▶桃風香このはプロティン 回避判定
成功
失敗
放棄 32ダメージ
[このは:例大祭カタログ]
▶鞭をバチンと叩くと床がベルトコンベアのようになり、一箇所に集めたところで、危ない色をしたスチームを噴霧し、更に機械が熱々の鉄板で叩きつけてきます
棗「前はやらかしちまったからな……。今回は確実に行かせてもらうぜ」
プロティン「便利なスキルだなぁ!!」
このは「備えあれば憂いなし。ってね」
ザキタミの魔女「遅刻厳禁!全員集合!!懲罰者は給料を差し引かせてもらう!」
ことり「はい!」
プロティン「ォっふぅ……!いいパンチだぁ……!」
▶このは 霧雨
▶プロティン ポーション 防壁
▶桃風香 通常攻撃[狙撃]
成功 60ダメージ
▶ことり プリンターガン
14ダメージ
▶可愛く決めポーズを取ろうとしますが、床が動くのでコケたりしています
このは「弱点を突くのは大切だよね、これで……」
プロティン「そうだ!この力が今一番欲しい!ナウい!」
このは『霧の雨全てのものを包みこみ貫く想いは力に変わる』
プロテイン「立ち上がる戦士には風が吹く!大地が抱く事を拒む旋風が!英傑達の纏いし不可視の衣をその身に召されよ!成せ!『スカーシッペ』!!!」
桃風香「落ち着いて……」
綾瀬「バーン!」
夏水「おっと……これで俺の役目終了だな。戦闘は任せて先に戻ってるぜ。駅員に記憶処理もしないといけねえし」
▶夏水と彼岸が中央に落ちてきますが、そのまま帰っていきました
彼岸「このやり場の無い憤り……、晴らさせて貰いますよ!」
▶彼岸 下着 剛招ビート 通常攻撃
失敗
▶棗 通常攻撃
成功 66ダメージ
▶彼岸 剛招ビート 通常攻撃
失敗
▶周りのことを何も考えていない鉄山靠の上から仮面の本体を撃ち貫くよ
彼岸「今日という今日は本気で苛立ってますからね!」
棗「すげぇ鬱憤晴らしだな。だが有効に活用させてもらう!」
彼岸「これぞ鏡崎流武術の真骨頂、らしいですよ!」
▶ザキタミの魔女 ポイゾニック・フィールド 猛獣の連撃
通常攻撃
▶彼岸 回避判定
[カウンター[当て身投げ]]
成功 96ダメージ
▶魔女はもう一度集めて同じように鉄板を当てようとしますが、鞭を弾いて仮面に踵落としを決めます
彼岸「この刀の錆にしてあげましょう!でやぁぁぁぁぁっ…………!」
ザキタミの魔女「わ、私が死んでも第二第三のブラックが……。グワァァァァ」
棗「あの刀……。いや、まさかな」
▶空間の暗闇が晴れ、透き通るような青空と、遠くに駅のホームが見えます
プロテイン 「ハッハーw気分がいいぐらいの猛攻だ!おかげで少し拍子抜けだけどねw帰ろうか!」
桃風香「今日は怪我した人も少なかったし良かったね!」
棗「今日は楽に済んだな。案外そっちの方が様になってるってのは、あんたからしたら複雑なんだろうけどな」
彼岸「この姿のままだと色々と支障はあるんですけれどね……。銭湯とか、恋愛とか……」
棗「まぁ、いつか戻れるさ。そこは保障してやるよ」
このは「じゃあかえろっか~」
彼岸「――――さて、空間圧縮に巻き込まれる前に撤収しましょう」
――朱鷺森市 朱鷺森駅前――
秋夜「うぅ……。俺は……、どっちの人を選べば良いんだ……」
▶秋夜はがっくりと膝を落としています
夏水「あんな野郎より俺を選んでしまえばいいんだよ。あんなヤツ忘れてさ」
彼岸「いやいや、もう終わりましたからね?」
棗「ひくわーもみじさんひくわー」
もみじ「ま、記憶処理もしやすかったし大正解でしょ。結果的に電車も止まってないし」
ことり「ほら起きて、私を選んだんでしょ」
秋夜「こ、ことりちゃん!」
プロテイン「せ、先生!」
▶膝立ちのままことりちゃんの腰に抱きつきます。プロティンもキラキラとした笑顔で棗に両手を広げて抱きつかれにいくよ
棗「側頭蹴り」
プロテイン「ヴッ」
警察「すみません警察のものですが…………この辺りで110番があったんですが、お話よろしいですか?」
おじさん「え……?あ、はい」
もみじ「総員退却!!!」
秋夜「ことりちゃん、今のうちに逃げるよ!!」
ことり「うん!」
幽雅「撤収!撤収です……!」
棗「っと、ずらかるぞプロティン」
プロテイン「アッ……ちょっと足元が……フラフラして!!まってよぉw」
おじさん「あ、あの人ですよ!」
▶おじさんは逃げ遅れた彼岸を指差します
警察「またあなたですか……」
彼岸「う……、上と話はついてるので……!」
警察「取り敢えず署の方でお聞かせ願います。――いいですね?」
彼岸「ぐっ……。また始末書が……報告書も書かなきゃ……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます