S11 千和幽雅の思い残し 7月1日
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大事にしていた物を無くした。
お金はかかっていたが、それなりに大事にはしていた
無くした。
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――朱鷺森市 朱鷺森小学校:校門前 PM15:40――
モブ先生「気をつけて帰るんだよ」
幽雅「今日もお疲れ様でした。僕はやることがありますので」
このは「あの……、そうですか。また明日です~」
幽雅「ええ、また明日」
桃風香「――あー!このはちゃーん!ボク今から喫茶店に行くんだけど、一緒に行く?」
▶桃風香は後ろから飛びつくよ
このは「ひゃあ!
桃風香「そうなの?遠慮しなくてもいいのに」
――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM15:40――
もみじ「で?この趣味クソ悪いキモいハゲをうちに置けとおっしゃるのですか椿さん」
皐月「まあまあ。一応喋るしうざいけど一応害はないんじゃない?」
プロティン「ハッハーなかなか鋭い着眼点のレディw間違ってもハゲではないぞハゲではぁwそれにぃ害だなんてとんでもなぁいw私は大変役に立つとマスターにも評判なんだぁw」
もみじ「うっへえ。キャラ濃いわこいつ……。まあなんでもいいけど喫茶店だからその状態で喋るのやめてくれないかしら……。ここ人形喋るような店じゃなくって」
プロティン「わかった!じゃあここで喫茶店の備品としてこのナイスバルクを寡黙に披露し続けていればいいんだねぇw私は察しがいいんだぁw」
皐月「ご覧のように脳まで筋肉に堕ちてるから、取り敢えず擬態教えたって」
もみじ「えぇ……」
▶プロティンと呼ばれた筋肉ダルマがみるみるその辺の人形サイズに縮みます
プロティン「――なるほどぉ、こうすればこの世界の人の大きさになれるのかぁwもっと早くに気付くべきだったねwこれで私の肉体ももっと多くの人に見てもらえるようになったわけだハッハーw」
もみじ「肉体を見せるのは大事な人にだけよ。取り敢えずこれ着ときなさい」
プロティン「ハッハーwそれならもうこの世の全ての女の子の前で裸になっていなくてはならないなwもちろん今も、貴女の前でもサッ☆冗談はさておき、これは、この世界の服かなぁ?」
皐月「そうよ。男の嗜みとして服を着るのよ」
プロティン「男の嗜み!なーるほど!理解した!私は察しがいいんだぁ!つまりこれを私に着て欲しいという事は、貴女も私の事が大好きってことだね!もちろん私も大好きだよぉ!じゃあ着替えてくるよぉ!」
▶人形姿のままとてとてと控室に走っていきました
もみじ「はいよ……。棗くん。動物園でハシビロコウしてないでちょっとこっちに来てくれない?」
棗「――いや、これに関われと?正直嫌な予感しかしないんだが……」
もみじ「常識を教えて欲しいのよ……。金なら払うわ……」
棗「――――了解した、あんたがそこまでになるとは思ってもいなかった。とりあえずは何とかするが、精々これからに頭を悩ませていろオーナー」
皐月「厄介事押し付けてごめんね。そろそろ奉ちゃんと怜ちゃんが来るから、それまでにセクハラしない程度にしてあげて……」
▶皐月は頭を抱えて店を出ていきました
棗「ふぅ……。落ち着かないってのは、どこまでもらしいとすら感じるな」
もみじ「じゃあ頼んだ……私は仕込みしてくるから……」
――朱鷺森市 朱鷺森美術館 PM16:00――
???「最近幽雅が毎日のように夜間外出をしているようだが?俺はお前が完璧な息子にするって言うから身を粉にして働いてるんだ。完璧っていうのは何処に行ったんだ?」
???「職場に来てまで言うことはそれ!?それはあなたが父親らしいところを何も見せてないからでしょう!?私は習い事にお勉強、交友関係まで徹底して教えてるわ!!仕事しかしてないあなたと違ってね」
???「なら夜間外出をするわけがないだろう!毎日毎日ブランド物を与えて、友達と遊ばせもしないのにワックスだけは整えさせて!息子をおもちゃか何かと思ってるんじゃないのか?!」
???「は?あなたのおかげでこうなったんでしょうが。幽雅には頼りない男にさせたくないの!」
???「ああ、なら離婚でもなんでもしてやろうじゃないか……!親権は俺が取るからな!息子にはもっと伸び伸びと生活させるべきだ!」
▶怒った様子で男の人が美術館から出ていきます。それとほぼ同時にことりが心配そうに女の人に話しかけます
???「それで幽雅がグレても私は知りませんからね!!慰謝料でもなんでも好きにしたらいいわ!!――――全く、どうすりゃいいってのよ……」
ことり 「こんにちは。あの……、どうされたんですか?」
千和「ああ……、家庭教師の。ごめんなさい、嫌なとこ見せちゃったわね。気にしないで」
ことり「そうですか……。――それではまた。幽雅くんによろしく伝えておいてください」
――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM16:20――
桃風香「こんにちはー!師匠ー!――と……おじさん?」
もみじ「き、気にしないで……。奉ちゃんはもう来てるわ。夏水ちゃん?この子にお水出してちょうだい」
夏水「へい……くっそ。嬢ちゃん、お水だ」
桃風香「お姉さんありがとう!」
夏水「お姉さん……お姉さん……。――ふふっ」
奉「え、えっと……お、お水です……キャッ」
▶プロティンが人間の大きさに変化し、サイドチェストをしながらストライプスーツに丸サンの怪しい格好で出てきたところに奉がこぼした水がかかるよ
プロティン「んっんーw少し窮屈な拘束感が気持ちいい!この世界でも間違いなくいい男って気がする似合いっぷりだ!ニューワールドニュープロティン!ここに見参んっ!」
奉「す、すいません……。急に出て来ると思って無くて……、棗さんすいません」
棗「――――大丈夫だ、気にしないでくれ。こっちの奴も気にしていないそうだ」
プロティン「イヤイヤイヤ大丈夫大丈夫気にしないでぇwむしろ水も滴るいい男っていうだろう?」
もみじ「早く何とかして……人増えて落ち着いて……」
プロティン「私の魅力を数百倍にまで高めたことに感謝の意すら評すよ可愛いレディ」
奉「…………?あ、ありがとうございます?」
夏水「ここは俺がやるから嬢ちゃん達と遊んどけ」
奉「は……はい……」
棗「えっと、すまんな奉ちゃん。ちょっとこいつと勉強があるんであっちの席に座るから、水を頼む」
▶棗はプロティンの髪をを引っ張ってそのまま裏に引っ込みます
プロティン「ハッハーそれじゃあまたあとでねぇwあ、そうだぁ、その時はゆっくり話をしようよ、君の事も勉強したいしさぁw」
▶棗は無言で腹パンし、黙らせて首根っこを掴んで引きずっていきますね
ことり「こんにち……は……?」
棗「どうした?腹が痛いのか?ほら、ちゃんと座ってるんだな」
プロティン「ガッ、ハー、どうにもこの世界の教育的指導に驚いただけさぁwどうということはない、それでまずはなにをお勉強するのかなぁ?私専属家庭教師先生」
棗「――そうだな、まずは人に対する接し方だな……。前途は多難だが……」
ことり「なんか、いつも以上にカオスな場所になってますね……」
もみじ「仕事は……まだダメね……はぁ……」
桃風香 「彼岸さんだ!ボクお水取ってくるね師匠!」
彼岸 「……ありがとうございます」
桃風香「えへへー…美味しい?」
彼岸「ふぅ……美味しいです。……で、もみじさん。――――――色々聞きたいことはありますが……、今日は一体どういった御用でしょうか?」
もみじ「まあいいか……。今日は警察をパシらせて仕事の依頼があるのよ」
もみじ「はいしゅーごー!みんなおいでー!」
▶もみじは手をパンパンと叩いてみんなを呼び集めます
もみじ「取り敢えずそこの副職業禁止の警察はパシリの無償奉仕として、やってくれる人はどんだけいる?」
彼岸「――――一応は命令でこちらに来てるんですけどね……。いや、いいですよ、手当は出てますからね……」
プロティン「はぁいはぁい!授業はいったん休み時間ん!今行くよぉ!」
桃風香 「はーい!はーい!」
ことり「はーい」
プロティン 「ハイハァイハァイ!!もちろんやるよぉ!ついでに専属家庭教師だって付けちゃう!」
棗「勝手に決めるな。……まあやるが。が、まさか警察官にまで関係者がいるとはな」
もみじ「ま、私の知り合いはこの子じゃなくて、この子の上だけどね」
棗「なるほど。それで、今回はどんな内容だ?」
もみじ「今回は身辺調査ね。うちの親元の美術館の千和さんの旦那さん、どうやら不倫をしているみたいでね。証拠写真を取ってきて欲しいらしいのよ」
プロティン「oh……モテる男は辛いよねぇ、女性からは一つの愛を求められるけど無尽蔵に増え続ける己愛の放射能は止められないからねぇw気持ちはわからなくもないなぁ」
彼岸「不倫調査……ですか」
桃風香 「不倫……ってなんですか?師匠?」
もみじ「棗くんに聞いてちょうだい。報酬は警察の子を抜くから1人20万円くらいかしら。できれば2日でお願いね」
棗「なんで教える相手が増えてるんだよ!?」
桃風香 「棗おじさん!!――よろしくね!」
棗「おいおい……悪い冗談だ……」
プロティン「お安い御用さぁw悩める凡夫の愛の爆心地を写真に収めればいいんだよねぇ?ところで私は記憶媒体を持っていないんだけど、御貸し頂けるんですかねぇ?」
もみじ「取り敢えずもう17時だから、散って散って!カメラ持ってないやつと携帯持ってないやつは私に来てちょうだい!貸すわ」
▶一同が調査に渋々向かったのを見て、夏水が話しかけてきます
夏水「大丈夫なのか……?主にあの筋肉ダルマ」
もみじ「まあ皐月のところの差し金だし大丈夫でしょう。野良妖怪の保護も兼ねてるからね紅葉は」
奉「へぇ……!」
夏水「ま、あれはおいておくにしてもマジで人足りねえんだな。俺を雇うくらいだし」
もみじ「そうね。鳥江姉弟は前線に出すと補給線が危ういし、彩音は昏睡。後は記憶喪失と要注意人物の爆弾。大人しく紅葉に従ってくれそうで、まだ戦力になりそうなら内部に取り込むしか手段がないわ。――期待してるわよ」
夏水「うおお信頼がこええ……」
奉「が、がんばります……!」
もみじ「ま、まずはウエイトレスと調理ね。まず……」
――朱鷺森市 朱鷺森駅 PM16:30――
彼岸「――――駅なら人の出入りが多いですから、何かあるかも……、知れませんね」
桃風香「じゃあボク駅の中の人達見てきます!」
彼岸「1人だと危ないですよ、最近は駅も物騒らしいですからね」
桃風香「そうなんですか? じゃあ彼岸おねーさんも一緒に行こう!」
▶桃風香はピタッとひっついて腕を絡ませますよ
彼岸「ふふっ、それじゃあ……そうですね。上手く駅での情報が得られればいいんですけど……」
▶北森 導引
成功
▶探偵事務所開業3周年のポスターを発見!
北森「探偵事務所?開業3周年……だって!」
彼岸「――――不倫調査なら探偵事務所というのも間違いではないんですけど……」
北森「四季探偵事務所……って言うんだってー」
▶ポスターには『四季探偵事務所』と書かれています。住所と電話番号が書かれており、どうやら朱鷺森商店街にあるようですね
▶彼岸 仕事知識
成功
▶警察の事件を手伝うこともある、特に悪い噂を聞かない事務所。定期的に警察に情報を提供してくれ、個人的な心情も悪くないですね
彼岸 「ううん……。不倫調査となると普段からやってるプロの手を借りた方がいいかもしれないですね……」
桃風香 「うーん、これは不倫とは関係ないかなー?彼岸さん行こー!」
▶桃風香は彼岸の腕ごと引っ張って駆け出します
――朱鷺森市 住宅地 PM16:30――
このは「はぁ……。あら?ことりさーん、なんだかお久しぶりですね~。今日はどうしたんですか~?」
ことり「あれ、このはちゃん?今帰り?」
このは「えっと……まあ、大体そんな感じです~」
ことり「私はもみじさんとこのお仕事で、千和幽雅くん、わかるかな?多分同じ学年だと思うんだけど、その子のお父さんが不倫してるかもーってことで調査してるの」
このは「はい、ゆーが君なら知ってますけど……。そんな調査、一般の人に任せていいものなんでしょうか」
ことり「いやまあ、たしかにそうだわ……。――うーんまあでももみじさんだしなあ……。私達でいいから任されたんじゃないかな」
このは「まあいいです、このはもお手伝いしますよ~。ゆーが君の家のこと、聞いてしまったら放っておけないですし」
ことり「おお、マジで?ありがとう!一人だと心細かった!」
このは「ふぅ、気持ちは晴れなくてもお天気くらいは晴れていてもらいますか~」
▶秋月 快晴
▶曇りの天気の隙間から太陽が覗かせた。夕陽がまぶしいですね
このは「『山々が 光り輝く 昼下がり 見上げる空に 雲一つなく』と。これでいいはず……」
ことり 「おお、かっこいい」
このは「それで、どう探しましょう。心当たりやヒントなんかはあるんですか~?」
ことり「うーんどうしよう、お父さんとは一応会ったことはあるんだけどなあ」
▶綾瀬 記憶力
失敗
▶このは 世間話
成功
ことり「うーん、ダメだ分かんないや。とりあえず近所の人とかにそれとなく訊いてみる?」
お友達の女の子「ゆうがくんのお父さん?さっき神社の方で見たよ。なんか待ち合わせしてるみたい」
このは「そうでしたか~、ありがとうございます」
▶綾瀬 歌唱
成功
▶道端で大声で歌ってると幽雅が怪訝な顔をして近づいてきます
幽雅「ことりお姉さんうるさいですよ……。近所迷惑です。――あ、秋月さんも先程ぶりですね」
ことり「あっはいごめんなさい……」
このは「はい、さっきぶりですね~。また会えてうれしいですよ」
幽雅「僕も嬉しいよ」
ことり「おお?おお?」
幽雅「僕は今忙しいから、ごめんね。ことりお姉さんも往来で騒いじゃダメだよ」
▶幽雅はそう言って、何処かへと歩いていきました
――朱鷺森市 朱鷺森病院 PM16:30――
プロティン「不倫と言えばやっぱり病院だよね!弱った体と心に染み入る優しい心は愛のエンジンに火を入れる!絶対安静のベッドは激しい愛に軋みをあげる!さぁw聞き込み調査だねぇw――――早速だけど家庭教師先生、誰を探せばいいのかなぁ?その旦那さんの写真とか持ってるんでしょう?」
棗「知らんぞ。それも含めての聞き込みだからな。ネットでの調べ方はさっき教えたとおりだ、そっちはそっちで頼むぞ」
プロティン「ユイのパソコンでこの世界の真理を知ったといっても過言ではない私には造作もないことさぁ!まかせたまぇw」
▶プロティン ネットサーフィン
ファンブル[判定禁止]
▶結のパソコンを勝手に使って検索をしていると、指紋認証が出てきて適当に触ってると自動ブロックを食らい起動出来なくなったよ
プロティン 「おやおやぁ?家庭教師先生何もしてないのに壊れたよ?」
棗「壊すやつの常套句をよくもまぁ」
▶棗 仕事知識
成功
▶
プロティン「まどろっこしいことしてないでさ!調査の基本は聞き込みだよぉw家庭教師先生、そのホシの名前ぐらいはわかるんですよねぇ?」
棗「残念ながら、旦那の方は美術館に関係してるか怪しくてな。妻の方の名前が千和鞠ということぐらいしか思い出せんな」
プロティン「なるほどねぇ、じゃあその麗しのご婦人から情報を辿っていけばいいだねぇ?じゃあ早速聞き込みだぁw」
▶プロティン 演技
失敗
▶棗 世間話
成功
おばちゃん「えー知らないわよ。今時サングラスにボンバーパーマとか不良みたいでやーねー」
プロティン 「ハッハーw私の事を気にかけてくれる優しいレディ、貴女は知らないという情報を私にくれた。ありがとうw」
ナース「千和さんとこの幽雅くん?あー覚えてる覚えてる!入院中にずっとお母さんがきせかえして写真撮ってたのよ!なかなか可哀想だなって覚えてたのよ。もう8年は前だったかしら」
棗「そうなんですか。最近彼と話すことが増えましてね、たまに体調が悪いのか表情が暗くなるのを見てたので心配になってまして……。ありがとうございます。――ところで、入院とは?大きな怪我でもしていたのですか?」
ナース「あら知らないの?お母さんは出産直後に入院しないといけないのよ。身体の調子整えるためにね」
棗「ああ、なるほど。てっきり幽雅君が入院してたのかと……。そういった縁が無くてどうも無知を晒してしまったようで。お恥ずかしい」
ナース「男の人なら仕方ないわよ。じゃあ私、診察があるから」
――朱鷺森市 商店街:四季探偵事務所 PM16:45――
▶雑居ビルの2Fにある探偵事務所を訪ねると、妙齢の女性が応対してくれます。よく見ると妙齢だとわかりますが、かなり若作りですね
四季「こんにちわ。こちら四季探偵事務所です。私が所長の
北桃風香「こんにちは!北森桃風香っていいます!小学3年生です!」
彼岸 「――――朱鷺森警察署の鏡崎彼岸です」
四季「御用はなんですか?迷子……ですか?」
彼岸 (――さて、とりあえず浮気調査に必要な資料をもみじさんにお願いしておいた方がいいでしょうか……?)
▶彼岸はもみじに連絡をして、対象の情報をラインで受け取ります
▶千和鞠 30 専業主婦
▶
▶結婚して11年
彼岸「――ええっと、この子はまあ、預かっていると言いますか……。要件は別ですね」
桃風香「えーっと……!不倫の調査、です!」
四季「はあ。具体的には?」
桃風香 「えっとぉ……?」
彼岸「――まあ、ちょっとした案件で不倫の調査をしておりまして、その、探偵事務所であればそのあたりの調査に詳しいであろうと思って……。お話を伺いに来ました……」
四季「それで、どなたの?」
彼岸「こちらの……、旦那さんの方ですね。――言うまでもないでしょうけど、その、ご内密にお願いします……」
▶彼岸はそのまま携帯の画面を萩野四季に渡すよ
四季「あら、これは七瀬さんに渡したものですね。調査人員はあなた方でしたか」
桃風香「そうなんです!師匠に頼まれて調べてるんです!」
彼岸「――――ああ、そういう……。まあそうですよね……普通プロに頼みますよね……」
四季「最近旦那さんの様子がおかしいのは事実です。具体的には会ってる人以外見えていないと言いますか……。――――ともかく、私だと名が売れてるので警戒されてしまうんです。今はいつものスケジュールだと釣りをしてそうな時間なので、見に行ってもらっていいですか?」
彼岸「……釣り、ですか。場所はどちらでしょうか?」
四季「湖の方向ですね」
桃風香「湖ってどっちだったっけ……」
▶北森 クエスチョンサーチ
▶北森 ナビゲート
ファンブル[生命15ダメージ]
▶彼岸 回復薬G
▶探偵事務所の入り口にある階段からでんぐり返しのように転げ落ちます
桃風香「あうっ!!うっ、うー……」
彼岸 「だ、大丈夫ですか!?」
四季「大きい音がしましたが……。ほらほら大丈夫ですよ。痛くないですよ」
桃風香 「うぐっ……ひっぐ……」
彼岸「――一応、傷薬を塗っておきましょう。こんな事もあろうかと持ってきておいて良かったです……」
四季「取り敢えず、泣き止んでから出てください。お菓子を取ってきますね」
桃風香「お菓子!」
彼岸「ああ……良かった……。何かあったら本当もう責任問題に……。――うう……、胃が……」
▶北森 観察力
失敗
▶探偵事務所はきれいな部屋ですね。本棚が多く、分厚い本がいっぱい立ち並んでいます
桃風香「本がいっぱい……」
彼岸「湖近辺で特に何かあった覚えは無いですね……。――湖か……。ついでにちょっとのんびりしてたらマズいでしょうか……」
桃風香「――あっ!彼岸おねーさん!傷薬ありがとう!」
▶桃風香は彼岸の腕をキュッと握ります。彼岸も照れ笑いをして頭を撫でます
彼岸「――ふふふっ。階段を降りる時は気を付けなきゃいけませんよ?」
桃風香「うんっ!気をつける!」
四季「行ってらっしゃいませ」
▶探偵事務所から出ていくのを見届け、四季は電話をかけます
四季「さて、私もやるべきことをしますか……。伊良原、今時間ある?」
――朱鷺森市 朱鷺森公園 PM16:45――
プロティン「出会いの場所……。そして体と愛を育む場所!それは皆の憩いの場、公 園」
プロティン 「やっぱり茂みが気になる?気になるよぉねぇw明るみで育みたくない禁断の愛は影に隠れてが常套手段!!任せて家庭教師先生!」
棗「8年前か。その頃から制約が続いてたと考えるべきか、それを父親の方が嫌悪していた可能性もあるのか……」
▶プロティン 潜伏
失敗
▶プロティン 自己アピール
失敗
▶周りの人から物凄く不審な目で見られ始めます
プロティン「おやぁ?タイミングが合わなかったかなぁ??ここだと思ったんだけどねぇw」
プロティン「なにをブツブツ考えているんだぁい?そんなに頭ばっかり使ってても調
プロティン「んん~、やはりこの体ではまだ自分を極限まで高めた崇高なポージングは難しいかぁwみんなの熱い視線は感じられるけど、称賛の声が聞こえてこないものなぁw」
棗「――千和鞠に悪意はないか。虐待をしていたわけでもないだろうしな」
プロティン 「フゥンッ!ん~……、こうかっ!――違うなぁ……」
棗「腹が減ったな。どっかで飯食うか」
プロティン「お、それいいねぇ!でも僕持ち合わせがどっちかっていうと皆無だから先生お世話になります!」
――朱鷺森市 朱鷺森湖 PM17:00――
▶彼岸 捜査
失敗
▶桃風香 第六感
成功
▶湖ではおじいさんが一人釣りをしています。奥で写真と同じ人物、千和父がいるのも見えますね
彼岸「――それっぽい方は……、いないですね……」
桃風香「あ、彼岸おねーさん!あの人じゃないですか?」
彼岸(私より先に小学生が……?いや、まあ、うん……。私専門じゃないですし……?)
彼岸「……そうですね、後は遠巻きに見張ってましょうか」
桃風香「うん。ジー……」
▶桃風香彼岸 潜伏
失敗
失敗
▶千和父は後からやってきた女の人と仲良く談笑をし始めますね。彼岸達のことには気づいたようですが、気にもとめていないようです
彼岸「――今完全にバレましたよね」
桃風香「ば、バレてないのかも……。ボクとおねーさんで家族連れ……、ダメ?」
彼岸 「――流石に……。いや、もうそれしかないか……」
桃風香「えっと……、とりあえず写真を撮るんだよね……。このボタン押せば良いのかな……?」
▶桃風香は千和父と女の人が会話しているのを写真に納めました。会話が終わったのか、2人はバラけて歩いていきますね
彼岸「――これでいいんでしょうか……?」
桃風香「うー……、たぶん?」
――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM17:20――
プロティン「ただいまー!お腹すいたー!あとそれから情報足りなーい!」
夏水「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ……、って棗かよ」
棗「こっちの仕事は難航してな。一度割り切ってそいつに教えておかないといけないやつを、今日のうちに済ませておこうってな」
もみじ「ただの不倫調査なのにおかしいわね……。父親も悪い人じゃないんだけど……」
棗「だからこそ何も見つけられなくてな。変に引っかかるものも無いから俺たちが探していた方が外れだっただけだろう。奥の席借りるぞ」
プロティン 「そうそれー!父親の名前も顔も解らないままだから草の根分けて探したんだけど見つけられるわけがなくてさぁwあ、なにか肉料理ってあったりしますぅ??」
もみじ「はいはい。夏水ちゃんはお水出してあげてね」
夏水「カツサンドくらいしか出せんぞ。――はい。大変だなお前も」
棗「単に俺の不得意な事だっただけだ。実力不足さ」
プロティン 「おっほー美味しそう!キミのような子に運んでもらえるとより一層美味しそうに見えるよね!ハッハー」
夏水「――なんか意外だな。ってかセクハラの指導からしてくれ」
▶棗はプロティンにお祈りの原理や使い方、セクハラの指導などを行いました
桃風香「師匠ー!戻ってきましたー!」
もみじ「いいとこに来たわね。カツサンドをあっちのむさいとこに持っていって」
桃風香「はーい!あとこれ写真です!」
彼岸「――ずばり不倫、って感じではないんですけどね……」
プロティン「なるほどなるほど、有能なプリティレディだ!もう依頼達成じゃあないのかぁい?」
棗「ただ話してたってだけじゃ何ともな」
プロティン「話の内容とかは聞いていないのかなぁ?一緒に居たんだろうう?そこの素敵なレディ?」
彼岸「?」
▶彼岸は急に後ろを向き、夏水を見ます。夏水は頭に?を浮かべてますね
夏水「?」
プロティン「ハッハーシャイなところも可愛いね!キミだよキミ!名前を教えてくれるかなぁ?、なんだってぇ?人違いなのかぁい?それじゃあまだ依頼達成というわけにはいかないねぇ」
もみじ「いや、――似てるけどこの人千和さんじゃないよ。湖からどこに行ったんだ彼岸ちゃん」
彼岸「――えっ、人違いですか……」
▶北森 記憶力
失敗
▶小学生の画力には限界があった
桃風香「えっと……えっと……。思ったように描けない……」
プロティン 「これが一緒に居た男性かぁい?素敵なんだろうなぁw君は絵が上手だねぇw今度は私も描いておくれよw」
棗「オーナー、似てるとは言っていたな。なら逆にどこが違うんだ?」
▶彼岸 記憶力
成功
▶それっぽくは書けました
彼岸 「――――た、確かこんな感じの人だったような…」
もみじ「うーん……。やっぱそれ千和さんの若い頃に似てるわね。結婚前だったかしら」
プロティン「流石だレディ!へぇ。これが千和優樹って人の若いころにそっくりなんだねぇ?そっくりさん夫婦かなぁw」
棗「――その写真、俺の携帯に送ってもらっていいか?」
プロティン「じゃあ私の携帯には君たちの連絡先、送ってもらっていいかなぁ?情報は逐一交換したいしねぇ?」
夏水「棗、ついでに俺とも交換しようぜ。連絡取りづらいんだわ」
棗「お前は仕事のタイミングで……。まぁお前位は有ってもいいか」
プロティン 「ついでに好きな物、趣味、お友達の事も教えてくれると嬉しいなw君たちの事もっともっと知りたいからね!」
桃風香「れんらくさき……?師匠!ケータイの使い方教えてくださーい!」
もみじ「はいはい。代わりに入れてあげるわよ」
桃風香「ありがとう師匠! じゃあボク今のうちに弁当作ってる!」
彼岸「――これでいいでしょうか?何分あまりこういうことしたことが無いもので……」
棗「ああ、大丈夫だ。感謝する」
▶北森 自炊
成功
▶そこそこ美味しそうなお弁当を作りました
彼岸(私より上手だなぁ……。最近の子は凄いなぁ……)
プロティン 「いい匂いがしてる。お腹が空いてきたなぁwそれはそうと先生?この後はどこに行くかアテはあるのかなぁ??」
棗「家庭教師をやってる綾瀬ちゃんなら、親御さんの顔も分かるだろう。案外、誤解ってことで収まるかもしれんな」
プロティン 「それが事実なら私たちはこのまま何もせずに寛いでいてもいいわけだぁwそれでいいのかぁい?先生??」
棗「何もなければ、な」
▶棗はことりにラインを送ります
――朱鷺森市 萩野神社:境内 PM17:20――
▶おじいさんと中年のおじさんがいますね。ことりは両方知っていました。おじいさんは
ことり「あっ、あの人……」
このは「こんにちは~。しゅーやさんのおじいさん、そっちの方は?」
秋伍「ああ。このはくんに、孫の女か。こちらは千和さん。最近毎日こちらに参拝していらっしゃる」
千和「こんにちわ。お手伝いさんですか?若いと華々しくていいですね」
秋伍「孫はまだ病院だぞ。見舞いに来たのか?」
ことり「あ、いえ、今日はそういうわけじゃないんですけど……」
このは「千和さん……、じゃあこの方がゆーが君のお父さんですね~。初めまして、秋月このはっていいます」
千和「ああ。キミが幽雅のいう英雄ちゃんだね。はじめまして、僕は千和優樹。幽雅の父親をやってるよ。幽雅と仲良くしてくれよ」
▶綾瀬 世間話
成功
千和「ああそうだ。ことりちゃん。うちの嫁が最近無駄にカリカリしてるんだが、なんでか知らないかい?心当たりがなくてね……」
このは「う~ん……。関係あるのかわかりませんが、最近ゆーが君もなんか少しおかしいんです。でも聞いてもなにも言ってくれなくて……、こっちは心当たりありませんか?」
千和「最近素振りするようになったり筋トレするようになったくらいだね。貧弱だったからありがとう。――てっきり英雄って言うからムキムキだと思ってたけど、かわいい子だね」
このは「あ、いえっ、その……ありがとうございます」
ことり「鞠さんが?あーそういえば今日美術館行ったときもすごい怒りながら電話してました……。あれってもしかして優樹さんですか?」
千和「いや……。最近は仕事帰りに神社寄って帰るだけで、妻からは何も……」
ことり「――そういえば神社にはどうして?何かお願い事ですか」
千和「そろそろ結婚して12年目になるからね。結婚記念日に何を渡していいか悩んでたんだよ。だから神頼みを」
千和「女々しいかな?」
ことり「いえ、素敵だとおもいます」
このは「いえいえ、ちゃんと記念日を覚えていてしっかり悩むというのはとっても素敵なことだと思います~」
千和「ありがとう。明日が結婚記念日なんだ。そろそろ僕も覚悟決めないとね。ありがとうことりちゃんに、このはちゃん」
▶ことりの携帯に棗からラインが届きます。
『湖で千和優樹に酷似した人物が女性と会話していたとの報告。ただし本人ではないとのこと。画像データを付けるので確認されたし』
ことり「ん? えーっと、今優樹さんに似た人を見たよーって写真が送られてきたんですけど、見覚えあったりしませんか?」
千和「いや、双子ってわけでもないよ。よければ見せてくれないかい?」
ことり「これです」
千和「いやぁ懐かしいなぁ。昔鞠とデートに行った時のやつじゃないか。何処のアルバムに載っていたんだい?」
ことり「あ、いえ、私も今送られてきただけなのでどこのーとまでは」
千和「いやぁ本当に懐かしいなぁ。この頃から鞠は子供が好きでね。絶対いい子にするんだ!って言って聞かなかったよ。少しやりすぎだと思うことはあったけど、このはちゃんみたいないい子が友達になってくれてるみたいだし、鞠の教育は少しは報われたのかもしれないね」
ことり「だってさ。よかったねこのはちゃん。――――んー、でもいい子にしたいっていうのは分かるんですけど、ちょっと厳しくありませんか……?」
千和「そうだなぁ。塾に習い事。門限遵守に衣服の強制、髪型に歯型矯正、言葉遣いに姿勢、勉強出来なければビンタ。ゲームテレビの禁止……。僕が子供なら耐えられないけど、僕は鞠に強く出れなくてね……。なんとかしようとは思ってるし、幽雅には自由でいてほしいんだけど」
ことり「そう、ですか……」
千和「幽雅には申し訳ないことをしてるよ……。せいぜい、鞠の見ていないところでこそっと外出して仕事のフリと偽って幽雅と遊ぶくらいしか、僕は親として出来てないかな……」
ことり「いえ、それでも幽雅くんの助けにはなれているとおもいます。優樹さんはもっと自信を持っていいとおもいます!」
千和「ああ。そう言われると助かるよ。――そろそろプレゼントを買わないとね。君たちも暗くなってきたから早く帰るんだよ」
ことり「はい。お時間取らせました。それではまた」
――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM17:50――
プロティン「っとリトルレディー!私の分は多少多めでも問題ないよぉw」
桃風香「はーい!」
▶プロティンは勝手に厨房に入っていきますね
奉「だ……、ダメですよ……?」
棗「――いやちょっと待て、お前は動くな」
もみじ「客が厨房に入ってくんなところてん」
プロティン「なぁに、少し挨拶してくるだけさっw先生は心配性だなぁw」
棗「しかし流石は警官殿だな。捜し物は得意ってことか」
彼岸 「――――いや、まあ……。ええっと……、餅は餅屋と言いますか……」
棗「謙遜することはないさ、俺達なんか何も得られなかったからな」
桃風香「出来たー!師匠も他の人も食べてくださーい!」
▶桃風香はサンドイッチをとてとてと運んできますね
プロティン「ハッハー!これは驚いた!客扱いしてくれるなんて、てっきり私はこの店の備品だと思っていたよwこれも愛が育まれた証拠かなぁw」
もみじ「金出すなら客だよ。静かに頼むね。静こそが美徳の店なのよ。ゲーセンだけどね」
プロティン 「OK、OK、任せておくれよ!こう見えて美徳は尊守する性質なんだ!静かに寡黙な男はモテるからねぇw任せておくれよ!!」
彼岸「――――ずっと気になっていたんですがあのうるさい方は何なんですか?お知り合いなんですか?」
もみじ「私の友達の友達よ。常識ないからって、こないだから引き取ってるの」
彼岸「………その、ご愁傷様です」
プロティン「よーし!リトルレディ!とても美味しそうなサンドイッチだ!頂くよ!ほら、先生も頂こうよ!絶対美味しいよぉwあんな可愛い子が作ったんだもの不味いわけがないw」
桃風香「ふふーっ。ボク料理には自信あるんだー!」
奉「たくさんありますからね」
彼岸 「――――これは……、美味しいですね!――私より上手です」
桃風香「えへへっ、ありがとう彼岸おねーさん!もっと食べていいからね!」
プロティン 「うん!完全食のタマゴをふんだんに使った栄養満点のタマゴサンド!たっぷりのマヨネーズにブラックペッパーを散らしているね、飽きが来ないからいくらだって食べられるよw」
棗「――こいつはいったいどの口からこんなに言葉を羅列できるのか不思議だ……」
夏水「本当だよ。でもあれなら三枚目だな」
彼岸 「――これを矯正するとなると大変そうですね」
もみじ「ほんと、ね」
桃風香「ありがとうえっと……知らないおじさん!」
もみじ「うん……?ちょっとふれあいもいいけどしゅーごー」
プロティン 「ハッハーw自己紹介が遅れてしまったねぇ、お待たせリトルレディ、私の名前はプロティ……」
桃風香「はーい!師匠!」
▶大声で遮るように桃風香がもみじの元に走り出します
プロティン「ハッハーw」
もみじ「千和さんからやっぱり不倫調査はいいって連絡が来たわ。半分確証が出てるのに断るのは逆に怪しいわ。千和さんの方を張ってくれないかしら」
彼岸「――――混乱してきました……。一体どういう……」
プロティン 「依頼主の鞠さんの方をってことかなぁw、ところでその鞠さんはどこにいるのか見当は?」
もみじ「おそらく家かしら。見に行ってもらえる?」
棗「――どこにあるんだ?」
もみじ「住宅地の方ね。地図をラインしといたから各自確認してちょうだい。桃風香ちゃんは暗くなったら帰るのよ」
桃風香「はーい師匠!」
プロティン「人妻の家に張り込みか!これは胸アツの展開だぁw」
棗「確認した、なら向かうとするか。綾瀬ちゃんはどうする?向かわせるか?」
もみじ「私に聞かれても……本人次第ね」
彼岸「帰る時間帯になったら私が送りますね」
桃風香「彼岸おねーさん着いてくれるんだ、ありがとう!」
プロティン「レディ達だけでなんて危ないよw私も送ろうwなぁに遠慮はいらない。私は護衛任務だってそつなくこなせるさ!」
棗「返信も来ないしな。まだ探しているのかもしれないな、一応俺から連絡だけ送っておこう」
▶棗はことりに『仕事の変更、可能であれば千和家の自宅に向かわれたし』とラインを送ります
――朱鷺森市 住宅地:千和家 軒先 18:30――
▶玄関の入口に青黒く滲んだ空間が開いていますね。悪鬼と見て間違いないです。
ことり「遅れましたーー!――ってうおっ、マジでか」
プロティン「待ってたよー!今朝会ったばかりのレディ!こんなところで会うなんて運命感じちゃうよねぇw」
ことり「いや、あなたも多分ここに行けって指示されてきたんですよね……」
棗「お疲れさん、って秋月ちゃんもいたのか。見ての通りだ」
桃風香「あ、このはちゃんだー!おーい!」
このは「見ての通り……、まあ見ての通りなんですが……。桃風香ちゃんも来てたんですね~」
彼岸「――ん?何か見え……き、気のせいですよね……」
棗「まぁもみじさんの関係者となればそれぐらいはできるか。帰るなら今の内だぞ、こっからは保障が出来ない領域だからな」
プロティン「リトルレディ、モフカちゃんって言うんだねぇ!そちらはコノハちゃんって言うのかな?初めましてw私の事はピーちゃんって呼んでおくれwよろしくねw」
プロティン「ところで先生、さっき話してた帰還装置なんだけど当然持ってないよ私。どうしたらいい??」
桃風香「ピーちゃん?よろしくー!」
このは「よろしくお願いします、ピー……さん?」
棗「そうだな、綾瀬ちゃん。他の面子にこういう所に入る時の心構えでも教えてあげてくれ。俺じゃ上手く言えない感覚だからな」
ことり「いや、心構えって言われてもなかなか困るんですが……」
プロティン「そっかーwじゃあ安心だ!で、空気を読んで今は、『人妻の営み24時』は中断してコレに入ればいいんだよねぇ?」
彼岸「な、何が起きているんですか……?」
ことり「おっと心配ご無用だそこのナイスガイ!私が持っているこの複数人で使える帰還アイテムの恩恵を授けて差し上げようではないか!」
プロティン「これはこれは今朝の美少女、今の女神!これも同じように使えばいいのか!ありがとう!名前と連絡先、それから好きな子の事まで教えておくれよ!」
桃風香「棗おじさん、あの中に入ったらいいの?」
棗「そうだな、これと似たようなのがあるならお祈りして置いておいてくれ。あと棗さんでいいぞ、俺しかいないしな」
桃風香「棗さん?うん、分かったー。師匠にちゃんと帰れるように目印描いておきなさいって言われたから大丈夫だよ!」
彼岸「――――この本、ですか……。支給品とは言われましたが……」
プロティン「全員準備できたかなぁ?それじゃあ行こうか!」
このは「こうやって入っていくのは久しぶりでしょうか」
プロティン「私たちの旅は!これからだ!」
桃風香「じゃあ彼岸おねーさん!こうやって入るんだよ……!行こう!」
▶桃風香は無理やり腕を引っ張って悪鬼の中に足を踏み入れます
彼岸「わ、わわわっ!?」
――無邪気の毒沼――
▶空には数式が数多に図解され、フィールドを包み込んでいますね。耳に聞こえるのは心地よいピアノの音ですね。曲からして恐らくジムノペディなんじゃないか?と思いました。床は古今東西の教科書や参考書で構成されていますが、教本の下は暗く底の見えない黒い沼で覆わており、落ちると助からなさそうです。また、底からは見えないドス黒い障気が肌を刺し、少し痛いくらいです
プロティン「ハッハー!この謎空間。なんだろうねぇ?先生、なんていうんだぁい?」
棗「ここは悪鬼だ。強く戦える自分をイメージしろ、すぐに敵が来るぞ」
プロティン「そういうことか!とぉうっ!!」
プロティン「グールライトパワー!ビーールドアーーップ!!!」
▶プロティンが空中にジャンプすると全身に光が包み込み、まるで変身ヒロインのようにくるくると回転し、脛当て、手甲、ボロい腰巻き、兜の順で金色に光り輝き装着していきます。胸には何も装着しておらず、中世のファンタジーのような剣闘士そのものになっていきます。よくよく見ると武器は剣などではなくバーベルですね
プロティン「ピロンッ」
プロティン 「ピピンッ」
プロティン「トゥルルルルルッ」
プロティン「ティラティラティラ」
プロティン「プロティン=リフただいま参上!――――ユイに代わって!おしおきぞ!」
▶バーンとバックで謎の爆発まで起きます
彼岸「――――も、もしかして手当の危険手当って……。こういう……、こういうことですか署長ー!?」
棗「大体あのオーナーが持ってくる依頼はここで元凶となっているものを倒すと解決する。だからこそ戦う意志を示せ、ここからが本番だからな」
彼岸「――戦う……戦う意思……!」
棗「なんでもいいさ、憧れたものでも揺るがないものでもな」
彼岸「――ええっと、とにかく何か力を……!」
▶太ももの付け根程あるスリットがばっくりしており、更に胸元だけハートに切り抜かれているチャイナドレスに着替えています。更に桜の印章がある両手爪を装着していますね
北森「師匠から教えてもらった技術!役立てないと!」
▶狐の耳と尻尾がふわっと出てきて、それに応じて手足も狐に応じたものとなり、白い毛並みがつやつやとしてきます。喫茶紅葉の制服を上から羽織り、おたまとリボルバーという謎の組み合わせを手に持ちます
棗「前より賑やかになりそうだな」
▶薬莢を親指で弾きくるくると上に飛ばし、身体と同じ大きさのあるライフルを上から落とし、肩で受け取って弾丸を詰めます
このは「出来なくなったことがあって、出来るようになったことがあって。新しくしてみるのもいいですかね~」
▶くるくるっと回って、カチューシャが空に浮かび上がり、花恋で見たことのある袖の長い巫子装束に桜吹雪と一緒に衣替えするよ。鈴の音が狐耳をより映えさせますね
彼岸「――ちょっ、ちょっと待ってください!何ですこれ!?おかしい!おかしいですってこの格好!なんで私だけ!?」
プロティン「最強だよ」
▶プロティンはサムズアップしてニコニコしています
桃風香「彼岸おねーさん強そう!」
彼岸「ううう……。強そうなのはいいですけど流石にこれは露出多過ぎません……?」
プロティン「最高だよ」
▶プロティンは両手でサムズアップしてニッコニコしています
棗「自己責任だ。まぁ世の中には、未だに過去の姿で変身する度に傷を負う奴もいる、精々吹っ切るんだな」
彼岸 「――こんなの想像した覚えはないんですけど……。誰の趣味ですかこれぇ……」
ことり「今思ったけど、卒業した後もこの格好のままなのかな……。大丈夫だよね……このはちゃん衣装変わってるもんね……」
▶ことりはふわーっと足元から少しずつ浮かび上がり、ペンダントが光ったと思うとブレザーにブラウス、特徴的な白いスカートにローファー。胸元の赤いリボンといった朱鷺森高校の制服に変身します
▶しばらくすると教本の下の暗い沼のような場所から爪を差し込み、這い出てくるようにそれは姿を現します。
毒々しく、全身が紫に溶けた身体で腕が溶けながらもしきりに
『勉強しなさい!いい大学に行くのよ!いい子でいなさい!!』
と喋っていますね。目は血走っており、瞳孔も開きっぱなしです。
棗「さ、おいでなすったぞ」
彼岸「や、やるしかないんですよね……!」
プロティン「そうそう、こういうぶっ倒せばおわりって解りやすい展開!こうじゃないとねぇw」
▶彼岸 通常攻撃[足刀蹴り]
失敗
▶思いっきり空振ります
彼岸「――爪なんて使ったことないんですけどッ!」
毒親「ゲームなんてすると脳がゲーム脳になるのよ!将来幽雅は東大に行かないといけないんだから、こんなおもちゃやってる時間なんてないのよ!」
▶毒親 勉強終わるまで晩御飯禁止(混成攻撃:陰固定8ダメージ。毒(2d6))
8ダメージ 毒付与
▶このは 回復薬
[毒]6ダメージ
▶棗 封魔の御札 通常攻撃
7ダメージ
成功 16ダメージ
[毒]2ダメージ
▶プロティン 通常攻撃
成功 24ダメージ
[毒]7ダメージ
秋月「やられたままにしておくのはよくないです。ふ~」
彼岸「うう……。こんなの聞いてない……」
棗「それじゃあいつも通りに、だな!」
▶周囲の空間が崩れ落ち、教科書や、強制させた勉強による幸せの虚構の現実は崩れ去っていきます。毒だけになったどろどろの身体からは、もう何も残ってはいません
プロティン「子供は親の所有物なんかじゃない、親がやることは見守ることだ!守ったフリして子供の成長の機会を邪魔してはいけないよ」
棗「終わったな。帰るぞ」
桃風香「彼岸おねーさん!崩れちゃうから帰ろう!」
プロティン「えっとぉ、きっとぉ、こうだよねぇ?」
▶フロントダブルバイセップスを決めています
このは「なにか、このはにできることはあるのかな……」
ことり「私今回何かしたっけ……」
――朱鷺森市 住宅地:千和家 軒先 PM18:30――
幽雅「はぁ……はぁ……な、ない……?――なくなってる……」
プロティン「呼ばれてないけど飛び出てじゃじゃじゃじゃーん、いつもの格好も落ち着くけどスーツの着心地も悪くない!どうした少年、探し物かぁい?」
このは「どうしましたか~?ゆーが君」
幽雅「ど、どなたですか……!? ああ……なるほど。僕じゃ勝てなかったのに勝ったんですか。秋月さんはすごいですね……」
幽雅「秋月さん、お母様の毒もらってますよ。僕が治してあげますね」
▶幽雅はこのはに正面からゆっくりと抱きつき、頭を撫でます
棗「一度戦って生きて帰ったのか。そういう判断ができるとは大したものだ」
幽雅「――死んでは意味がないですから。ほら、顔上げてください」
▶幽雅はこのはの顎を少しだけ上げさせ、優しく微笑みます
このは「あ、ありがとうござい……ます……。あのっ、一人じゃなくて、みんなで戦ったからっ!このははすごくないから!?」
幽雅「謙遜しなくて結構ですよ。ほら、治りましたよ」
▶幽雅はこのはの唇に人差し指を触れさせ、再び優しく抱きついて微笑みます
このは「なっなっなっ……。あうぅ~」
プロティン「おやおやぁwこれはこれはwまぁまぁw先生もコメントしてないでさぁw私たちもさっさと撤退して治しましょうw」
棗「――それじゃあ幽雅、秋月のことをよろしくな。俺たちの中で最初にダメージを喰らったんだ、しっかり治してやってくれ」
プロティン「アッハーハーwそれじゃあお先に失礼するよーw」
彼岸「いたた……。酷い目に遭いました……、格好もどうにかなればいいんですけど……」
桃風香「――彼岸おねーさん、じゃあ帰ろっ!師匠に今日の事報告しとかないといけないもんねっ!」
幽雅「ほら、秋月さん。神社に行きましょうか。――――というより北森さんも味方だったんですね。仲間を増やすのも才能ですよね……。僕にはまだまだ知らない世界がいっぱいありますね……」
▶幽雅はそう耳元で囁いてから、ボソボソと呟き、何事も無かったように離れますね
このは「う~、取り乱しました~……忘れてください。――かっこいいですね、ゆーが君」
幽雅「秋月さんほどじゃないですよ。今でも、あなた達だけが僕の英雄なんですから。あの時も、それに今日だって」
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