S13 椿弥生の爾今生涯 7月29日

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俺は、私は、僕は、――――空を見上げそれを見た。

空から無数の目のような空間の裂け目が空いているのを。

その光景は、まるで今生きているという実感が、不思議さが、何も出来なさが

どれも時間を通して、死の概念を垣間見た気がしたから。

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――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM17:00――


もみじ「というわけで、今回のご依頼は憎き皐月からよ。どうやら椿の家には時のクリスタルというのがあるらしいの。それを知っている人からの予告状が来たわ。家宝みたいなもので、知ってるだけで怪しいから警護についてほしいとのことよ」


彼岸「……時のクリスタル?」

桔梗「石……ですか。前の、私が巻き込まれた時のようなことを想定した方がいいんでしょうね」

彼岸「巻き込まれた?――すみません、私の知らないところでその時のクリスタル関連で何かあったということでしょうか?」


もみじ「そうね。警備員じゃなくてこっちをご指名ってことはそういうことなんでしょう。犯人探しのついでに時のクリスタルについても調べるのが依頼よ」


このは「皐月さんのものなのに、あんまりわかってないんですか?」


もみじ「家のものだからでしょうね。あいつ、あれでも昔は結構やんちゃしてたから」


桔梗「次は大丈夫です。持つものは変わりましたが、やってみせます」


もみじ「ええ。残りの人間は既に会場にいるわ。頼んだわよ」


――朱鷺森市 椿領私有地内:広場 PM17:00――


皐月「――というわけだ。ま、それを含めても屋台設営を手伝ってくれると嬉しいかな。例年知り合いしか屋台出せないせいで器具はあっても屋台は少ないのよ」


桃風香「はーい!頑張ります!」

棗「へいへい」


夏水「ちゃんと返事くらいしろよなー。ほら行くぞ」


プロティン「ハッハーwそんなお手伝いに私を呼んだのは大正解だねぇwお祭りごとと言えば私!お祭り男のこの私!!」

棗「どうもあの家系の人間とはな。まあいいさ」


幽雅「では、準備しましょうか。Pさん、このテント建ててくれませんか?」


プロティン「ところでぇ?私たちはどんな屋台を出すんだぁい?夜の魅惑を詰め込んだ魅惑のスイーチョコバナナかなぁ?それとも水が掛かかるほど活きのいい金魚すくいかなぁ??なんだっていいさぁwお任せだぁw」


――朱鷺森市 椿領私有地内:「納涼夏祭り」会場 PM19:00――


秋夜「毎年この時期になると、椿さんのところで夜店がそこかしこで出るんだ。ことりちゃんと来れて嬉しいよ」


ことり「こっちこそ、誘ってくれてありがとう」


秋夜「取り敢えず、何処行こうか?目玉は皐月さんの舞踏会らしい。毎年凝ってるんだよな」


ことり「うーん、やっぱ目玉は最後にとっておいて、とりあえず色々見て回ろっか」


秋夜「おう。そうだな」


▶彼岸 信用

 失敗

▶桔梗 第六感

 成功

▶秋月 世間話

 失敗


おばさま「クリスタル……ですか?いえ、四季華族は存じてますがそういうのは知りませんね……。すみません」


彼岸「う……そ、そうですか……」


爺さん「お嬢ちゃん。椿夜祭りは初めてかい?オススメはやはり舞踏会じゃぞ。舞踏会は華々しく女の子がパートナーと踊る目玉じゃ。彼氏と行くのじゃなぁフォーフォフォ」


桔梗「舞踏会ですか……。彼氏はいないですけど、一緒に行きたい人ならいるんですよねぇ。はぁ……」


爺さん「これを機会に誘うのじゃぞフォーフォフォ」


彼岸「彼氏……ううっ、頭が……」


飄々とした爺さん「お嬢ちゃんは椿夜祭りの歴史に興味あるのかい?それなら私などではなく、使用人に聞いてみるとええ」


このは「は~い。それで、使用人っていうのはどの方でしょ~?」


飄々とした爺さん「舞踏会の入り口にエプロンをした人がいるじゃろ?ああいう人達に聞くとええぞ」


このは「わかりました、ありがとうございます~」


▶棗 世間話

 成功

▶棗はイカ焼きの屋台をやりながら雑談をしていますね


若い女の子「宝石……ですか?最近宝石店のラインナップが当たりで嬉しいんですよ。確か椿様系列のお店でしたよね?」


棗「へえ、あの人はそんなこともやってたんだな。ありがとなお嬢さん、イカ焼き少し大きめのサービスだ。ちなみにどんな宝石が出てるんだい?」


若い女の子「ナンパですかぁ~?私年上はちょっとー。稗の銀時計ってお店ですよ。他の女の子にプレゼントしてあげて」


棗「ははは、そりゃ残念だ。またよろしくなー」


▶プロティン 武器心得

 失敗

▶プロティンはもみじとお好み焼きの屋台をやっていますね


プロティン「オーナーもみじぃ!見ておくれよ!大したものだろう!この鉄板に油を塗りたくるこの手つき!いかにも本場のお好み焼き職人だぁ!それじゃあそろそろ!みんなが期待してるようなとんでもないお好み焼き!焼いていこうかぁ!」


もみじ「はよ焼け筋肉。そこそこ人が賑わってるのよ。儲け時だぞ!口だけじゃなくて手も動かさんかい!!」


若い男「おい!お好み焼きはまだか!見た目だけかー!」


プロティン「ハッハー!焦りさんな!ほぉら!できたぞぉ!見た目はアレかもしだけどぉw味は大丈夫なはずさぁw」


▶ひっくり返すのに失敗してもんじゃ焼きに似てしまった物体を男に詰めます


若い男「はぁ……。見た目だけの木偶かよ。なんだこれ……?お好み……焼き?」


▶北森 自炊

 成功

▶桃風香は幽雅と一緒にかき氷屋をしています。客も代役だと思っているようで気にしている様子はなさそうです


桃風香「ゆーが君……。この前はごめんね」


幽雅「何がかな?それよりかき氷作ってくれないかな。ちょっと足りてなくって」


桃風香「あ……うん!」


優美なおばさま「あらかわいい。椿さんのところも安泰ねぇ。最近小さい子をよく見るわ」


桃風香「えへへ、ありがとうございます!」


優美なおばさま「あなた達で4人目だわ。いつから椿さんはそんなに遠縁の子がいたのかしら」


桃風香「……4人?」


――朱鷺森市 椿領私有地内:「納涼夏祭り」会場 PM19:20――


ことり「あら真貴さん、こんばんは」


秋夜「なんだその口調……」


棗「ん?おー綾瀬ちゃんと萩野じゃないか。デートかい?」


秋夜「そんなところです。オススメとかないですか?」


ことり「えー、『あら』って結構使わない……?『あれ』くらいのニュアンスで……」

棗「おススメか。とりあえず1つ先にあるお好み焼きを買うのは止めとけ。――もみじさんに用があるなら別だがな……。ウチでいいならいいイカ焼きがあるそうだがどうだ?」


秋夜「そうか……?玲海はともかくことりちゃんは使うイメージなかったけどなぁ。もみじさんそんな料理出来ないのか……」


棗「いや……、オーナーに付いてるやつが問題でな……」


ことり「あっ、あー……」

ことり「えーっと、じゃあイカ焼き一つずつください」


棗「あいよ。夏水、お代貰っといてくれ」

夏水「あいよー。人使いが荒いことで」

棗「それと萩野」


秋夜「ウッス」


棗「稗の銀時計って店でいい宝石が売ってるらしい。椿のとこの店だろうから質は確かだろう。女の子へのプレゼントにいいって評判らしいぞ、頑張るんだな」


秋夜「ウィッス……きついなぁ」


棗「はいよイカ焼き2つ。綾瀬ちゃんの分も出させてくださいとはすっかり彼氏だな」


ことり「えっほんとに?いいの?」


秋夜「あ、ああ……」


ことり「真貴さん夏水さん、屋台頑張ってください!それじゃあ次行こっか」


▶ことりは手を絡めるように握って引っ張るよ


秋夜「あ、あぁ……い、……行こうか。うん、行こう」


棗「おう、また寄ってくれ」


▶彼岸 捜査

 成功

▶屋敷の周りでメイドがあたふたしているのを目撃します


彼岸「おや、何かトラブルでもあったんでしょうか……?」


メイド「申し訳ありません。警察のお方ですか?すいませんがこちらに来てください……」


▶メイドはちらりと腕章を見ると、おずおずと案内してくるよ


――朱鷺森市 椿屋敷:詰所 PM19:30――


メイド「ご足労いただきありがとうございます。それでですが……申し訳ありません。うちの所蔵しているドレスが数着盗まれたみたいなのです」


彼岸「窃盗ですか……」


メイド「どうやら……。それに、こんなものが」


▶メイドさんは、『2016年に存在するものは頂いた』と書かれたメッセージカードを渡してきます


彼岸「?……意味が分かりませんね」


メイド「でしょう?なので、警察でもみじさんの手下のあなた様に頼れとお嬢様が」


彼岸「頼られるのは嬉しいですが……。2016年に存在するもの……、ううん……。――とりあえず、これは預からせていただきます。今調べてる案件にも関係が……、あるかもしれないので」


▶桔梗 歴史知識

 成功


飄々とした爺さん「おんや?お嬢さん、まだ誘えてないのかい?ならジジイの昔話でも聞くか?」


桔梗「ライバルに先を越されてしまったので……。――それじゃあ聞かせてもらえませんか?」


飄々とした爺さん「そうかい。椿の家にはそりゃあとても綺麗なお嬢さんがいたんだよ。弥生って子での。それはそれは神社の神主の奴や暑苦しい筋肉と取り合いをしたくらいでな」

飄々とした爺さん「だがな、ある時弥生ちゃんは何処かに姿を消してしまったんじゃ。まるで霞のようにのう……」


桔梗 「姿を消した……、ですか。どんな人だったんですか?」


飄々とした爺さん「それはそれは綺麗だった。アイドルと変わらんくらいにな。

――先に見かけた小さい子がまるで弥生ちゃんに生き写しのようでなぁ……。懐かしくなったんだわ。恋は奪い取ったもの勝ちだぞ。儂は負けてしまったがな……」


桔梗「さっき見かけたんですか?参考までにどんな髪色だったか聞いてもいいでしょうか?」


飄々とした爺さん「それは綺麗な黒髪でな。昔も今も見れるものではないわ。見ればわかる。お嬢さんも、舞踏会までには相手見つけるんだぞ」


▶おじいさんは烟草を胸ポケットから取り出し、去っていきました


桔梗「ありがとうございます。相手も……、がんばり、ます……」


▶秋月 質問

 ファンブル[狂気表:変態化]


メイド「どうなさいましたか?お嬢ちゃん?」


このは「あ、え~と……このお洋服かわいいですね~」


▶このははメイドのスカートをピラッとめくって確認します


メイド「あら?あらあら??女の子がそんなはしたない真似しちゃダメよ」


このは「はっ!?このははなにを……ごめんなさい」


メイド「ふふ。やるなら愛しの人に、ね」


▶桃風香 修理

 ファンブル[何もなし]


桃風香 「ゆーが君、そこの工具取ってくれる?」


幽雅「助かるよ。僕は店番しているから、お願いできる?」


桃風香「うん。――あとね、さっきのはこの前一緒に遊んだ時に、ゆーが君に嫌な話しちゃったみたいだから、その事で……ごめんね」


幽雅「僕は女の子をかしずかせて悦に浸る趣味はないよ。それは英雄っぽくないからね」


▶プロティン 剛力

 成功


プロティン「ハッハー!オーナーもみじぃ!見てくれてたかなぁ??私の巧みなヘラ捌き!この調子でジャン!ジャン!皆に満腹の喜びを与えよう!」


もみじ「まずちゃんと料理してよね……」


プロティン「OK!OK!任せておくれよ!こう見えても、この前の海の家で夏水ガールにはキャベツを切る作業を任されていたんだよぉ??見ててくれたまえよぉw」


おばさま「あらあら。料理は初めてなんですの?」


プロティン「これはこれは!お美しい奥様!この完璧な『にゃんっ☆』の手がお料理初心者に見えますかぁ??そう!その通り!素晴らしい目利きですねぇw」


おばさま「ふふ……初々しくてよいですわね。精進しなさいな」


▶棗 観察力

 失敗


爺さん「何をキョロキョロしておるんだ?若人よ」


棗「っと、失礼。今日は結構人がいるもんで、どこの店が繁盛してるのかなんて気になっちゃいまして。イカ焼きお1つどうです?」


爺さん「もちろんそのつもりだ。1つもらえるか?」


棗「まいど!」


――朱鷺森市 椿領私有地内:「納涼夏祭り」会場 PM19:40――


ことり「そういえば舞踏会って言ってたけど、やっぱり招待状とか必要なのかな」


秋夜「いや、申し込みをすれば誰でも踊れるんだ。ことりちゃん、俺と一緒に踊らない?」


ことり「へー、そうなのね。――喜んでお受けします」


秋夜「それまでは夜店回ってようか。全部俺が出すよ」


ことり「うん、そうだね。……待って待ってそれは流石に悪い!」


秋夜「気にしないでくれよ。どれもこれもリードされるのは俺がちょっとつらい」


ことり「うーん、じゃあ全部じゃなくて1個だけ、1個だけお願い」


秋夜「お、おう……。ことりちゃんがそれでいいなら。それでいいよ。何がほしい?」


ことり「わたあめ!さっきから気になってたんだ!」


秋夜「ああ。一緒に行こうか」

ことり「うん」


▶綾瀬 闇目

 成功

▶物陰で泣いてる小さい女の子を見つけます


ことり「ん?秋夜くんあっち……、女の子が泣いてるみたい」


秋夜「お?行ってみるか」

ことり「うん」


ロリ「うわああああん」


ことり「どうしたの?大丈夫?」


ロリ「わたくしの知ってるお屋敷だけどわたくしの知ってるお屋敷じゃないいいいいいい」


秋夜「お、おう……?」

ことり「え、ええと、とりあえずお名前聞いてもいいかな。私はことり」


ロリ「私?私は四季。萩野、四季。お友達に会いに来たら誰も知ってる人がいないの」


秋夜「……んんん?」

綾瀬「ん?萩野?」


秋夜「母親の名前じゃん……。ま、まあ偶然だろ……。偶然だよな……」

秋夜「――俺は萩野秋夜。名字が一緒なんて珍しいな」


四季「お友達の卯月もいないの。一緒に探してくれない?」


綾瀬「うん、わかった、一緒に探そう。――って言っちゃったけどいいかな」

秋夜「ま、まあ良いんじゃないか?迷子はほっとけないしな」


四季「ありがとうお姉ちゃん」


▶彼岸 化学

 成功


彼岸「この字……、随分と古いようですね。おおよそ……50年程前でしょうか?――50年も前から2016年の服を盗んだ?未来から盗んだとでも?」

彼岸「時のクリスタルというからには、関係がありそうですね。――時を越えるような目には遭いたくありませんけど……」


▶桔梗 歌唱

 成功

▶今どきのJPOPをまあJKにしては上手なのでは?程度の腕前で歌い、即興のコンサートのようになり、おひねりと客をそれなりに獲得します。が、しきりに周りを見渡し首を傾げる、綺麗な黒髪の幼女を見かけます


桔梗「もしかして、あの子がさっきの話の……。ねえ、ちょっといいかな?」


黒髪女の子「なんですか……?」


桔梗「今ちょっとお友達の探しものをしてるの。水晶みたいなキラキラした石らしいんだけど……何か知らない?」


黒髪女の子「――何処でそれを知ったの?それは椿の家のものよ」


桔梗「そうなの?私あまり詳しく教えてもらっていないから……。けど手元にないと困るーって言ってたの」


黒髪女の子「はぁ……、私が持っているに決まってるじゃない。私が次の領主なのよ?」


桔梗「そうだったのね。私最近越してきたばかりだから……。それじゃあ似たような何かなのかもしれないね。ありがとう」


黒髪女の子「いいってことよ。それじゃあね」


▶幼女は髪の毛をさらさらっと払って会釈をし、またきょろきょろとし始めます


▶桔梗 尾行

 成功

▶こっそり後をつけた桔梗は、件の少女が屋敷の入り口でメイドに追い返されているのを見ました


黒髪女の子「どうしてよ!私、椿弥生つばき やよいよ?ここの領主!!――通してもらってもいいんじゃないの?」


メイド「と言われてもねえ……。弥生様はもうとっくに亡くなってますよ」


黒髪女の子「そんなわけないわ!私は今ここにいるわ!!」


メイド「って言われても……」


黒髪女の子「それなら、これ!!これを見たら私が椿の人ってわかるでしょ!」


▶といって弥生?は紫色の水晶のような丸い玉を取り出します


メイド「さぁ……?綺麗な石ですね。何処で拾ったんですか?」


黒髪女の子「そ、そんな……これを見ても何かわからないなんて……」


▶しょぼんと肩を落として、他のメイドに紫色の丸い玉を見せたり、屋敷の周りをキョロキョロと何か探し始めます


桔梗「やっぱりあの子怪しい……。今回の件に何かあるはず」


▶このは 質問

 成功


メイド「どうしたの?迷子?」


このは「いえ、このお祭りがどういうものなのかちょっと気になりまして~」


▶このはは正面からメイドさんに抱き着くよ


メイド「あらあら……。やっぱり迷子じゃない。お名前は?」


このは「えぇ!?ち、違います!えっとそう、調べものを頼まれてて……」


▶ぎゅっと抱きつく力を強くして、顔を埋めます


メイド「甘えたくなっちゃったんだ……?抱きついてていいわよ」


▶棗 銃知識

 ファンブル[生命15ダメージ]

▶射的をやっていると、きちんと撃てずそのままバランスを崩して屋台の柱に頭をぶつけて背中からコケるよ


棗「――まだ前の感覚でやろうとしてるな……反省だ」


屋台の人「大丈夫か兄ちゃん。ほら、立てるか?」


▶北森 フェイク

▶舞踏会用のドレス姿に、人目のつかない所で魔法で変化します。そのまま接客を続けるみたいですね


桃風香「ゆーが君、ボクこういう服着たこと無いんだけど、普通に喫茶店みたいに接客したらいいのかな……?」


幽雅「僕も詳しくないんだけど……」


桃風香「ううんそっか、じゃあいつも通りいつも通り……。いらっしゃいませー!」


▶桃風香 世間話

 成功


優美なおばさま「あらあら。きれいなお召し物をしてるわね。舞踏会にも出るのかしら?」


桃風香「いらっしゃいませ!えっと、こんな服着た子探してて。知らないですか?」


優美なおばさま「さぁ……。舞踏会ならともかく今だとそんな服着てると目立つものねえ……見てないわ。ごめんなさいね」


桃風香「舞踏会っていうのは、いつから始まるんです?」


優美なおばさま「21時からよ。あなた達の踊り、楽しみにしているわ」


桃風香「ゆーが君踊れる?」


幽雅「練習はしてきましたが……、正直難しいですね」


桃風香「練習してきてるのなら大丈夫だよ!ボク全然やったことないや……」


幽雅「リードはしますね……。安心して僕に全て委ねてください」


桃風香「うん、よろしくね!」


プロティン 「あ、先生遊びに行ってるーwコケてるぅーwウケル―wいいなぁ、オーナー私も少し回ってきてもいいかなぁ??特に何かしたいってわけじゃあないんだけど、鉄板の相手も飽きて来ちゃったよぉ、少ししたら戻るからさぁw」


もみじ「ダメ。私が遊びに行くから店番してなさい」


プロティン「じゃあ私の代わりに!私の分まで遊んで来てねぇwさぁてwそれじゃあ材料出してこよう!!!」


▶プロティン 運搬

 失敗

▶雑に持ち上げてダンボールごと割ってしまいます。仕方ないので、手作業でちょっとずつ持っていきます


『まもなく、椿納涼夏祭りメインイベント!21時からの舞踏会の参加予約を始めたいと思います!20時40分までのお申し込みとなりますが、並んでおけば締め切ることはありません!なので、歩いてゆっくりとお越し下さい!』


プロティン「舞踏会だって!?そんなのすぐ行かなきゃ!私が参加しなかったら私のエントリーを待ってる彼女たちが悲しんでしまう!!!」


もみじ「早く持ってきなさい!」


プロティン「こうしちゃいられない!オーナーとエントリーしてくるからねー!ハッハー!!!」


もみじ「あっこら!!!待ちなさい!!それは!あぁ……行っちゃった……」


――朱鷺森市 椿領私有地内:「納涼夏祭り」会場 PM20:00――


ことり「お友達に会いに来たって言ってたけど、このお屋敷の子なの?」


四季「そうよ。ここのお屋敷の次期領主の卯月ちゃん。おばさんの弥生さんが急にいなくなったらしくて、りょうみんのきたいをいっしんにせおってるとかなんとか」


秋夜「んんん……?」

ことり「うん?どうしたの?」

秋夜「いや、今の領主って皐月さんなんじゃって思っただけだよ」

ことり「あー、そういえば」


四季「そんな人聞いたことないわよ?成人したら卯月ちゃんがりょうしゅサマになるんだから!」


ことり「うーん。――あれ、でも中に入ればその卯月ちゃんって子はいたりするんじゃないのかな」

ことり「あとは待ち合わせ場所とかって決めてたりしてない?」


四季「お屋敷の地下通路って言ってたんだけど、私の知ってるお屋敷じゃないから、実質ないようなものよ。ほんとはこのあたりに井戸があるはずなんだけどね」


▶四季はそう言いつつ、詰所の壁を蹴ったりぴょんぴょんしたりしています


ことり「ふむう……」


▶四季に話を聞いたところ、卯月は自分と同い年くらいの茶髪の少女らしい。ほわほわとしており何処にいるかもわからないし、そもそもなんか違うので困ってるとのこと


▶ことり 質問

 成功


爺さん「卯月ちゃん……、知らないのう。――卯月様ならわかるがな」


ことり「卯月様」


爺さん「前の椿の当主様でな、ある日いなくなってなぁ……、急に今の皐月様が継ぐことになったんだわ」


ことり「へえ~、ありがとうございます」


爺さん「そういや、卯月様が消えた日もこのくらいの季節だったなぁ……」


▶プロティン 世間話

 失敗


おばさま「今日は小さい子がたくさんいていいわねえ。お祭りに彩りが出るわ」


プロティン「まったくですよぉwやっぱりなお祭りは妖精たちの笑顔が輝いてこそ!楽しいお祭りってものですものねぇw」


おばさま「ええ。今年の舞踏会も若い子がたくさんいて楽しみだわ」


プロティン「舞踏会楽しみですねぇw私もさっきエントリーしてきましたよぉwオーナー楽しみですねぇw」


もみじ「残念だったわね。あれは成人前しか行けないのよ。無効記載になるわ」


プロティン「なぁんだってぇ!それは聞いてなぁいwじゃあ今回は、一緒に観て楽しみましょうねぇw」


▶棗 回復の草

▶棗は煙草を一本取り出すと、深呼吸をして思いっきり咳き込みます


幽雅「舞踏会は流石に少し、緊張してしまいますね」


桃風香「大丈夫だよ!ゆーが君しっかりしてるし!」


幽雅「それまでお仕事、頑張りましょうか……。不甲斐無いところは見せられないですし」


――朱鷺森市 椿領私有地内:「納涼夏祭り」会場 PM20:20――


ことり「お屋敷の人なんだよね、卯月ちゃん。じゃあ中にいたりしないのかな」


四季「行ってみる価値はあるかもしれません……。所々違っててちょっと怖いですけど……」


秋夜「お、おう……。舞踏会はどうする?ことりちゃん」

ことり「あっそうだ忘れてた。とりあえずエントリーだけでもしておこっか」


▶綾瀬 視線

 失敗

▶綾瀬 空間把握

 ファンブル[男体化]

▶ことりは誰かに見られているような気がして、振り返ってみると少しずつ自分の目線が高くなり、声もちょっと低くなります。誰が見てもあどけなさの残る女装青年のような風貌になります。ただ、元の素材がいいのでどちらかと言うとイケメンが女物の衣装を好んで着ている、程度に収まっていますね


秋夜「お、おおう……!?ことりちゃん、急に雰囲気変わったな……」


ことり「えっと……、ちょっと、ごめん」


▶ことりは半泣きの涙声で走り去ってしまいました


秋夜「お、おい!?ま、し、仕方ないか……。あんな急になるんだな……TSFの神様こええわ。――し、四季ちゃん。代わりに探すの手伝うよ」


四季「え、えぇ……」


▶彼岸 観察力

 成功

▶資料を見て疲れた彼岸がふと、空を見上げると屋敷獣の何処もかしこも、小さい悪鬼の穴が無差別にあいてるのが見て取れます。まるで蓮コラのようで気持ち悪いくらいの細かい青い悪鬼が開いています


彼岸「ひっ!?ま、まさかこれ全部が……?――かなりマズい事態になっているみたいですね……」

彼岸「――――今度こそ、今度こそは負けません……!」


▶桔梗 観察力

 成功

▶涙目になっている弥生を見つけます。目に涙を濫れるばかりに浮かべて、屋敷の周りをキョロキョロしていますね


桔梗「こんなところでどうしたの?周りから見えない場所だし危ないよ?」


黒髪女の子「さっきの人ですか……。椿の次代当主の弥生だと言っても誰も受け取ってくれないのよ。やっぱりよく似た違う場所だったのかしら」


桔梗「受け取ってもらえない?何かを渡そうとしたの?――じゃあ証明できる人でも探しに行く?私で良ければ手伝うよ」


黒髪女の子「ふん。あなたなんかに言われなくても手は打ってありますの」

黒髪女の子「時の水晶よ。私に今の刻を示して!」


▶黒髪の少女が水晶に祈りを捧げて、空にあった無数の悪鬼から紫色の牛が落ちてきます。パーティ会場から悲鳴や怒号、爆発音などが聞こえてきます


黒髪女の子「この『時の水晶』はね。負の力を周りから吸収して、化物を出す水晶なの。領主の負の念を溜め込んで、放っておくと危ないから四季華族が定期的に使わないといけないんですって。ま、何回やっても所詮子犬みたいなのしか出せないから、蹴れば一発よ一発」


プロティン「舞踏会の会場はここでいいのかなぁ?踊る相手はまさか彼かぁい??」


彼岸「これは一体何の騒ぎですか!?」


▶5匹くらいの紫色の牛が屋台に突撃したりしており、火災も起きているようですね


桔梗「やっぱりこの子が……。これ以上騒ぎを起こされるまえに抑える!」


黒髪女の子「あんな大きな牛が……!ということは本当に私……」


彼岸「――まさか、これが時のクリスタルの力……!?」


秋夜「お、おお!し、四季ちゃん!こっちだ!」


四季「は、はい……、あれは……」


幽雅「こちらです!」


▶秋夜は四季の手を引いて逃げ出します


ことり「うわっ……うわっ……なんだコレ……。何だこれ……」


桃風香「うわ!何この大きいの!?」

このは「なんっ、なにごとですか~!?」


夏水「棗!頼んだぞ!俺はお客さんの避難に回る!秋夜くんと幽雅くんはこっちがもらうからな!」

棗「――はぁ。前の花火の時と言い、どうしてこっち側で出てくるんだか……」


もみじ「全員いるわね!記憶なら後で纏めて適正者以外魔法陣で消しとくから!」


▶もみじは魔法陣をテキパキと書き、結界を展開させます。一般人がバタバタと気絶していきますね


もみじ「全員臨戦態勢!最悪でも第二魔法陣展開するまでは前線を維持しなさい!!いいわね!」


▶ことりがいつものように変身すると、いつものような制服とスカートの姿に変わるよ


ことり「えぇ……。この姿でこの制服はまずいでしょ……」


彼岸「――負けるわけにはいかない……!今度こそ!」

プロティン「さあ行こうかぁ!ィヤッホォゥ!!」

棗「残酷なことだな……。記憶消去はあまり俺にとってはいいことじゃないんだが」


▶戦闘前行動 桃風香 蜃気楼


▶ベヒーモス 通常攻撃[ダブルラリアット(全体化)]

▶全員 回避判定

 プロティンことり 失敗 19ダメージ[攻撃数追加]19ダメージ

[彼岸:カウンター]

 失敗 19ダメージ[攻撃数追加]19ダメージ

▶紫色の牛は突進しながら角をぐるんと動かして、全体を薙ぎ払うように動きます


桔梗「そんなの、遅い!」

彼岸「きゃぁっ!?」


ことり「うっへえ……。体がうまく動かない……」

プロティン「ぐおっ!どおあっ!?凄い勢いだなぁw」


▶彼岸 回復薬G


▶秋月 霧雨


▶棗 通常攻撃[麻痺追加攻撃]

 成功 19ダメージ

[シンクロ]


▶プロティン 高速回復薬 通常攻撃

 成功 41ダメージ


▶桔梗 其駒

▶無数の小さい悪鬼で埋め尽くされた空に白く霧のような雨が降ってきます


桔梗「今の私にできる戦いを……!桔梗、歌います!」

彼岸「くっ……。こんな状態ではまだまだ……」

このは「援護します~!『霧の雨全てのものを包みこみ貫く想いは力に変わる』」

棗「暴れられると厄介だな、動きを止める」

プロティン 「考えることはお任せだ!私にできるのはこれくらいだぁ!」


桔梗「はじめて出会った あの時から 君だけ見てるー」


ことり「はあ……。これからどうしよう……主に学校……」


▶桃風香 


▶北森 通常攻撃

 成功 15ダメージ


▶綾瀬 エクスポーション プリンターガン

 12ダメージ


北森「これだけ近かったら、外すわけないよ!」

綾瀬「バン!バン!」


▶ことりは片足を上げて決めポーズを取ります


プロティン「ねえ、せんせー、あのセーラー服着た男の子ってさー。せんせーの知り合いかい?」

棗「――素性は知らん、だが……。いや、今は後だ」


ことり「スカート、スカートかあ……。この格好でスカートはちょっと無理あるよね……。いやちょっとどころじゃないよね、はあ……」


▶ベヒーモス 自然治癒(補助。状態異常回復)通常攻撃[ダブルラリアット]

▶全員 回避判定

 プロティン 失敗 18ダメージ[攻撃数追加]22ダメージ


▶彼岸 通常攻撃

 成功 22ダメージ


▶棗 万能スプレー 通常攻撃

 成功 30ダメージ


▶このは 通常攻撃

 失敗


プロティン 「ガァッ!どぉあっ!またしてもぉw変化の無い奴だなぁw」

彼岸「……てやぁぁ!」

棗「追いつめるっ!」

このは「え、えいっ!あれぇ、力が入らないです~」

彼岸「後少しッ……!」


▶プロティン 高速回復薬 通常攻撃

 成功 37ダメージ

▶脳天を砕くように思いっきり掬い上げられた紫の怪物は水晶の煌めきのように一瞬真ん中に輝きを集めた後、空中で爆発四散した。その煌めきは夏の夜空に残影だけ降り注ぎ、まるで舞踏会の終わりのように彩ったのであった


プロティン「ッとぉ……ってドッセァアアアイ!!!パッカーンだよぉw」

彼岸 「――強い……。私にも力があれば……」


ことり「じ、じゃあ私はコレで!」


▶ことりは逃げるようにその場を後にします


桔梗「終わった……あの子は!」


黒髪女の子「悪かったわね。手間取らせたみたいで。そこの人が書いてる魔法陣のおかげで、普通の人には良くて演出か夢だと思ってるでしょうけど」

黒髪女の子「ここは私の知ってる椿じゃないみたいね。何処かに隠居でもしようかしら……。名は弥生。――覚えなくてもいいわ。じゃあね」


▶弥生はもみじに一言二言会話した後、未だ屋台が燃え喧騒が起きてる中に紛れ、何処にいるかわからなくなりました


桃風香「このはちゃんありがとう!何か上手に戦えた気がするよー!」


▶桃風香はこのはに後ろから抱きつくよ


このは「ひゃあぁあ!?も、桃風香ちゃん、驚かさないで……」

桃風香「えへへーごめんごめん!」


▶桃風香はこのはの頭を撫で回します


このは「なにか今日は変なのであまり、あまり……はう。…………忠告はしたんですよ?うう~、抑えられな……」


▶このはは桃風香のおでこにキスします


桃風香「わわっ!?ど、どうしたのー……?」

このは「どうしたのかわかってたら困ってません!うう~」


プロティン「それで桔梗ちゃぁん、誰だったんだい?あの子、名前はさっき聞いたけどw」


桔梗「あれが犯人かもしれないんですよ!その無駄に有り余ってそうな体力で追いかけてくれませんか!はやく!」


プロティン「おっけぇい!任せてって言いたいけど、私女の子のお尻を追っかける時はキャッキャウフフする時だけって決めてるんだぁw」


秋夜「ことりちゃんもいないしどうなってんだこれ……。あの牛もつええのなんの……」


四季「待って!あの人は犯人じゃないですよ」


夏水「っていうと?」


四季「あれは卯月ちゃんの叔母様の弥生さんです。写真で見ただけで、なんであんな若々しいのかは知らないですけど……」


彼岸「――時のクリスタルとやらで時間を超えたのでは?」

棗「すまんが消火の方に行ってくる。そっちはそっちで頼む」


桔梗「ああもう!役立たず!それにあの少女も関係者だろうがあんなことしてた以上、良い人とは思えません」


秋夜「まあまあ落ち着けよ。今喚いたってどうにもなんねえぜ。それに、もうあそこ入ってたんだったら追うのは無理だって」


桔梗 「むぅ、秋夜さん。――――楽しく遊んでて今更でてきて遅いよ」


彼岸「時を移動できるなら追うだけ無駄でしょうし……」

プロティン「へぇwなにやら面白いことになってるようだねぇwところでー、こちらの可愛らしいレディは?」


四季「お初にお目にかかります。萩野四季と申します。萩野朱鷺森神社の跡取り娘です」


秋夜「……んんん?」


プロティン「どうしたぁBOY?なにか思い当たることでもぉ??」


秋夜「あぁ……、まるで母さんみたいなロリやらことりちゃんは俺よりイケメンになるわで悪い夢でも見てるようだ……」


彼岸「――顔色が悪いですけど大丈夫ですか?」


▶彼岸は顔を近づけて秋夜のおでこに当てます


秋夜「いいいいいい、いや、大丈夫っす!!――取り敢えずはこのし、四季ちゃんを家に連れ帰ります……。おそらく実家でしょうし……」


プロティン 「ハッハーw君のお母さんは随分とお若いんだねぇwとても信じられないよぉwそれじゃあ任せたよぉ!」


秋夜「うっす……」


もみじ「『あなたがこの時代の紅葉の責任者ね?』ねぇ……。どうすりゃいいってのよ……。取敢えず伊良原と伏菟野さん、後は鷲羽くん達辺りに援軍要請かけておいて……、長野は楽だから店主になったのに……もう」

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